医療過誤の原因は・・・

　昨夜、脳外科の最先端で執刀する高名な先生方と席を囲む会合を設けました。
　話題は、最近の医療分野での「訴訟の多発」でした。
　弁護士が、依頼者との信頼関係を重視すべきは当然のことと同様に、お医者さんも患者さんとの信頼は最も大切なこと、という認識では一致しました。
　しかし、お医者さんが、当該患者さんとの信頼関係を築いたとしても、万一、命を落とす事態が生じた場合、その身内が、「医者との生前の信頼関係」を理解してくれるかどうか、とは別問題です。　
　幸い、弁護士の場合、たいてい、依頼者の財産関係の処理が受任事件の大半であることから、信頼関係にある依頼者とは、事件後も信頼関係の確認がとれます。
　ところが、お医者さんの場合、命を対象にする仕事だけに、信頼関係を築いていたご本人がいなくなった場合に、問題が起こるようです。
　高名なお医者さん曰く、「カルテはいつ見られても良いようする。」「しっかりと詳しくカルテを記載する習慣をつけている。」とのことでした。
　今の時代、医者に鎧甲が必要なのでしょうか。
　カルテ開示が当然のような時代になってきたので、お医者さんには、患者との信頼関係だけでなく、いざ、というときの備えも必要なようです。