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金山のまぼろし

全力で生きる!!

65 仕事が決まった

2021-02-07 17:21:41 | 幻の走り屋奮闘記エピソード1
 
 

1月中旬、やっと次の仕事が決まった。

 

車に興味があるからと言って中古車店に勤務していたのではそもそもお金を稼げないことに気付いた。

個人経営の中古車店の社長は確率的に暴君に出会うことが多いのかもしれない。

 

あれが嫌だこれが嫌だと職種を省いていくと選択肢がどんどん減ってしまって職が決まらないかもと思っていたが、良さそうな所が見つかったのですぐに面接に行ったら受かった。

結構時給が良く1,200~2,000円と書いてあった。

水商売じゃないのに給料が良さそうだ。

 

仕事が続けばハチロクがどんどんレベルアップしていくぞ!

 

一緒に暮らしている母親の目を気にして早く仕事を探さなければいけないプレッシャーもあったが、そんな余計なプレッシャーからも解放される!

 

面接の時に工場案内されてその面接してくれた工場長は出来た方っぽい雰囲気がある。

僕は準社員として工場の中で鉄の扉を溶接して組み立てることが仕事らしい。

 

工場内は男性しかいなかったけれど、事務所には可愛い事務の女の人がいた。

この事務の女の人と接点は持てるのだろうか。

 

 

次の日の午前8時、その会社に出勤した。

朝の朝礼があるらしく事務所で少し待った。

窓から会社の敷地内を見ると外に20人くらい作業着を着た人たちが集まっていた。

 

そこで新人の挨拶をさせられた。

 

それぞれ先輩方は工場の中に自分の作業場があるらしく、工場長についていき、僕の作業する場所まで案内された。

その薄暗い工場を回っている中で「ここでやるしかないかな」と心を決めた。

 

工場長 「坂本君はこの場所で扉を組み立ててくれればいいから。」

 

坂本 「はい、わかりました!!」

 

工場の中は溶接の音や金属をハンマーで叩く音でうるさい。

 

工場長 「もうじき坂本君に仕事教えてくれる先輩がくるから。」

 

坂本 「はい!」

 

え‥?8時半ですけど。

確か、就業時間は8時15分からだったはずだ‥。

 

敷地内の遠くを見ると工場の外を茶髪で怠そうに歩いて来る青年がいた。

 

工場長 「遅い!」

 

青年 「はい、すいませーん。」

 

工場長 「昨日も遅刻したな!」

 

青年 「はいはい、すいませーん。」

 

工場長 「昨日言ったろ!今日から新人が来るから早く来いって。」

 

青年 「あぁ、言ってたね。」

 

工場長 「カジキより2コ上の坂本君だ、ちゃんと教えてあげてくれよ。」

 

坂本 「よろしくお願いします!」

 

カジキ 「よろしく。」

 

・・・

 

扉の組み立て方をカジキさんに教わり始めた。

 

扉は鉄の板で出来ていて、まず鉄のC型鋼という断面がC字をした鉄の棒を扉型に枠を作ってそこに鉄板をくっ付けるそうだ。

全部溶接で鉄同士を接着させて、頑丈にするらしい。

扉だけではなく扉が収まる枠の部分も鉄板を組み立てて溶接するようだ。

 

カジキさんからはため口で、でも気を使って説明してもらった。

説明だけでなく、まずは溶接で鉄同士を接着できないと話にならないようなので、溶接だけを廃棄する鉄板にずっと練習させられた。

 

中学の時に技術の時間というのがあって、その時の制作に似ているかもしれない。

少し、楽しい感じがした。

 

 

数日間、溶接の練習が続いた後、扉の組付けが始まった。