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蝦式電影生活(新館)

ずっとほったらかしやったんですけど、ブログ人のサービスが終了するらしいんで、ここを作って過去のデータを引っ越しました。

『ククーシュカ ラップランドの妖精』

2006-12-06 23:35:35 | 映画館へ行こう。

フィンランド北部、北極圏ラップランドが舞台のロシア映画。
正月に念願のラップランドへ行くので、その予習も兼ねて鑑賞。

でもさー、もう止めようよ、こういうの。
ムーミンの国やから?
サンタクロースの故郷やから?
フィンランドってだけで、メルヒェンチックなイメージで売り込むのは
あまりにもワンパターンじゃ無くって?

フライヤーやサブタイトルからは、
乙女な香りがびしばし漂ってきますが、
実は結構硬派な戦争映画。乙女さん達はここで違和感。
ところが、この『ククーシュカ』
「予想とは違ったけど、かなり面白い」作品なのでした。

森林限界より北の、豊かだけれども北極圏の自然に、
フィルムに特殊な処理をしたとかいう、くすんだ色調の効果もあって
大戦末期の重苦しい空気が伝わってきます。
とくに冒頭30分は、かなりタフな戦争映画の雰囲気。

敵対するフィンランド兵とロシア兵が、
先住民族・サーミ人の女性の家に転がり込んでの物語。
ポイントは、「三人が三人とも、互いのコトバが分からない」ところ。

一緒に暮らしてりゃ、少しくらい覚えたって良さそうなもんですが、
とにかく物語の大半を、意思疎通が出来ないまま進んで行きます。
この不条理な舞台劇みたいなシュチュエーションの下、
もちろん当事者間には誤解満載、とことん暗い物語の設定に反して、
唯一三人のコトバが分かる観客の立場からは、
むしろコミカルですらあります。

ところが更に面白いのは、この三人、
言葉は通じないままで、表面的なところは誤解山積みなままで、
それでも深いところで通じ合ってしまうところ。
異文化間コミュニケーションの常識であった
「話せば分かる」とか、「平和のために語り合おう!」とか、
そんなところの更に上を行くロシア人のセンスに、
思わずニヤリとさせられました。

『ククーシュカ』、滋賀会館シネマホールで
今週末10日(日)まで上映中です。

奇しくも、似たようなシュチュエーションの韓国作品
『トンマッコルへようこそ』も上映中。

洋の東西を問わず、笑顔が一番つよいのかも。


朝日ベストテン映画祭、2006年。

2006-12-04 22:42:09 | 映画館へ行こう。

早いものでもう12月。
あちこち飛び回ってる間に、街はすっかり冬の気配です。

さて、師走。
本日の夕刊に、「朝日ベストテン映画祭」の選考結果が発表になっていました。

■日本映画
1 ゆれる
2 紙屋悦子の青春
3 時をかける少女
4 フラガール
5 ストロベリーショートケイクス
6 博士の愛した数式
7 蟻の兵隊
8 花よりもなほ
9 雪に願うこと
10 かもめ食堂

■外国映画
1 グエムル
2 クラッシュ
3 父親たちの星条旗
4 クライング・フィスト
5 ブロークバック・マウンテン
6 麦の穂をゆらす風
7 ココシリ
8 マッチポイント
9 グッドナイト&グッドラック
10 キング・コング

うーん、今年はあんまし映画観てないなぁ。
これらの作品、半数以上は滋賀会館シネマホールでも上映してたのに。
これまでに観たのは、「フラガール」「かもめ食堂」「グエムル」の三本だけ。
要反省要反省。
あ、外国映画8位、ウディ・アレンの「マッチポイント」
12月8日までシネマホールで上映中。

日本映画の上位、
「ゆれる」「紙屋悦子」はかなり観たかったのですが…
原田知世、歳を重ねてどんどん良い感じになってきますね。
「紙屋悦子」の次が「時をかける少女」なのも少し奇遇。
「時を…」と同じく、筒井康隆原作の「日本以外全部沈没」
シネマホールで現在上映中です。

「かもめ食堂」は三人の女優さんのキャラがばっちり立ってたけど、
「ストロベリーショートケイクス」も
女優の個性が発揮されてそうでとても楽しみ。
そうそう、正月休みには、「かもめ食堂」とオーロラを求めて
フィンランドへと行ってまいります。
ニョロニョロって、電気食べてるんですよ。知ってました?

同じくフィンランド北部の、北極圏ラップランドが舞台の
「ククーシュカ ラップランドの妖精」
シネマホールで12月10日まで上映中。これは行かねば!
「ククーシュカ」はロシア語で「かっこう」の意味なので、
フィンランドにて、かもめとかっこうのロケ地を巡るのだ!!

この「ククーシュカ」では、戦争中の
フィンランド兵とロシア兵の間の奇妙な関係が描かれますが、
連合軍、韓国軍、人民軍の間の不思議なファンタジー、
「トンマッコルへようこそ」も好評上映中。

笑顔が一番つよいのです。