兵士ウクライナ
1
―盗むのをやめろ!
その兵士はさけんだ
「敵」が迫り
暮らしがおいつめられ
命があやうくなってきた町
商店を壊(こわ)し
物を次々と盗みはじめた市民
そのたくましい兵士はさけんだ
―盗むのをやめろ!
この闘いに勝って
我々がこの町を再建するんじゃないか
それなのに
自分で自分の町を壊してどうするんだ
だから、だから 盗むのをやめろ!
2
その兵士は涙をこぼした
幼な児をみて
―この子の最初の記憶が戦争だなんて!
幼な児はふるえている
寒さ、餓え渇き、そして恐怖
とつぜん戦場になった町で
―砲撃の音をききながら
逃げなければならない
この子
この子の最初の記憶が戦争だなんて!
その若い兵士は涙をこぼした
●ご訪問ありがとうございます。
ウクライナ兵士のことばをニュースでききました。心の気高さ・こころの優しさにうたれました。
他国へ避難するウクライナ国民。そのなかの一人の親が、我が子に、「電車を乗り継いでいくゲームをしているんだよ」と説明したそうです。「『戦争』で逃げるとは言いません」と。子どもの心を守ろうとするつよさにうたれました。