前略。「祖母力」を読め～～！そして鈴木啓太をチェックせよ～！

休日のちょっとした楽しみというのは、普段できない事ができるからだと思う。
そのひとつに、テレビをチェックするという事だ。今回は、NHKの「トップランナー」である。

ゲストは、鈴木啓太だ。

浦和レッズの選手で、日本代表ともにチームの顔にまでなっている。私はレッズが好きではないが、選手個人まで毛嫌いする事はないと自負している。フットボールという観点では、彼から学ぶ部分は大きいと思う。他チームだが、良い者は良いと認める必要もある。

こちらも詳細は観た方に聞いているか、再放送をチェックしてほしいのであるが。注目したのは、２００７年に彼が出場した試合数である。年間カレンダーに色分けされたものを鳥瞰したが、まあ戦っている。欧州のトップチーム主力クラスの出場数である。以前にも書いたが、ドイツのマテウスが現役の時のインタビューで「自分には休む暇がない。一年中サッカーをやっているよ」というコメントを啓太は体現している。

そんな彼が、日本代表への想いを語る時、イビチャオシムに言及し。自分のサッカー観を変えてくれた人、というコメントがあった。そして「サッカー選手の人生は短い。だから２４時間サッカーの事を考えなさい」と言われたらしい。トゥーリオも同じ事に感銘を受け、イビチャには尊敬の念を抱いているようだ。そんなイビチャの教えがあったから、上記のスケジュールでのサッカーが出来ただろうし、このペースで向こう３年間はサッカーをしたいとコメント。

日本にもこういう考えの選手が出て来た事にうれしく思った。

そんな啓太に影響を与えたイビチャであるが、「祖母力」を読んでほしい。これは光文社から出ている新刊だ。
そぼりょく、ではない。おばあちゃんの力ではなく（笑。

祖母井秀隆！この名前を知っているだろうか？まあ大宮アルディージャを中心にJリーグを観ている熱心なみなさんなら、
ご存知だと思う。元ジェフのGMさんである。うばがいさんである。その彼が書いた新刊が出たので、早速購入した。

この本には、私が以前にも書いたイビチャオシムが倒れた時、フランス経由で救急車を呼んだエピソードが書かれて、
いろんな事は想起してしまった。

興味ある方は、すぐに書店へ書いていってほしい。雪だろうが、なんだろうが、購入して読んでほしい。

その中には、こんなエピソードがある。イビチャは、選手たちに２４時間サッカー選手である事を要求する。「オシムの言葉」などで有名な佐藤勇人へだったかな？「サッカー選手に休みはいらない。選手が休む時は、引退した時だけだ」というフレーズに象徴されるように、とにかく熱心なのがオシムなのである。

そんな２４時間要求するオシムは、自分にも２４時間サッカーを要求していたのである。これは「情熱大陸」の録画でも言っていたが、とにかく国内外の試合を生放送や録画で全てチェックしている。Jリーグでも試合開始直前までスタメンを考えて、目を赤らめて試合に望んでいたんだと言う。つまり睡眠不足だったのである。

あおのオシムが？というイメージであるが、常に第一線を走っている人は他人には見せない部分で努力をし、命を削り、結果をだそうとする。それが本当のプロであったろうし、世界で戦える選手や監督なんだろうと思う。

これは不謹慎な事だろうが、おそらくオシムは好きな事をやって死んでもいいと思っている。彼にとってはサッカーが一番だし、サッカーで死ねるのなら、彼は納得するでのはないか？と真剣に思った。以前に、コンサート中に死去した指揮者がいたが、まさにあれに似て、オシムは試合中に倒れても本望だと思う。それだけあの年齢でも、サッカーに人生をかけているのである。それは、祖母井さんの文章を読むにつけ、ひしひしと伝わって来るのである。

大宮アルディージャで何も学べないというわけじゃないが、オシムに直々に何かを教えられた選手たちは、本当に変化する。それは日本国内に限らず、海外でもそうだ。ストイコビッチの「誇り」（集英社文庫）なども読んでみるがいい。だから今はもう日本代表になってもオシムから直伝はできないだろうが、大宮の選手たちも日本代表を目指してほしい。（これは樋口監督を否定しているわけじゃないので、あしからず）


以前のイチローといい、鈴木啓太といい、イビチャオシムといい、やはりトップになるための過程も凄い努力だが、
トップでいり続ける「持続力」が更にすばらしいと思うのである。

もし機会があれば、トップランナーと「祖母力」を読んでほしいと思う。