今月の特集はアメリカ海軍の新型軍艦についてです。
世界情勢が混とんとしている現状においてアメリカ海軍も全世界に展開している艦艇での対応が厳しくなっている様子です。
新たなる国家防衛戦略において中国、ロシア、北朝鮮に対応するため米海軍は今後の目指す 4つの方向性を示した。
①全領域統合海軍力の構築、
②シーコントロールの獲得・維持及び戦力投射能力の維持、
③分散型海上作戦(DMO: Distributed Maritime Operation )、 遠 征 前 進 基 盤 作 戦 ( EABO: Expeditionary Advanced Based Operation)、
競合環境における沿岸海域作戦(LOCE: Littoral Operation in Contested Environment)、
④同盟国との相互交換性(interchangeability)、友好国との関係強化による戦略的優位性の確保
上記の②について該当する艦艇は「コロンビア級SSBN」「ヴァージニア級SSNブロックⅤ/Ⅵ」「フォード級CVN」
「ミサイル駆逐艦DDG(X)」「アーレイ・バーク級DDGフライトⅢ」「コンステレーション級FFG」
「アメリカ級LHAフライトⅠ」「サン・アントニオ級LPDフライトⅡ」「ルイス B.プラー級ESB」の9タイプについて各氏が解説しています。
これらの艦艇については今までも解説がありました。
この中で共通の課題としては既存システムからの進歩であり、
「ズムウォルト級」「フォード級」からの反省を踏まえてリスク軽減と、限られた予算での効率化が歌われています。
武田氏、井上氏が解説されている、「分散型艦隊」構想についてはあまり知りませんでした。
自分の中では空母打撃群を中心とした「CEC」が艦隊との核となると認識していました、
要旨として「味方のセンサーや武器は大型艦に限定せず小型艦や無人艦艇にも分散搭載する。
同時にネットワークで結ぶ。これにより敵は攻撃目標を選定する計算が複雑化と、多正面の警戒/防御に多大なコスト負担が強いられる。
結果的に味方の生存力と攻撃力が高まる」
井上氏は更に詳しく解説されています。
キーワードは「JADC2(Joint All Domain Command and Control)」です。
「CEC(共同交戦能力)」では敵からの攻撃目標がしぼられるが、「DMO」であればその点は有利となるとのことです。
課題としてはこれらのネットワークの高速化と集めたデータをリレーションして度の様にコントロールするのか。
後は「ルイス B.プラー級ESB」について最近の動向が気になります、
「ミゲル・キース」が岩国基地に寄港したあとに、
5月12日から21日にかけて、日本海においてアメリカ海軍による対機雷戦演習「ノーブルヴァンガード」に参加されました。
当初は単なる洋上基地としての機能か思っていましたが、多様的な利用が可能であることを模索しているのでしょうか。
「ルイス B.プラー級ESB」 「ミゲル・キース」
参考文書
大町克士氏 「新たな時代のシーパワーとしての海上自衛隊」