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日経MJ(流通新聞)メールマガジン
第303号◆2007.8.31
発行:日本経済新聞社販売局
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1.編集委員のコラム
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『プラスチック・レジ袋も使い方次第』
スーパーなど小売業界でプラスチック製のレジ袋の有料化、
使用制限の動きが広がっています。地球温暖化を抑制する配慮から
で、繰り返し使える木綿製などの買い物袋をマイバッグとして持参
する消費者もふえているようです。
それ自体は結構なことですが、気になるのは最近、おしゃれな
買い物袋の人気が高まっていることです。
その先端にいるのが、英国の人気バッグブランド「アニヤ・
ハインドマーチ」のデザインした綿製エコバッグ。
「I’m NOT a plastic bag」と大書され、
欧米で大人気。
米国では15ドルで売り出されましたが、ブランド価値が高まり
転売目的で買う人もいるとか。日本でも7月に2100円で発売
され、限定販売に各地で行列ができる人気ぶりです。
「限定販売そのものがブランド価値を高めるマーケティングでは
ないか」とささやかれ、「エコなのは綿製ということだけ。その
バッグを高い燃費をかけて各国に輸送し、高値で販売していること
を考えれば、何が『環境にやさしい』だ」といった皮肉も聞かれ
ます。
実際、おしゃれなブランド・エコバッグをよごすのがイヤで、
もらったレジ袋に商品を入れ、そのレジ袋をマイバッグに入れる
女性客も多いといいます。
これではファッションです。もちろんファッションを楽しむこと
は悪いことではないのですが、あまりエコをきどってほしくはない
と思うのです。
大体エコバッグなるマイバッグは大きく、かさばり、重いものも
少なくなく、使い勝手が悪いという評判もあります。
むしろ薄く、軽いプラスチック製レジ袋の方が便利で、ポケット
や小さなバッグに入ります。現にスーパーでもらったレジ袋を
たたんでポケットにしのばせ、買い物時に何度も使っている人も
見かけます。
何度も使いまわせば、環境負荷はその分抑制されます。
自宅の水道の蛇口に浄水器をつけ、市販のミネラルウォーターの
空きペットボトルに浄水器から入れた水を詰めて携帯する人も
ふえています。
カギは有料化です。スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグ
ストアなどは是非、有料化(あるいはポイント付与)を促進し、
プラスチック製の袋や容器の使いまわしによるプラスチック製品の
減量化を進めてもらいたいものです。
(日経MJ 井本 省吾)
オヤジ、日ぶりに納得、感心。