江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

タクシー料金

2007年02月20日 | 労働・経済
昨日新潟市弁天公演で「安心・安全最優先のハイタク産業を守る集会」が開かれました。
新聞は「運賃値下げ反対」と伝えましたが、利用者からすれば安い方がいいに決まっている、何で反対なんだ、という声が聞こえてきそうです。

物やサービスの値段は市場競争の名の下で「適正なコスト」を割り込んでいるケースが多く見られます。
どこにしわ寄せが行くか。
一昨日の「あずみ野観光バス」の事故でも、安全と労働条件(過酷な労働時間と要員)がないがしろにされた結果とも言えます。

そこで「タクシー料金値下げになぜ反対するのか」まとめてみました。

(1)タクシー労働者の現状
安いタクシー会社では低い運賃をカバーするために違法な長時間労働が常態化しており、労働者の健康と安全が脅かされ事故の危険性が指摘されています。
また、市内タクシー乗務員の平均年収も220~230万円程度といわれています。
しかもオール歩合制賃金が広がり、今回値下げ申請している会社は毎月一定額を会社に納金する仕組みになっていますから、運賃を下げても会社に入る金は確保できるのです。

(2)業界の問題
新潟市内のタクシーは過剰状態ですが、まともな経営者(労働組合のある会社)は業界全体のことを考慮してむしろ減車する傾向にありますが、新規参入や今の競争市場原理主義の経営者が増車を繰り返した結果です。
今回の動きはまともな会社を直撃しますから、経営者の多くも反対しています。

(3)反対
このままでは競争で淘汰されつぶれる会社が出ることになるでしょう。
その後で再び料金の値上げが始まります。
利用者は安い方がいいと思うかもしれませんが、物やサービスには適正な価格というものがあります。現在の日本はこの適正さを無視して相手をつぶすまで競争する社会になっていますが、その中で最大の犠牲者はそこで働いている人たちです。
まともな働き方と処遇が確保される業界をつくることが最終的に消費者・利用者のためになると信じます。

<ご理解とご協力のお願い>
上記のような問題をご理解いただき、連合加盟の労組、組合員は交通労連と全自交加盟の仲間のタクシーに乗りましょう。3年前に目印のシールを車のガラスに貼りましたが、この取り組みをさらに強化したいのでご協力下さい。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
規制緩和による怠慢 (剣持政幸)
2007-02-21 08:18:17
先月、京都へ行った際、激安タクシーに乗車。JR二条駅近くの弥生会館から、市内の観光案内をお願いしたのですが、八坂神社で降ろされて、さっさと逃げられてしまいました。

この時、一緒に同乗していた人たちとは、「もう安いという前評判に騙されてはいけない。」と確認しあいました。

それにしても先日の大阪で起きた観光バスの激突死亡事故をみてもそうですが、規制緩和による影響が大きいですね。

全てが全てとは言えませんが、しかし暴走してる部分が大きいですよね。小泉前政権の無責任拡張 路線が、かなり皺寄せしてるかなと思いました。
返信する
規制緩和も良し悪し (江花 和郎)
2007-02-21 09:49:45
剣持さん、そうなんですよ。
1月に新潟で開催した「格差社会を考えるシンポ」でもパネリスト全員が、今のような格差社会を生んだ根本原因は「米国の要求に従った規制緩和」だということで一致しました。
安全や公正さを確保することに関わる規制はむしろ強化すべきものだと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。