エテポンゲの独り言

残したい瑣末な話し

お墓考

2006年12月12日 | 社会

今朝のNHKでお墓をテーマにした番組が放送されていました。なかなか興味深いものでした。東京の新宿にあるお寺の墓地が流行ってるらしい。その理由を一組の夫婦を引き合いにして解説していました。番組をご覧になっていない方が多いと思うので若干解説します。

     ① 家族単位ではなく故人の墓とする。

     ② 遠い郊外ではなく住まいに近い都心にある。

     ③ 永代供養をしてもらえる。

     ④ 遺影や法要の面倒もみてもらえる。

     ⑤ 生前に墓を製作した方達どうしで趣味の会を作る。

最後の⑤だけは以前のNHKの同様の番組から付け足した項目です。つまり死んでから墓を立てるんではなく生前に業者と契約するわけです。生きてる間に自分の始末をつけてしまうんですね。

それにしてもTVで紹介されてたご夫婦はなんとも幸せそうな様子でした。葬儀やお墓の心配が無くなり、溜めたお金で海外旅行をしまくってるらしい。羨ましい限りですね。

整理してみましょう。自分かパートナーが亡くなった時、慌てなくて良いように準備が出来た。遺影から葬儀まで生前に契約を済ましたから完璧ですかね?もうたっぷりと悲しみに浸れます。

個人の墓を永代供養契約してるから子供や親戚に負担掛けなくてすむのが魅力らしい。残された者達に出来るだけ迷惑を掛けたくない」これが一番支持された理由だそうです。(アンケート調査から)しかしどの理由も現代ならではのようです。

実は先月、五十歳台後半のご夫婦から同じ話を相談されました。娘が二人いたけれど嫁に出したから子供に負担を掛けたくないそうです。「どこか良い霊園かお寺はないですか?」みたいな話しですね。

同様の悩みをお持ちの方は日本全国に大勢いらっしゃるようです。だから商売になるんでしょう。これに対する私の答えは素っ気無いものでおそらくご夫婦には答えにならなかったと思います。

人間は木の股から生まれたわけじゃない。男と女がいてこの世に生を受けました。親とか先祖がいて今の自分が有る訳なんですね。だからそんな自分を確認するためにも一年に彼岸お盆があっても良いんのでは。子供に掛ける負担とすれば小さいと思う。莫大な借財を残すわけではないんだから。

この問題から感じられるのは、現代社会に生きる私たちがどんどん個人に収縮してるように思えます。面倒な親戚付合いから離れるのは少し分かるけど子供に対しても同じ動きが見られるのはちょっと違うように思います。

人間は一人では生きられないのは皆知っています。生きると言う事は結局何がしか影響を与え合っていくことなんです。それを迷惑と考えるか助け合いと見るかの違いと思います。それにしても番組中の夫婦が後顧の憂いを片付けて毎日を喜んで大切に生きている姿は私にも良い参考になりました。


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