祈りを、うたにこめて

祈りうた(ウクライナ  檻(おり)ー二〇二四年)

(おり)―二〇二四年



1 ナワリヌイ氏を悼む

真冬の檻に閉じ込めた

猟師が来て檻のなかへ銃を向ける

害を為すから撃たねばならぬ それが正義だ

檻の外へ出られるのは―骸(むくろ)となったとき である





真実が語られない世界で愛が凍(こご)えている

われわれは黙っていてよいか 地球の隅っこで

 地が揺らぎビルが燃え 街街が荒れ地と化していくのを

悪が正義の雄たけびあげるのを 黙っていてよいか、私もあなたも





★いつも読んでくださり、本当にありがとうございます。
 「身命を賭(と)す」という厳しい現実をまだわたしは味わったことがありません。信念において、信仰において。けれど、それを実践した人がこの同じ地上に、同じ時代におられたこと、それを覚え続けていたいと思います。
絶望で立ち止まらず、希望によって前進しようとした人がおられたことを。

 
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