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みたり*よんだり*きいたり*ぼぉっとしたり

映画のこと、本のこと、おもったこと。

わたしの存在の根深いところにあなたの存在がある。

2004-12-13 01:23:22 | みる
レンタルの返却期限が迫ったため映画を2本観る。

『列車に乗った男』
『髪結いの亭主』監督パトリス・ルコンテと主演のジャン・ロシュフォールのコンビにジョニー・アリディが加わり、
男と男がありえなかったはずの出逢いをし、人生を交差させ別れてゆく物語である。

こう書いてしまうとシンプルであるが、そこには、
調和するはずのないものが出会い、反応し、変化が生じ、融合し、そして分離する過程があり、
人は限定された時間を生きているという現実があり、交換不可能な人生への憧憬がある。

さらに続けて
『ことの終わり』を観た。
わたしの存在の根深いところにあなたの存在がある。それは嫉妬も裏切りも伴うものだ。
自分の欲望にも苦しみにも忠実に向かった果てにある他者の存在を受け入れるということに加え、
神の存在をどう自らに取り入れるか、ということが描かれていた。(ような気がする。)


映画全般について。


*--                         --*

Fujiko Hemming LISZT&CHOPIN

あなたの傍にいたい。

2004-12-10 13:08:01 | みる
光の加減で頭髪の中にきらりとする白い一本を見つけることが、わたしには怖ろしいことだった。
夕方に化粧を直そうと鏡をのぞいた時、意外なほど疲れが出ている顔に、思わず目をそむけた。

わたしは若さを失うことを受け入れることができなかった。

もう本のタイトルも忘れてしまっているが、
森瑤子が”38歳を境に男の目が私に留まらなくなった”その愕然とする瞬間を鮮やかに書いていたのを、20代の頃に読んだ。

男の視線で自分が支えられている。

そんなものが?!
とわたしは思わない。
そんなものが支えになっているから揺らぐんだ、
といえば確かにそうだろう。

性的な男の視線をうざいと感じそれを跳ね返すように生きる若い世代の女性を、宮台真司は指摘している。
そういう意識の持ち方もあるのだ、と気づいたときには、
すでに男の視線を自分の内に取り入れることとわたしという存在は深く結びついていたのだった。

『恋愛適齢期』でジャックニコルソン演じるハリーは言う。
「君と居ると愉快だ」
30歳以上も歳の離れた美女を次々と恋人にするハリーが、
思わぬアクシデントのために50代のエリカを演じるダイアンキートンと時間を共にして、
そのエリカにつぶやく言葉だ。

『恋愛適齢期』ナンシー・メイヤーズ*ジャック・ニコルソン*ダイアン・キートン

東京都現代美術館

2004-11-27 03:16:49 | みる
10/27(水)『ピカソ展-躰[からだ]とエロス-パリ・国立ピカソ美術館所蔵 』に行く。

ピカソの絵を観てこんなに楽しかったのは初めて。
今までは「やっぱりどうもよくわからない。」と不可解さが先にたち、
絵を観て心に迫ってくることはなかった。

『庭の中の裸婦』に代表されるマリー・テレーズを描いた作品が好きだ。

人が生涯発達する中で「中年期の危機」というのはよく言われている。
わたし自身もその途中にあるので、40年ほどの自分の歴史がこの時期に急激に変化する、
それに性が深く関わることも実感しているけれど、それにしても「危機」というのはどうだろう。
少し偏狭でマイナスの言葉ではないか。
それはともかく、ピカソがマリー・テレーズに出会ったのは45歳、
妻ジャクリーヌとの関係が暗く重苦しくなっていく時期だという。

マリー・テレーズを描いた絵には”手放しののろけ”を感じるけれど、
それがとても良い。
ひとりの中年男性の性が強烈に独自の形でありながら普遍化されたことに共感し感動した。

そして一点ピカソ初期の作品、最初に暮らしを共にした恋人との抱擁を描いた絵は
とても美しかった。





国立科学博物館

2004-11-25 21:31:34 | みる
上野散策情報

に行って来ました。
子どもの頃に行った本館の建物の重厚感を懐かしんでいたのですが、
こちらは当分、お休み。
晴れやかな新館は祝日だったせいか、混雑していました。
人っ子ひとりいないような、連れとはぐれてしまうと怖いとさえ思った、
あの本館科学博物館のイメージは一新され、おしゃれな若者も多く洗練された雰囲気。
デートコースですね、うらやましい。

B3から3階まで全部で6フロア。
1階が入り口でそこから観覧フロアが上下に分かれているためか、観覧コースが分かりにくい。
でも、「おすすめコース」の案内パンフレットがテーマ別に7種類ほど用意されていて、
これを頼りに館内めぐりができました。
わたしの目的だった「恐竜に会いたい」を目指し、B1へまずは直行。
説明用のタッチパネルが各箇所に用意されているけれど、当日は子どもたちが占領状態で、
わたしの指はタッチパネルまでついに届かず。

3時間ほどいたけれど、半分も十分に観ていない。じっくりゆっくり説明を受けながら観覧したいので、ほとぼりのさめた平日にでもまた行こう。