1週間後、またあの若い店員がローダーでハチロクを載せてきた。
今度はエンストしないそうだ。
若い店員にどこを直したか聞いてみたら、ディストリビューター(略称:デスビ)を部品取りのハチロクから取って来て交換したと言う。
デスビとは、4気筒のエンジンのハチロクだと、エンジンにはスパークプラグが4本差し込んである、そのプラグにはプラグコードが繋がれている、またその元にあるのがデスビだ。
ハチロクでデスビを交換する人は少なくないらしい‥。
母親 「こんな古い車で大丈夫なの?」
若い店員 「大丈夫すっよ。オレなんかもっと古いハコスカに乗ってますから。オレもうすぐ結婚するんすよー。」
ハコスカに乗ってるとこまではよかったが、この人が結婚する情報は余分だ。
小柄で茶髪で肌の色が茶色い‥どう見ても、すぐ結婚するなんて見えない…。
母親と若い店員は世間話をしている‥。
僕は、ちょっと離れたところからハチロクを眺めてみる‥。
白と黒のボディー、ホイールは黒色で8本のスポーク‥。
フォグランプも黄色い長方形だ。
クルマの左側から見れば“イニシャルD”の拓海のハチロクにそっくりだ。
なぜ、左側から見るのか?
それは、イニDのハチロクには右側にしか“藤原とうふ店(自家用)”の文字がないから、右から見ちゃうと僕のハチロクは、とうふ店の文字が抜けている‥。
だからイニDファンの僕は、あえて左から見たんだ。
話は戻ってハコスカといえば、母親が青春を謳歌していた時代に高嶺の花として流行ったスカイラインGT-Rのことだ。後続のケンメリも流行ったが直ぐ生産中止になってしまったらしい。
兎にも角にも、この瞬間から『AE86 スプリンタートレノ GT-APEX』は、僕の名義の愛車となった。
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