AVレビューを書かなければ、と思いつつもインスピレーションが湧かないというか、有り体に言えば「なんも思いつかん」という事なんですが。
最近AV観てないしなぁ、ってレビューは全部架空。幻想。私の頭の中の消しゴム。
と毎度のように思いつきのみの文章でお茶を濁しつつ、本日は何か違った趣向でいってみようかしら、と思いますがどうでしょうか。
これは実話を基にした話です。大体ですが。
我が家の近所に一杯飲み屋があります、というかありました。
小さなお店でしたがカウンターにはいつもたくさんのお客さんで、とても賑わっているようでした。なぜ僕がそれを知っているかというと、いつもドアを開け放していたからです。知り合いのお客さんが多かったのでしょうか、ちょっとうるさいぐらいに賑やかでした。
切り盛りしているのは若い夫婦、ヤンキー風でちょっと僕の苦手なタイプでした。だからと言う訳でもないのですが、その店には一度も行った事はありません。
屋号が、おそらく二人の名前になっていたのもヤンキーチックで苦手な感じだったし。人によってはほほえましくも感じるんでしょうけど。
通りすがりに横目で覗くとたまにその夫婦よりも年配の、ちょうど母親ぐらいの女性がお店を手伝っている事もありました。エプロン姿でかいがいしく料理を作ったりして。
勝手な想像ですが、悪さばかりしてきた息子が結婚し、やっと落ち着いて小さい店ながらも自分で商売を始めたことが嬉しくて、ちょっとうっとうしがられながらも手伝っているんだろうなあ、なんて思っていたものです。なんかそういうの、素敵やン? それでも行きませんでしたが。
ここで話は急転直下、プライバシーの事もあるので詳細は書きませんが、ある日この若夫婦は突然死にます。とある事件に巻き込まれたのです。
付き合いは無いといえ近所での事だったのでやっぱりショックでした。
もちろんですが店は閉店しました。仕方ない事です。
何日も店のドアには立ち入り禁止の黄色いテープが貼られていました。別に何と言う事もないのですが、その前を通る時は少し緊張して余り視線を向けないようにしていました。
また借り手が現れるんだろうか、なんて思いながら。
幾日か、はっきり覚えてはいませんが、結構な時間が経ち、またいつものように店の前を通ると「営業中」という看板が点灯しています。店名も変わっていません。ドアは閉められていましたが。
誰か引き継いで始めたのだろうか、と気になりましたが特に中にまで行くほどの興味は湧かず通り過ぎたのです。でもなんとなく「お母さんが店を継いだのかな」とは思いました。
そしてそれはその通りでした。
でも以前の通りではなかったのです。
ある夜、また店の前を通り過ぎようとした時、ドアが開け放たれていました。
「あれ?」と思って目をやると、店の前にお母さんが立っていたのです。僕と目があって笑いながら会釈してくれたんですが、以前とは全然様子が違いました。
洋服にエプロンを着けて店を手伝っていたお母さんは、着物に派手な化粧で塩沢トキのような異様な髪形で道行く人に会釈をし続けていたのです。
本当に失礼だと自分でも思うんですが、「壊れてしまったのか?」と思わずに居られませんでした。それぐらい異相だったのです。
でも悪いように考えようとすれば、それはいくらでも考えられます。
お母さんは息子達を失ってしまったという辛い出来事を乗り越えようと、自分を奮い立たせて店を再開しただけなのかも知れません。それが空回りして、傍目からみれば笑ってしまうような変な衣装を選んでしまった可能性も十分あります。
ところが人間は、というか僕がなんでしょうが、勝手で残酷な想像をしてしまうんです。同情しながらも、正直に言ってしまうと好奇の目で見ているのです。
そしてお母さんが本当はどうなのか、他者からは判断できないのです。
せつないです。でもそれだけです。
僕も、店のお母さんもその後変わらず日々を過ごしています。そんなものなんだろうと思います。
昨日も店の前に置いてあるファンシーな人形を見かけてブルーになりましたが、なっただけです。
……趣向が違い過ぎてしまったようです。AVの話から始まったのに。
すんませんすんません。
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最近AV観てないしなぁ、ってレビューは全部架空。幻想。私の頭の中の消しゴム。
と毎度のように思いつきのみの文章でお茶を濁しつつ、本日は何か違った趣向でいってみようかしら、と思いますがどうでしょうか。
これは実話を基にした話です。大体ですが。
我が家の近所に一杯飲み屋があります、というかありました。
小さなお店でしたがカウンターにはいつもたくさんのお客さんで、とても賑わっているようでした。なぜ僕がそれを知っているかというと、いつもドアを開け放していたからです。知り合いのお客さんが多かったのでしょうか、ちょっとうるさいぐらいに賑やかでした。
切り盛りしているのは若い夫婦、ヤンキー風でちょっと僕の苦手なタイプでした。だからと言う訳でもないのですが、その店には一度も行った事はありません。
屋号が、おそらく二人の名前になっていたのもヤンキーチックで苦手な感じだったし。人によってはほほえましくも感じるんでしょうけど。
通りすがりに横目で覗くとたまにその夫婦よりも年配の、ちょうど母親ぐらいの女性がお店を手伝っている事もありました。エプロン姿でかいがいしく料理を作ったりして。
勝手な想像ですが、悪さばかりしてきた息子が結婚し、やっと落ち着いて小さい店ながらも自分で商売を始めたことが嬉しくて、ちょっとうっとうしがられながらも手伝っているんだろうなあ、なんて思っていたものです。なんかそういうの、素敵やン? それでも行きませんでしたが。
ここで話は急転直下、プライバシーの事もあるので詳細は書きませんが、ある日この若夫婦は突然死にます。とある事件に巻き込まれたのです。
付き合いは無いといえ近所での事だったのでやっぱりショックでした。
もちろんですが店は閉店しました。仕方ない事です。
何日も店のドアには立ち入り禁止の黄色いテープが貼られていました。別に何と言う事もないのですが、その前を通る時は少し緊張して余り視線を向けないようにしていました。
また借り手が現れるんだろうか、なんて思いながら。
幾日か、はっきり覚えてはいませんが、結構な時間が経ち、またいつものように店の前を通ると「営業中」という看板が点灯しています。店名も変わっていません。ドアは閉められていましたが。
誰か引き継いで始めたのだろうか、と気になりましたが特に中にまで行くほどの興味は湧かず通り過ぎたのです。でもなんとなく「お母さんが店を継いだのかな」とは思いました。
そしてそれはその通りでした。
でも以前の通りではなかったのです。
ある夜、また店の前を通り過ぎようとした時、ドアが開け放たれていました。
「あれ?」と思って目をやると、店の前にお母さんが立っていたのです。僕と目があって笑いながら会釈してくれたんですが、以前とは全然様子が違いました。
洋服にエプロンを着けて店を手伝っていたお母さんは、着物に派手な化粧で塩沢トキのような異様な髪形で道行く人に会釈をし続けていたのです。
本当に失礼だと自分でも思うんですが、「壊れてしまったのか?」と思わずに居られませんでした。それぐらい異相だったのです。
でも悪いように考えようとすれば、それはいくらでも考えられます。
お母さんは息子達を失ってしまったという辛い出来事を乗り越えようと、自分を奮い立たせて店を再開しただけなのかも知れません。それが空回りして、傍目からみれば笑ってしまうような変な衣装を選んでしまった可能性も十分あります。
ところが人間は、というか僕がなんでしょうが、勝手で残酷な想像をしてしまうんです。同情しながらも、正直に言ってしまうと好奇の目で見ているのです。
そしてお母さんが本当はどうなのか、他者からは判断できないのです。
せつないです。でもそれだけです。
僕も、店のお母さんもその後変わらず日々を過ごしています。そんなものなんだろうと思います。
昨日も店の前に置いてあるファンシーな人形を見かけてブルーになりましたが、なっただけです。
……趣向が違い過ぎてしまったようです。AVの話から始まったのに。
すんませんすんません。
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