制度改正Watch

自立支援法・後期高齢者医療制度の「廃止」に伴う混乱を防ぐために

障害者の「情報保障」 その3

2009年09月25日 11時55分47秒 | 自立支援法・障害
昨日の「その2」に続いて、この条文について考えていきたい。

厚生労働省から出される文書(今日においても紙が基本。一部はイメージで取り込んでPDFで公開されるようになったが、検索対象にならない。何とか改善して欲しい)が、必要とする人たちには「届かない」と書いた。
それならば、支援者が間に入って、「国から情報が出てきたよ」と知らせる、さらに次の支援者が「わかりやすく、かつ具体的に言うと、こうなるよ」と知らせる、自分たちにとっての情報へと「通訳」すればよい。「わからない」を「わかる」にする、通訳モデルである。

情報を「届ける」ならば、この通訳モデルで十分だろう。しかし、地域で自立した生活をおくるために必要な情報を得られるようにするとの理念まで立ち返って考えると、このモデルでは不十分に思える。

まず、この通訳モデルは「国から障害者本人」への一方向の流れを保障するのみである。支援者が「通訳」するならば、双方向。本人の望みを第三者がわかるように具体的に言い換える、場合によっては「役人向けの言い回し」にすることが必要だろう。つまり、双方向の流れを保障するための「代弁(アドボケイト)」を支援者の機能に含める必要がある。

双方向の通訳モデルが実現できれば、その先に、参加して共に創り上げるモデル(参加モデル?共創モデル?)が見えてくるだろう。福祉・介護分野における「情報論」の研究と実践を期待したい。