歴程日誌 ー創造的無と統合的経験ー

Process Diary
Creative Nothingness & Integrative Experience

「遺愛」の歌ー島秋人の短歌をローマで聴く

2020-10-22 |  宗教 Religion
ローマの聖マリア聖堂でフランシス教皇が主催された「平和のための祈り」に招かれた曹洞宗の峯岸正典老師のスピーチを聞きました。老師は上智大学哲学科の卒業生でもあり、第二バチカン公会議以降可能となった宗教間対話に積極的に関わってこられた方です。老師はドイツの聖オッチリエン修道院で修道生活も体験されました。日本の仏教的修道の伝統とキリスト教の修道院の霊性の伝統の間の東西霊性交流といって良いでしょう。
 
 峯岸老師のスピーチは、ビデオ放送(英訳付)の120分30秒あたりから始まります。
 
老師は、島秋人の短歌
   この手もて人を殺(あや)めし死囚われ同じ両手に今は花活く
   愛に飢ゑし死刑囚われの賜りし菓子地に置きて蟻を待ちたり
を引用しつつ話されました。
 
 死刑囚として7年間獄中にあった島秋人は、歌集「遺愛集」を我々に残して亡くなりました。ローマの会議のテーマは「我々は一人で生きているのではない」ということでしたが、歌を通じて獄中の島と繋がった多くの人々の心に遺した「遺愛」の短歌を読むとまさしくそのことを実感します。
 
 

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 長崎の鐘ー永井隆医師と小関裕而 | TOP | Eulogy dedicated to Prof. T... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 宗教 Religion