スキップ、ターン、リセット三部作といわれる作品のうち
ターンを読んでみました。
真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。いつかは帰れるの?それともこのまま…だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。
読後になんともいえない不思議な感覚に包まれる素敵な作品でした。
主人公の真希さんの純真なひたむきな性格も好感が持てて
どんな境遇になろうともへこたれずにがんばる姿勢はエールを送りつつ
読み進めることができた一因でもあります。
母と娘の絆、男女のプラトニックな思いも織り交ぜて
とってもいい感じでのエンディングでした
他の作品も読んでみようと思います。
薫山(2007.8.13)
最近、薫山に薦められて、読んでみました。
出だしから、主人公と思われる人物に語りかけるような調子でストーリーは始まります。
いったい誰が語っているのか??という思いを持ちながら読み進めていくと、
終盤で理解が出来ます。
そして、ストーリー展開が素晴らしい。
主人公が版画を製作する場面では、専門家でないと解らないような版画に対する知識が
細かく書かれています。作者の作品に対するこだわりが感じられます。
多少、時間のテーブルで悩んでしまう部分もありましたが、読み終えた後は
当たり前に過ごしている日々をもっと大切に過ごしていかなければ!と思いました。
ユッキー(2013.2.9)