弁護士川原俊明のブログ

川原総合法律事務所の弁護士活動日記

政治家不在の日本

2008-09-28 10:40:04 | 日記・コラム
中山成彬国土交通大臣の「(地元住民)ごね得」発言、「日教組解体」論「日本の単一民族国家」論など、失言問題に、おそらく多くの国民はあきれかえっているでしょう。
 政治家として、それなりの持論を持って国会に乗り込んできたのは理解するとしても、国務大臣に任命された以上、内閣の一閣僚として、言動に責任を持つべきです。
放言・失言はとんでもないことです。辞任、あるいは、罷免は当然です。
 麻生内閣は、国会の内閣総理大臣指名に基づき、麻生総理大臣が組閣した行政府です。
立法府としての国会と異なり、行政府としての内閣は、日本国のあるべき姿を示し、日本のより良き未来形成に向けて、内閣が、一丸となって行動すべき立場にあります。
 国務大臣である一閣僚は、総理大臣によって任命されます。仲良し内閣とまで揶揄されるほどに、総理大臣の国務大臣任命権は絶対的なものです。
それだけに、国を動かす内閣が、閣内不一致の意見を抱えていてはいけないことから、総理大臣の閣僚罷免権が、憲法第67条で保障されているのです。
 それだけに、一閣僚としての発言は、時の内閣の方針なり、考え方、と見なされても仕方がありません。
野党が、麻生総理に対する任命責任を主張するのは、それなりの根拠があります。
 それにしても、中山国土交通大臣の、閣僚としての自覚のなさは驚きです。
国の命運を左右する閣僚としての見識は、全く見られません。
 言うまでもなく、日本は民主国家です。
多様な意見の存在は、思想信条の自由として保障されています。
 しかし、閣僚としては、日本を全体として鳥瞰的に把握すべきその立場を理解なければなりません。
閣内統一された意見でもない放言・失言をするようでは、閣僚としてはもちろんのこと、国会議員としても資格がありません。
 実に情けない政治家が、国会議員として席を温めていることに、憤りを感じます。
この背景には、国会議員の政治家としての質の低下があります。
各政党は、政党の得票率を上げるため、タレント議員の多用、二世議員の重用をし、日本の政治に不可欠な人材よりも、目先の集票マシンを候補に立てるばかげた習性があります。
ここに、日本の政治体制の後進性が見られます。
橋下大阪府知事が、中山失言を支持するコメントを流しています。
これにもあきれています。彼も、中山氏と同罪でしょう。
二世議員の登用について、小泉元首相の代議士引退声明に関連して、次男坊に票田を承継することを公表しました。
靖国参拝評価を別にしても、それなりに活躍した小泉元首相でした。
しかし引け際に、票田の世襲を明らかにすることにより、小泉元総理は、評価を大幅に下げたのではないでしょうか。
日本は、江戸時代に戻ってはいけないのです。
世界を見つめないといけないのです。
国民は、憲法の精神を理解しない政治家を選ぶべきではありません。

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5 コメント

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感想 (ppk)
2008-09-29 11:42:17
・ 内容はともかく、中山国交大臣の発言はいかにも  まずい。
・ 世襲政治家が増加するということは、「老舗の政  治屋」が増加するということ。
・ 民主党も「政権交代」のことしか眼中になく、
  絵に描いた餅にようなマニュフェストで票を集め  て一時的に政権を奪取してもすぐに崩壊するだろう。
・ もう与野党を問わず政治家には何も期待できない。
・ 結局、政治家のエゴがこの国を滅ぼす。
・ 国民一人ひとりが自分でモノを考え、マスコミに煽られて雷同しないこと。
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嫌橋下 ()
2008-09-29 11:59:25
橋下が中山国交大臣のコメントを支持すると言ったそうですが、一介の知事がしゃしゃり出て来てとやかく言う話ではない。とにかく目立ちたいのだ。すべての言動が無教養丸出し。ほんとに嫌な男だ。
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そうでしょうか? (被差別国民)
2008-09-29 14:13:05
 政治を批判するのは自由だろうけどね。選挙制度、政党政治、世襲など多くの問題を個人の責任で軌道修正出来るようなら、とっくに良くなっていると思わないかね。

 川原さんの持論を一部具現化するためには、先ず、高給職の所得税率を以前の累進課税率以上に上げたり、法人税率の見直し、消費税率の細分化など、やるべき改正はいくらでもある。

 タレントは能力だろ、政治能力があれば誰が政治家になっても良い。二世議員も本人の能力次第だ。その議員の選挙区民の民意とも取れる。
 小泉さんだけの問題じゃなく、有権者の見識も問われなければならない。選ばれる議員が適正な人格なら言い訳で、評価判断材料さえ明確にしてくれれば良い。
 徳川家康が三河、遠江を領有する大名時代、岡崎三奉行と言う言葉がった。一人は家康の意を良く理解し従順的に実行するタイプ、一人は家康の欠点を遠慮無く指摘し是正するタイプ、一人は二人の意見を調整するタイプ。400年以上前の人間の方が遙かにフレキシブルで民主的だったようだね。

 川原さんは弁護士の職位、弁護士会という群れの高見からのご意見を述べているが、群れから離れ職位を外して一人間としてご意見を述べるべきじゃないかな。私には説得力も現実味もない机上の空論にさえ聞こえてしまう。
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追加 (被差別国民)
2008-09-29 14:41:54
 「引け際に、票田の世襲を明らかにすることにより、小泉元総理は、評価を大幅に下げたのではないでしょうか。」と言うご意見ですが、次男坊が当選した時の話として、その能力や手腕で評価されるべきでしょう。引退する人の評価なんてどうでも良いでしょ。

 結果としての世襲の是非は、あくまで二世本人の能力、手腕、実績などで選挙区の有権者が決めることだよね。小泉さんの公表の是非は、捉える個人の自由であり川原さんに賛同する人も居れば、立候補公示まで黙っているより良いと思う人も居るだろう。
 例えは変だが、製品リコールを粗悪品の暴露と見るか企業責任の良心と見るかは自由だろう。

「江戸時代に戻ってはいけないのです。」って、具体的にどういうことかお教え願いたいね。まあ、江戸時代の幕府政治の実態も正直分からないんだけどね。
 日本は情緒国家だし、大岡裁きでも良いんでないの?
 そうそう、私の選挙区の立候補者が憲法の精神を理解しているかどうかわかりません。確認する方法を教えて下さい。
 最後に、質の高い政治家とは、具体的にどういう人か教えて下さい。
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Unknown (へぼ株おじさん)
2008-10-24 19:46:16
そうですね・・・。
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