嶋田 「来年の夏で全てが終りだからよっ。」
坂本 「丁度、僕の誕生月だから僕が天から魔王になって降って来るんだよ。僕の参上だ!」
岡ちゃん 「坂本君、もう参上してんじゃん。」
坂本 「僕が参上してるから、もう魔王なんて出てこないと思うけど。」
嶋田 「そんなことねーよ。楽しみだなー。」
坂本 「何も起こらないと思うよ。」
岡ちゃん 「真面目な話、予言を信じ切っちゃってる頭のおかしい人が何かするかもしれないから、地味にそれが怖いね。」
坂本 「それって嶋田君のこと!?」
岡ちゃん 「いや、違うって!」
今夜は大晦日だ。
あと数時間で1999年だ。
今年もたくさん成長できた。
仕事の面では稼ぎが少なかったが、 何でもいいから体験や知識を集めて毎日一つ自分がレベルアップすることを実践してきた。
レベルアップしない日が無いように意識して過ごしていた。
さっき呑龍様にお参りに行って走り屋祈願をしてきた。
「お参りしてすぐに金山を走るのは止めた方がいいんじゃない?」と岡ちゃんが言ったのでやることがなくなってしまった。
だから、こうして足利の松田川ダムに向かっている。
特にダムが好きとかではなかったが、ひねり出した僕の案はダムへドライブだった。
待ちに待った年末年始の休みで、2人は羽を伸ばそうとしているのがわかった。
2人は頑張っている。
毎月定額のお金が入ってくるので、使えるお金の制限はあっても僕よりも2人は活動できる。
僕は‥そもそも普通の仕事ができるのだろうか‥。
僕は‥ボディビルの天才だと言って強がっているだけじゃないのか‥。
僕は‥。僕が歩んできた道は‥万人が見て価値があったと言ってくれる人はいるのだろうか‥。
僕は‥。
嶋田 「面白いこと言って。」
坂本 「僕?」
嶋田 「そうだよ。他に誰がいるんだよ。」
坂本 「岡ちゃんがいるじゃん。」
岡ちゃん 「いやいや、僕は無理ですよ。」
坂本 「わかったよ。よく聞けよ‥。」
嶋田 「あぁ。」
坂本 「‥‥‥ だっふんだ!」
嶋田 「あぁ、面白れぇーなぁ。」
岡ちゃん 「あっはっはっはっは!」
岡ちゃんは嶋田君の「面白れぇーなぁ。」の一言に笑っていた。