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ベルカント唱法はマスターするのに20年は掛かる、と言われている位い難しいので、近年では真面目に習得しようとする人が居ない、と本場のイタリアでさえ言われています。
イタリアでさえ、出来るのが数人だけだ、と言う事です。
プッチーニやヴェルディ後期の作品には、ベルカント唱法は必要ないと勘違いしている人が多い事も、真面目にテクニックを学ぼうとしない一因に成っていると思います。
ベッリーニ・ドニゼッティのオペラは、完璧なベルカントのテクニックが無ければ歌えません。
ベルディの初期の作品には「ドラマティック・コロラトゥーラ」の物が多く、これを歌うにも、ベルカント唱法は必須です。
勿論「椿姫」にも、です。
日本人にはベルカントが出来ない人が多くて、ヴェルディ作曲「椿姫」や
ドニゼッティ作曲「ランメルモールのルチア」のコロラトゥーラが全くダメな人が多いです。
コロラトゥーラにHaを入れてはいけないのに、出来ないものだから、音と音の間に
Haを沢山入れてしまって、メロディラインが出来ず、まるで切り刻んだ挽肉の様に成ってしまっています。
イタリア語にはHA=ハと言う音は無いし、楽譜上のどこにもHA=ハとは書かれていません。
メロディラインを美しく出しながら、且、滑らず、音を一音一音明瞭に出すには、完璧なテクニックが必要です。
先ず、ベルカントのレッスンを受けた事の無い人には、説明しても殆ど分からないとは思いますが、
一応、コツを書いておきます。
「鼻孔の裏側から、小さな金づちをぴぴっと当てるが如く、息漏れの無い様に、一音一音綺麗に響かす。」
HAを入れている人は、口から息漏れさせながらやっているから、全てバラバラの挽肉状態に成ってしまうのです。
息は絶対に、ほんの少しも漏らさずに、鼻孔より上に上げたまま保たなければなりません。
口の前に蝋燭を灯して歌い、それが全く揺れなければ、漏れていない証拠です。