数年前のお葬式の後の会食で隣りに座った二人の爺様の会話です。お二人とも80歳前後かと思います。若い頃二人は徴兵され同じ部隊に配属されました。戦闘中塹壕の中で敵の弾をしのぎます。しかしうっかりすると弾がヘルメットに当ります。弾丸はヘルメットに当っても角度が浅いとはじくようになりダメージは受けないそうです。しかし運悪く角度が深くなると貫通して中の頭蓋骨も貫く事があります。塹壕の中でも運の悪い兵隊が頭蓋を割られて亡くなりました。そんな話を食事を摂りながらにこやかに二人は話していました。私は食欲が無くなりました。
しかし老境に入った二人ですがその友情には変わりが無いようでした。若い人の中に友人が少ない事で悩む方がいます。また反対に友達の多さを誇る人もいます。それは二人とも間違ってると思います。友人は数の問題じゃないですね。誰でも分かります。
楽しい事を共通体験してもそれはその時だけで終わります。つまり二人の間に深い人間関係は生まれ難い。反対に苦しい状況を共通体験するとお互いにシンパシイが生じて友情が生まれます。俗に戦友と呼ばれる人たちですね。
戦友は別に戦場だけに生まれるものではありません。会社でも学校でも色んな場所で可能です。とにかく苦しい時間を共有した者同士だけが持ちうる一体感は時がどれだけ過ぎても色あせないものです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます