寒い時期の川崎貨物は忙しい。
頻繁にタンカートレインが出入りする。
製油所から積車が出てきて、空車が送り込まれて、
留め置かれているタキ車の組成入れ替えがされたりと。
ガチャン、ガンガンガンガンガン・・・
水銀灯に冷たく浮かび上がる幾筋ものレール。
ヤードに響き渡る音を聞きながら暫し寒さを忘れて見入っていた。
2015年2月 川崎貨物
未明に降った雪で薄化粧したこの日曜日のヒガハス。
普段だと上り定番がカシオペア狙いで混むところ、この日は下り定番が暗いうちから込み合った。
孤高の原色ロクロク27号機が来るからで、今や現存する国鉄機の中では一番人気。
投入された3085レが通過する7時過ぎはまだ道床にも法面にも雪が残り、
天然のレフ板と冬の抜けるような青空とフルコンで一層その凛々しさが増幅された。
2016年2月7日 EF6627号機 3085レ 東北本線 東大宮~蓮田
最終列車までに何とか雪絡みのカシオペアが撮れたらとそんなことを思っていた矢先に、
千載一遇のチャンスが巡ってきた昨日の8010レ。
未明に降った淡雪がヒガハスの田圃に残り、道床の法面は消えてしまったものの
なんとか8010レの通過までもってくれた。
蒼穹の冬空の下、屋敷森から時折落ちる雪氷を堪えながら夢中でシャッターを切った。
2016年2月7日 EF510509号機 8010レカシオペア@ヒガハス
EWFのモーリス・ホワイトさんの訃報に触れた。
10代からプログレロックに始まり、クロスオーバー、R&B、フュージョン、JAZZと聴き進み
鉄道の持つ鼓動と好きな音楽をクロスオーバーさせてきた電関人。
その青春期のど真ん中に在ったのがEWF。
津鉄に行くと、その広い広い空に天空と大地のダイナミズムを感じながら、
頭の中でEWFサウンドがビンビンヘビロテしていた。
沢山の、沢山の、ココロの音楽をありがとうございました。
1982年秋 津軽鉄道 金木~嘉瀬
ヒガハスの屋敷森に夕闇が迫る頃、
一日のクライマックスがやってくる。
空の雲も、北を目指す白銀の長距離列車も、
余韻のように美しくオレンジ色が染め尽くす。
この光景が名残惜しいかのように。
2016年2月2日 8009レ@ヒガハス