21世紀 脱原発 市民ウォーク in 滋賀

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東電幹部の刑事責任を問う 「東電原発裁判」

2018-05-24 08:46:24 | 記事

◆ 第68回・脱原発市民ウォークin滋賀のご案内 ◆

  2018年 5月26日 午後1時半、JR膳所駅前広場 

第68 回の脱原発市民ウォークを上記のとおり行います。
どなたでも自由に参加できます。
何かとお忙しいことと思いますが、ぜひ足をお運びください。

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■ハイペースで公判が進められている
  東電幹部の刑事責任を問う「東電原発裁判」■



左から勝俣恒久・元会長、武黒一郎・元副社長、武藤栄・元副社長

いま東京地裁において福島原発事故当時の東電幹部((勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長)の刑事責任を問う裁判が行われています。「東電刑事裁判」、「福島原発刑事訴訟」とも称されており、これらの三人の幹部が「業務上過失致死傷罪」を犯したものとして市民が訴えている裁判です。

原告は約1万4000人の市民であり、私も原告の一人になっています。福島原発以後、東京電力に損害賠償を求める民事訴訟はすでに396件起こされていますが東電幹部の刑事責任を問うているのはこの裁判だけです。起訴状では「三人は適切な安全対策を怠って福島第一原発の事故を引き起こし、原発近くの病院に入院していた患者らに長時間の輸送・待機を伴う避難を余儀なくさせて死亡させた」とされています。この裁判、市民からの告訴を検察側が二度にわたり不起訴としましたが、市民から構成されている検察審査会が二度にわたり起訴すべきとの議決を行い、ようやく強制起訴されるに至ったものであり、告訴から2017年6月30日の初公判まで実に5年を要しています。

初公判で三人の元東電幹部はいずれも自らの刑事責任を否認しています。その後、今年の1月に1回、2月に2回公判が開かれていますがが、4月に入ってからはハイペースで審理が進められています。4月初めに私の手元に届きました「福島原発告訴団」からの知らせによれば、公判の日程は、4月は10日、11日、17日、24日、27日の5回、5月は8日、9日、29日、30日の4回、6月は1日、12日、13日、15日の4回の公判となっていました。場合によりますが、公判が開かれる頻度は普通よくても数カ月に一回程度です。一カ月に一回でも多いぐらいですから、公判が一カ月の間に複数回開かれることは極めて稀です。このことを考えますと、この公判日程は稀に見るハイペースであると言えます。

この裁判における主な争点は東日本大震災のときに生じたような大きな津波が生じる可能性を予見できたかどうかということです。このため、検察官役を務める指定弁護士が有罪判決を得るためには、被告たちが津波の危険性を認識していながら対策を怠っていたことを立証しなければなりません。すでに、4月末までに東電や関連会社で津波の高さの予測に関する仕事に携わっていた社員の証人尋問が終わっており、5月1日の朝日新聞は「東電原発裁判 対策担当社員尋問に答える / 《津波15.7メートル》判断焦点 《国の長期計画の信頼性》意見述べる」と題した記事を掲載しており、「一つの山場を越えた」と報じています。

この立証のためにこれまで社員の証人尋問が行われていたのですが、上記の朝日の記事は、社員がどのような証言を行ったかが記されています。証言したのは、津波の高さは15.7メートルとする試算を行った東電の子会社の社員、東電内で津波対策を検討していた「土木調査グループ」の社員と管理職です。以下はこの記事からの引用です。

《尋問の中、傍聴者の多くが反応した瞬間があった。15.7メートルの津波の想定をして対策を検討していた社員が08年7月、(対策の)先送りを幹部から指示された時の感想について「力が抜けた」と語った時だ。当時は旧原子力安全・保安院が電力会社に地震対策の見直しを求めていた時期。現場が危機感を抱いていたにもかかわらず、上層部の判断で津波対策が行われなかった、と受け止められる内容だ。社員に指示したのは当時の原子力・立体対策副本部長だった元副社長武藤栄被告・・・社員は武藤氏の指示が「予想しない回答だった」とも述べた。》
《指定弁護士はさらに、グループ管理職の尋問を通じて「(見送り指示後も)個別に呼ばれるなど複数回、武藤氏に状況説明をした」「(勝俣氏も出席した)御前会議で津波対策の話をした」などと、現場の認識が経営陣に伝わっていたという証言も引き出した。》
《「15.7メートル」の評価に関しては、国の専門機関が02年に出した地震予測「長期評価」の信頼性がポイントになっている。尋問で社員は「長期評価は権威がある。採りいれないことはできない」「今も採りいれるべきだと思っている」と語り、管理職は「学者が『採りいれろ』と言っていた。採りいれざるを得なかった」と述べた。ただ、管理職は「根拠は信頼性に乏しかった」とも加えた。》

朝日の記事は「これらの証言から、大津波への対処はいずれ不可避であるという認識が東電幹部にも共有されていながら、結果的に対策は先送りされていたことが明らかになった」としています。今後の裁判の行方にご注目ください。
この裁判については《詳報 東電刑事発裁判 「原発事故の真相は」》と題されたNHKのサイトが各公判について詳しく報じていますので、ネットを利用されているからはご覧になってください。また、岩波新書「東電原発裁判 - 福島原発事故の責任を問う」(添田孝史著、2017年11月)」にはこの裁判の問題点、これまでの経過などが詳しく書かれています。

2018年5月23日

《脱原発市民ウォークin滋賀》呼びかけ人の一人 : 池田 進

 連絡先:電話/FAX:077-522-5415


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