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「迷い」とは、優柔不断で決断力に欠けるネガティブな性格なのではなく、むしろ多様な「私」になりえる才能である
(美術家・森村泰昌)
筑摩書房のPR誌・月刊『ちくま』2012年3月号の連載「美術、応答せよ! 」より。
学校、仕事、結婚。人生のあらゆる局面で、人間は決断を求められます。なかなか決断できない自分が嫌になったりもしますが、迷うということは、逆に言えば「あれもこれも選べる」自由を手にしているともいえます。
ゴッホやモナ・リザ、マリリン・モンローに扮したセルフポートレイト作品に行き着くまでは、自分の表現を求めて迷い続けてきたと森村氏は語ります。そんな氏だからこそたどり着いた、「迷い」のポジティブな受け止め方が凝縮された一文です。(au大人のStyle「日々是名言」)
【プロフィール】
森村泰昌(もりむらやすまさ)
1951(昭和26)年、大阪府生まれ。京都市立芸術大学美術学部卒。
1985(昭和60)年、ゴッホの自画像に自らが扮して撮影した写真を発表。以後、名作絵画を再現したセルフポートレイト作品「美術史の娘シリーズ」で世界的評価を受ける。
女優に扮した「女優シリーズ」など、既成の境界、価値観を問いなおす創作活動を続けている。2011(平成23)年に毎日芸術賞受賞、紫綬褒章受章。
著書に『美術の解剖学講義』『芸術家Mのできるまで』『「美しい」ってなんだろう? ―美術のすすめ』ほか。