散歩路地《サンポロジー》      毎日が発見! 身近な自然が見えてくる!


 ☆ 多摩丘陵

 ☆ 世田谷の散歩道

 ☆ ネイチャークラフト

 ☆ 環境学習ゲーム

我が家の訪問者(6月の植物)

2013-06-30 | ガーデン博物記
6月29日。庭の草刈りをした。
我が家の庭は、気まぐれに野菜を作ったりもするが、たいがいは雑草園。
そろそろ草が伸びすぎたので、電動刈り払い機で草刈りをした。
刈り払い機のローターが回るすぐ脇で、何食わぬ顔で、ヤマトシジミがカタバミに産卵をしている。
「けなげ。」この言葉しかない。
僕は刈り払い機の進行をちょっと曲げて、カタバミの株を小さく回り込んだ。先に進むと、またまたカタバミが…。


刈り残されたカタバミ 2013-06-29 庭

 
カタバミ 2013-06-29 庭                ヤマトシジミ 2009-04-23 葛西

さらに進むと、今度はネジバナが弱々しく茎を伸ばし、らせん状にピンクの花を付けている。
これも、刈り払う気にはなれなかった。なんといっても、正真正銘の立派な野生ランなのだ。小さくても、ひとつひとつの花は実に美しい。

 
ネジバナ 2013-06-27 葛西臨海公園

一時ほどのブームではなくなったが、相変わらず野生ランの人気は高い。多摩丘陵あたりでも、、エビネやシュンランはどんどん姿を消した。そんな中で、我が家の庭や、公園の芝生の中に、このランが咲いていてくれるのが、ちょっと痛快だ。

窓際の手作りパソコンデスクで、この原稿を書きながら庭に目をやる。昨日刈り残したネジバナが、小さいが確かなピンクを揺らしていた。

おまけ。
6月の野生ランを、もう一つ。
多摩丘陵に残るカキランを紹介しておこう。今年の花付きはまあまあ、しかし、僕の知っている、3カ所の自生地のひとつは刈り払われていた。まあ、適度に管理をしてくれているので、生き続けることができるのだから…。 地元の方々に感謝。


カキラン 2013-06-17 多摩丘陵



ガンダムの欠点は右膝!?

2013-06-29 | 本当かな? 世の常識=自然界の非常識
昨日は、お台場へ行ってきました。
そこに作られた、大きな緑地を見に行ったのです。
待ち合わせはガンダムの前でした。

待ち合わせ時間の10分前、僕はガンダムを見上げていました。
そした思ったのです。 「これは、スズメや、ドバトが喜びそうだ!」



人間に見守られ、かつ、適度な間があり、たくさんの窪みがある構造。岩棚や、穴の中に巣をつくる鳥にとっては素晴らしい居住地ではありませんか。


中国語や、ハングル、英語が飛び交う中、しばらく眺めていると、スズメが飛んで来て、右足の陰に消えたのです。
僕の見ていた場所からは見にくかったので、回り込んでみると…。
いまし、いまし。スズメが飛び出してきたではありませんか。ガンダムの右膝から!


右ひざの内側の黒い部分から出入りしている。

 
アップで見ると、スズメが顔を出し、辺りをうかがっている。

右ひざからは、持ち込まれた巣材がはみ出し、ぶら下がっています。何度も何度も出入りする様子から、まさに、仔育ての真っただ中なのでしょう。

最近、スズメが減ってきたような印象があります。しかし、ここお台場には、結構な数が居るのです。
ちょっとベンチに座れば、すぐにスズメが近づいてきて、こちら(人間)の動きをうかがっています。おそらく、弁当でも広げるのではないかと思っているようです。ここのスズメは、観光客から餌をもらうことにも慣れているのでしょう。

餌がもらえ、良い住まいがある。
そりゃ、スズメも増えることでしょう!!


ベンチのそばに近寄ってきたスズメ 2013-06-28 お台場

つかの間の晴れ間 スズメのおしゃれ

2013-06-26 | 僕の散歩道
昨日は、ナガサキアゲハのことを書いているうちに、思わぬ方向に展開してしまった。
そのために書き忘れたことがある。スズメだ。

雨上がりで、まだ、舗装路の上に水たまりが残る道を歩いてゆくと、道脇の畑で何かが動いている。双眼鏡を当てると、スズメが土の中にうずくまっていた。


畑の土の上に何かが動いていた 写真中央の塊

怪我でもしているのだろうかと、近付くと、いきなり”ブルブルッ”と体を震わせた。
まるで、水浴びか砂浴びでもしていように。そしてまた”ブルブルッ”…。
どう見ても湿った”土浴び”をしているとしか思えない。しばらくすると、今度は羽繕いを始めた。羽の間に残った土を落としているように見える。

 
スズメの土浴び(左)と羽繕い 2013-06-25 世田谷

 スズメの砂浴び 09-08-26 お台場

今までに、水浴びや砂浴びは見たことがあるが、雨上がりの湿った土を浴びるのを見るのは初めてだ。これって、スズメ界の新しいエステか? となると、土浴びというよりは、泥パックというところかな?

どなたか、類似の観察例や、湿った土浴びの実態を知っている方は教えてください!

つかの間の晴れ間に見た、黒いチョウを思う。  クロアゲハとナガサキアゲハ

2013-06-25 | 僕の散歩道
天気予報では、晴れ間がのぞくことも…。と、なっていた。ウェザーニュースの雨雲の動きを見ても、昼前から晴れ間になると表示されていた。

6月25日。11時を回ると、急に晴れてきた。いつもより遅く、11時35分から散歩に出かける。
いつものコースを進む。途中フラワーパーク(農業公園)の中を抜けて行くと、チョウがやけにたくさん飛んでいる。時間帯の問題か、雨上がりにいきなり強い陽射し、という特殊な条件だからか、理由は分からないが、なんかウキウキする。
矢沢川脇の道に出ると、いきなり路上で吸水するクロアゲハに出会った。
クロアゲハは、久しぶりだ。しかし、なんとなくこのシチュエーションどこかで経験したような…。
家に戻って、調べてみた。
あった。 4年前の6月17日、同じように雨上がりで、まさに今日とほぼ同じ場所で、同じような写真を撮っていたのだ。

 
路上で吸水するクロアゲハ 2013-06-25(左) 2009-06-17(右) 世田谷

その後、定点カウントをしている場所で、15分間のカウントを始めた。
最近は、チョウのセンサス調査なども、結構行われているが、僕の実感としては、あまり良い感触ではない。
カウントの最後に目の前を通過した黒いチョウがいた。クロアゲハ? いや、これはナガサキアゲハだ。

ナガサキアゲハというのは、名前からわかるように、もともとは西日本に生息していたチョウだ。博物学者シーボルトが、長崎で採集し命名したといわれている。僕が子供のころは紀伊半島あたりまでしか分布していないと図鑑に書かれていたが、それが、10年ほど前から、関東でも見ることが多くなってきた。
温暖化の影響と言われ、良く例として取り上げられたりもしたが、疑わしい。ナガサキアゲハは幼虫がかんきつ類で育つのだが、僕の友人は、シークワーサのブームの際に、苗木と一緒に幼虫や卵が持ち込まれたと見ている。
この意見に僕も賛成だ。同様の例として、ビオラを食草とするツマグロヒョウモンが、ほとんど同じ成り行きで関東に侵入したものと確信している。
このナガサキアゲハ、翅の模様に変異があるのだが、黒い個体はクロアゲハとそっくりだ。しかし、アゲハチョウ類のシンボルともいえる尻尾(尾状突起という)がない。


クロアゲハ 尾状突起が目立つ 2013-06-25 世田谷 前の写真と同じ個体
 
ナガサキアゲハ 黒色個体 2011-10-14 世田谷 白斑,赤色斑の入った個体 2011-09-06 世田谷

東京の品川で育った僕には、子どもの頃図鑑でしか見たことがなく、憧れの的だったチョウがいる。それが、今世田谷で見ることができるようになったのだ。しかし、その中には、人間の都合で持ち込まれてしまったものが何種かいる。
少年の頃の憧れのチョウと、ゆがんだ形で対面しているというわけだ。

ことの是非を、今の段階で問うてもあまり意味はない。しかし、同じ轍を踏まないためにも、多くの意見を交わし、人々の心に留めておくことは必要なことだろう。

雨で成果が少なかったためか、ずいぶんと硬い話に発展してしまった。次は、もう少し柔らかくいきましょうか!

カルガモよ、お前もか…。

2013-06-22 | 僕の散歩道
晴耕雨読。
goo辞書によると、「田園で世間のわずらわしさを離れて、心穏やかに暮らすこと。晴れた日には田畑を耕し、雨の日には家に引きこもって読書する意から。」ということだ。僕の場合、晴れた日はフィールドへ出て、雨の日は、基本的に家の中で仕事をしている。というところだ。このところ梅雨らしい天気が続き、あまり外へ出ていない。
6月22日。台風が温帯性低気圧に変わり、通り過ぎた直後。久しぶりに散歩に出かけた。
草地の中に、鮮やかなピンク色のネジバナが目立ち、丸子川沿いのオランダガラシの生える地点に、異常にたくさんのモンシロチョウが居たくらいで、思ったほど生き物の動きは見られない。
そして、いつもの仙川脇の道に出た。
早速カモを探す。いたいた。今日もいた。
思った通り、カルガモとコガモだ。ほかに鳥の姿はない。しかも、この2頭何とも微妙な距離感。


コガモ(左)とカルガモ 何とも微妙な距離感だ 2013-06-22 仙川

しばらく観察していると、カルガモが片脚をあげて伸びをした。

 
寂しそうに佇むコガモ(左)と伸びをしたカルガモ。この後足を引きずって移動。2013-06-22 仙川

そして、おもむろに歩きはじめたのだが…。

「カルガモよ。お前もか!」と叫びたくなった。

今まで気が付かなかったのだが、カルガモが脚を引きずっているのだ。
そういえば、さっき伸びをした時も、片脚だけだった。なんと、カルガモも怪我をしていたのだ。双眼鏡でじっくり見てみたが、どこをけがしているのかわからない。見える範囲には傷らしいものは見当たらない。あとは、脚の付け根あたり、羽毛に隠された中ということだろうか。怪我の位置が分からないが、飛ぶことはできるのだろうか? いろいろ考えてしまう。
この2頭、共に怪我をした者同士で一緒に居るということになる。種の枠を超え、互いに励まし合って過ごしているのだろうか…。
少なくとも、カルガモは、まだほかに仲間が何頭もいるはずだが、それらは、どこへ行ってしまったのだろうか? 仲間を見捨てていってしまったのだろうか…。

その場を去るのが、ちょっと辛い。怪我を負ったカモたちを見捨てていくような気持ちになる。

とは言っても、ずっとその場にいるわけにはいかない。いつも通りの仔巣を歩きはじめた。
200mほど行っただろうか、別のカルガモが3頭で佇んでいた。2頭は昼寝。1頭は羽づくろいの最中だった。
ファインダー越しに「一緒に居てやれよ!」とつぶやきながらシャッターを切った。



最後に…。 ちょっと感傷的な書き方になり過ぎた。読み返すと、この3頭のカモを悪者にしてしまったようだ。くれぐれも、僕の個人的な感傷と想像の産物である事をお忘れなく。



 

ひとりぼっちのコガモ、ふたたび。

2013-06-19 | 僕の散歩道
このところ幾度か仔ガモの事を書いてきたが、今ここで話題にするのは、仔ガモではなくコガモだ。カモの種類の一種の、コガモというカモのことだ。

6月16日。地元の女子サッカーチーム”スフィーダ世田谷”の公式戦を見に行った。スフィーダは、チャレンジリーグという、なでしこリーグの下部リーグに参加し、現在トップを走っている。このまま優勝すれば、来期はなでしこリーグで戦うことになる。あの、沢や宮間や岩清水と一緒にプレーするようになるなんて…。と、サッカーファンの僕はワクワクしている。
さて、その帰り道、いつもの散歩道を少しのぞいてゆくことにした。

いつもの道を、いつもとは反対の道順で歩く。仙川脇の道に出たが、いつもとは違う景色に感じた。
しばらく行くと、先日1羽だけ仔ガモを連れたカルガモ親仔が居たあたりに差し掛る。
今日もいるかとキョキョロすると…、やはりいた。親ガモから少し離れて小さなカモが…。 いや、小さいことは小さいが、ちょっと大きい! 
何を言っているのかよくわから名だろうが、ようするに、想像していたよりは大きいカモがいるのだ。

近づいてみる。
やはり大きい。わずか2日間でこんなに大きくなるはずはない。ということは別の家族ということか。同じように仔ガモが1羽だけの親仔がいるということなのだろうか? こんなこともあるのか。 サッカー観戦の帰りで、双眼鏡も、高倍率のカメラも持っていなかったので、とりあえず、手持ちの低倍率カメラで撮影をして帰った。


ちょっと大きめの仔ガモを連れた親子 2013-06-16 仙川

撮影したカモをパソコンで見てみた。
違う。違うのだ。カルガモの親子ではないのだ。それはカルガモと、おそらくコガモのようなのだ。
ということは、5月6日を最後に姿を消した、ひとりぼっちのコガモだろうか…?

「いいわよ、先に行って。ちょっと片付けものすましたら、すぐに追いかけるから!」とか言って、元気に北へ帰った。
そう宣言しよう。何よりも、僕の心の安泰のために…。


5月12日の記事の最後の一節だ。
1羽だけ残されたコガモの姿が見えなくなった時の顛末である。そのコガモということだろうか…?
 

カルガモの仔だと思ったのはコガモだった 2013-06-16 仙川

6月18日。散歩の途中に再度確認。今度は双眼鏡もある。高倍率のカメラも持っている。
果たして、その結果は…。
いた、今日も、まるで親子のように連れ添う2羽のカモの姿があった。その小さい方に双眼鏡の焦点を合わせる。背中の模様、黒い脚。翼の付け根付近のグレーの色調。そして、翼を持ち上げた時に覗いたグリーンメタリックの翼鏡。
翼鏡というのは、翼の途中(次列風切り)にある、メタリックに輝く羽の部分のことで、カルガモはブルー、コガモはグリーンなのだ。 間違えない。コガモだ。

 
コガモ グリーンメタリックの翼鏡がくっきり(左) 右の翼が不自然に下がる(右) 共に2013-06-18 仙川

しかも良く見ると、右側の翼がやや下がって見える。6月16日の写真を見直すと、こちらもちょっとおかしい。
元気に北へ帰ったのではなかったのだ。翼を痛め、仲間と別れ、1羽で留まることになってしまったのだ。

本当にひとりぼっちになったコガモは、心細さから、カルガモに近づいたのだろう。しかし、子育ての時期は警戒心が強く、追い出され、ひとり、ひっそりと過ごすしかなかった。そして、繁殖が終わったこの時期、何とか一緒に過ごすことが許され、付かず離れず、なんとか行動を共にすることができるようになった、というところだろうか。
次の冬、仲間が再びこの地を訪れるまで、カルガモと一緒に過ごしてくれることを願いたい。

その10 ハチ・クモ・ベジタリアン

2013-06-18 | フィールドノート(多摩丘陵)
6月17日。梅雨の晴れ間を待ってましたとばかりに多摩丘陵に出かけた。
梅雨時は、毎年、臨戦態勢。毎日、1週間先までの予想天気図を眺めては、仕事の予定を調節する。
さて、11日ぶりの多摩丘陵だ。ミドリシジミ、オオミドリシジミの翅を開いた写真を撮ること。ヤンマ類の発生状況を確認すること。などなど、目的はたくさんあったが、やや期待外れに終わった。
注目するべき事柄は、、カキラン、オオバギボウシの開花と、久しぶりにサシバという鷹の仲間が見られたことなどだった。
ちょっと疲れ気味で体が重かったこともあり、足を引きずりながらの帰り際に、路上を何かが動いているのが見えた。近づくと、それは、ハチがクモを運んでいるところだった。昆虫の天敵であるはずのクモが、ハチに運ばれているのだ。


クモを狩りしたオオモンクロベッコウ(狩人蜂) 2013-06-17 多摩丘陵

狩人蜂である。きっと一度くらい話しに聞いたことがあるだろう。クモや、芋虫などを捕まえて、体が動かなくなる麻酔を打ち、巣の中に運び込み、卵をうみつけるというハチである。孵化した幼虫は、獲物を食い進みすくすくと成長するというものだ。
ここまでの話しを読み、とても先を読みたくないという方もいるだろう。
しかし、まあ、「しっかり食えよ。よ~く太ったところで食べてやるからな。」と言わんがごとくに育てられる、ブタやニワトリのことを考えてもらいたい。人間のやることも、たいして変わらないと思うのだが…。

さて、ハチである。巣穴まで運びこむところを見たかったのだが、それは叶わなかった。車が来てしまったのだ。狭い山道、車はあまり通らないのだが…。あまりにも間が悪い。車をよけている間に、ハチは藪の中に入っていってしまった。よい写真も撮れず、煮え切らない思いは増すばかり。――つまらない終わり方だな。

しかし、話しはまだ終わっていなかた。
翌日午前中、いつもの散歩道を歩いていた。道脇のアカメガシワという樹の花を見ていると、そこに黒いハチがいるのだ。そう、昨日見たばかりのオオモンクロベッコウだった。2日続けて対面するとはなんか因縁めいたものを感じる。しかし、今日の彼女には、狩人の姿はなかった。

 
アカメガシワの花粉を食べるオオモンクロベッコウ 2013-06-18 世田谷

このハチ、幼虫はクモを食べる肉食系だが、成虫は花を訪れるベジタリアンなのだ。花粉を食べる平和そうな姿からは、昆虫の天敵である大きなクモを狩る姿は想像できない。「昨日は昨日。私、そんなに怖いハチじゃないのよ」なんて言っているような気がした。

兄弟が少ないね! カルガモ2度目の繁殖

2013-06-15 | 僕の散歩道
6月14日。雨粒に直撃されたテントウムシの後の話。
いつもの仙川の脇の道を行く。もう、カルガモの仔たちもいなくなっているだろうなと思いつつ、川の中を覗き込んだ。見える範囲には3羽のカルガモがいる。そのうちの一羽の脇に、何かが動いている。双眼鏡を当ててみると、そこには巣立たばかりの仔ガモの姿があった。
早速近付いてみる。間違えない。小さなカモが親ガモにまとわりつくように動き回っている。カルガモが2回目の繁殖をしたのだ。
鳥たちは、1度目の繁殖が早く終わったり、最初の繁殖がうまくいかなかったりすると、すぐに2度目の繁殖をする。この個体が、どのような状況に置かれたのかは分からないが、とにかく2度目の繁殖をしたということなのだろう。
しかし、辺りをいくら探しても、仔ガモの姿は1羽だけ。兄弟の姿は見つけられなかった。
僕の探し方が悪いのか、あるいは、カラスやサギに襲われ、1羽だけになってしまったのだろうか。相変わらず一羽だけの仔ガモは、親ガモの足元にまとわりつき、甘えているように見える。


カルガモの親仔 2013-06-14 仙川

週に1,2回の散歩の時に観察する程度の僕には、カルガモ家族の事情を知る由もない。
「兄弟が少ないね」と心の中で訪ねてみた。もちろん答えはない。何が起きたのか全く分からない。だが、僕の目には、この親子が、やけに親密に見えて仕方がない。

梅雨の散歩道 雨粒のいたずら

2013-06-14 | 僕の散歩道
とにかく雨はあがった。久しぶりに散歩に出よう。
僕は、10日ぶりに散歩に出かけた。チョウはほとんど飛ばない。「やっぱり無理かな…。」などと思いながら歩いていた。

梅雨時と言えばカタツムリだが、シラカシの幹に、こんな細長い貝殻を背負ったカタツムリがいた。僕は、貝類は専門ではないので、種名まではわからないが、キセルガイの一種で、おそらくナミギセルだろうと思っている。

 
キセルガイの一種 2013-06-14 世田谷

国分寺崖線と言われる、多摩川の河岸段丘に残る樹林は豊かだ。自然度が高い樹林に棲むと言われる、こんな貝がうじゃうじゃいる。これはシラカシの幹についていたものだが、数えてみると、1本の樹の見える範囲だけで、軽く20匹を超えてしまった。

テントウムシのつぶやき

さらに散歩は続く。
すると、アジサイの葉の上にオレンジ色の点。――あれ、このフレーズ以前にも使ったな? それもそのはず、またしてもテントウムシだった。しかし、今回のは大きい。近づくと、ただのテントウムシではなく、おおきなカメノコテントウだった。しかも、すぐ後ろには黒い物体が。ひょっとして蛹か。ということは今まさに出たばかりということになる。これはいいところに出会ったとカメラを向けると…。
イヤ。黒い塊は、抜け殻ではない。中身が入っている。まさに蛹だった。
ということは、このカメノコテントウ(成虫)は、もう1頭が出てくるところを待っているのだろうか。蛹にお尻を向けて『ほら、あっち向いててやるから、早くさなぎの殻を脱いで、出てこいよ」なんて言ってるのかも…。
そんな冗談を頭に浮かべつつ、「パシャり!」と、2人の関係を絵に収めたのだ。
だが、そこで事件が起こった。シャッターが切れた瞬間。雨粒が僕の手にあたった。その直後には、カメノコテントウ(成虫)の姿が消えていたのだ。
いったい何が起こったのか。瞬時に飛び去ったのか? 
カメラのモニターを覗くと、ちょっとぶれたような画像になっていた。ちょっと老眼になってきている僕の目では、それ以上はわからず、「まあ、しょうがない」と諦め、再度、蛹の写真だけをを撮って家に帰ったのだった。

早速、カメラの画像をパソコンに取り込んだ。
謎が解けた。シャッターが切れた瞬間、おそらく、風に揺られて、樹の葉から滑り落ちた大きな雨粒が、カメノコテントウを直撃していたのだ。


カメノコテントウに雨粒が直撃 2013-06-14 世田谷

こんなの狙っても撮れない! 雨上がりもいいかも!


野ネコは野生動物?

2013-06-13 | ガーデン博物記
気象庁が梅雨入り宣言をすると、よい天気になる。僕はそう信じている。今年もこの信仰は当った。
しかし、今週になり、本格的な梅雨の空模様となった。さらに、個人的な事情から、実家の倉庫の片付けに行かなければならないことになり、散策に出られない日々が続いている。
実家の倉庫への行き帰りに、ちょっと気になることがある。それは、近所の緑地で見かける猫だ。よく見るのは3頭。そのうちの2頭は、うちの庭を闊歩していた猫ではないかと思うのだ(5月30日、我が家の訪問者参照)。

 
我が家の庭に居たネコとよく似た個体 2013-06-10  この場所のボスらしい野ネコ 2013-06-10 

この写真を見せると、上さんは「よくある模様なので、違うんじゃない」と一蹴してくれた。しかし、「いや、野生動物を見慣れている僕の観察眼からすると、同じ個体ではないかと思えるんだよ!」などと言ってはみたが、これは僕の強がり。それを見透かしたように「だって猫だもん。野生動物じゃないしね」と反撃されるありさまだ。

ところで、野ネコは野生動物だろうか?
偶然にも、今日、講義の中で、学生とこれに関する議論をした。あるものは「野生動物とは認めたくないですね」と言い、「でも飼い猫じゃなければ…。」という者もいる。
僕が「うちの庭には、野ダヌキも出るけど、それとどこが違う?」と聞くと、もともと「飼われていたものだし」と返事が来る。
我が家に現れる野ネコは、何代も前からいるようだし、もともと飼われていたとは、どこまでさかのぼって考えればいいのだろうか?

話しは脇道にそれるが、僕は仕事で小笠原の母島に年2回ほど出かけている。母島の最南端に南崎と言う岬があり、そこが母島本島唯一のカツオドリの繁殖地だった。


カツオドリ 2004-07-24 小笠原

「だった…。」過去形である。
現地の方に、「南崎のカツオドリは、一昨年は20番が繁殖していたが、昨年は3番になった」と聞いたのである。「それは大変だ、早いうちに一度見ておこう」と思い、脚を運んでみた。果たして…。
その年、すでに営巣するカツオドリの姿は無くなっていた。数頭の白骨化した亡骸が産卵するだけだった。カツオドリの繁殖を阻害したのは、野ネコであった。その後、猫が入らぬように、フェンスを施し、カツオドリが返ってくるように、デコイを置くなど様々な対策を講じたようだが、戻ったという話は聞いていない。


母島の南崎 中央の草地がカツオドリの繁殖地 右寄りの裸地にフェンスが見える 2006-05-10

野ネコの侵入防止のために張られたフェンス 2006-05-10

野ネコ自体が野生動物かどうかはともかく、少なくとも、正真正銘の野生動物にこれだけの影響を与えることは確かなようだ。

話をもどそう。
直前の記事では、人間が持ち込んだガビチョウの話をした。その他にも、アカボシゴマダラ(チョウ)やウシガエルなど、人間の都合で持ち込まれた生き物は多々ある。植物に至っては、都会の植物の半分以上の種は帰化種と言っていいだろう。

「ネコは餌もらってるしね」と上さん。
「でもうちの庭のネコは、窓を開けると逃げて行くだろ。あいつらは餌もらってないと思うけどね」と僕。
「そうね、うちのは野性かな」
「どこに違いがあるわけ」
「声かけてさ、近づいてくるのは、野生じゃないよね。逃げるのが野生かな!」
「なるほど!」

今日の結論。
野ネコは、野生のものと、そうでないものがいて、見分け方は、人の声に対する反応。