名言の深海

名言とその著者への接近。

自由の重荷 ドストエフスキー

2005年04月27日 | 名言記事
良心の自由ほど魅惑的なものはないが、
これほど苦しいものもない。

    (ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」)



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「カラマーゾフの兄弟」
ドストエフスキー最後の長編小説。
カラマーゾフと4人の息子をめぐるおぞましい
家族劇をとおして、神と人間の問題に迫る。
この小説は20世紀に生きる人間の諸問題を
凝縮しているとされ、驚嘆をもってむかえられた。



カラマーゾフの兄弟1 ドストエフスキー 亀山訳

きまり文句 ギッシング

2005年04月03日 | 名言記事
人々は、お金で貴いものは買えないという。
そういうきまり文句こそ、貧乏を経験したことのない
なによりの証拠なのだ。

   (ギッシング「ヘンリ・ライクロフトの私記」)



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ギッシング 1857~1903
イギリスの小説家。
19世紀ロンドンの下層貧民の悲惨な生活を赤裸々に
描写した。しかし当時の読者の趣味に合わなかったため、
生涯人気を得ることがなく、不遇のまま病気で死去した。
日本では明治以来、多くの英語学生に愛されている。


「ヘンリ・ライクロフトの私記」
ギッシング44歳、死の2年前に書かれた。
57歳のライクロフトが、過去の貧困時代を懐かしみながら、
世間の喧騒から離れて読書に明け暮れる安息の日々を綴る。
死ぬまで生活に追われ続けたギッシングが、人生の願いのすべてを
注ぎ込んだ美しい佳作である。



ヘンリ・ライクロフトの私記  ギッシング

極楽と地獄 ゴーリキー

2005年04月01日 | 名言記事
仕事が楽しみなら、人生は極楽だ!
仕事が義務なら、人生は地獄だ!
  
   (ゴーリキー「どん底」)



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ゴーリキー 1868~1936
ロシア、旧ソ連の小説家、劇作家、社会活動家。
強い主人公による社会の不正・不条理の攻撃、
人間の擁護をめざすロマンティシズムなどに作風をもつ。
代表作の「どん底」は黒澤明も同名で翻案した映画を撮っている。



どん底 ゴーリキー