With the I Ching

易経や四柱推命、暦、占星術などの運命学の記事がメインです。

占術全体に対する所感

2009-05-05 13:12:21 | 占い全般のコラム

現在、占いを標榜するサイトは数多ありますが、その内容は実に様々です。

理論的なサイトもあれば、一方でヴィジュアルにうったえるような感性的なサイトも見られます。そして、どうも性質的に占いのサイトの運営者には2タイプがあるようです。

一つは「なるべく分かりやすくレクチャー、そして他流派や個人(の方法)を批判しない。口調も柔らかく文章は短め。」という方と、「自分の理論を強く主張したり、他流派・個人(の方法)を批判するのも厭わない。どこか口調は硬く、とっつきにくい長文。」という方です。

極端な分類ですが、長くサイトを運営していくと、往々にしてそのどちらかに傾いていくような印象があります。

始めは前者だったのが、権威付くに連れて後者になっていく人もいますし、逆に、始めは理屈っぽくて読みにくい感じだったのが、次第に読者にウケが良いような雰囲気になっていくケースもあります。こうした変遷を見ていると、運営者の心境の変化が表れているようで面白いです。

で、僕は研究者タイプで理論好きな人間ですので、どちらかと言えば後者のタイプになりがちとは言えます。ただ、実のところ、どんな理論でも常に(どんな条件下でも)正しいとは言い切れない側面があるし、自説にこだわるあまり根本の基礎を疎かにしてしまう恐れもあるので難しいところです。まあ、実践と理論で半々がちょうど良いというところでしょうか。

個人的には、自説を強く主張する人の「実証的には」とか「経験的には」という決めゼリフが苦手です。というのは、自分も時々それをするからです(爆)

こういう言葉は語感が強いので読者に「へぇ、そうなのか」と思わせるものがありますが、気をつけなければいけないのは、それが主に作者(または作者に近い人)の「実証的には」であり、そして作者自身の「経験的には」という一種の条件付きになっている点です。必ずしも、どこの誰が用いても同じように作用するとは限りません。

これは僕の作っている「白帯」にしても同様で、おそらく僕と縁のある人には有効に思えるだろうけど、逆にルーツ的に遠い人の場合では、あまり当たっていないと感じるかもしれません。類は友を呼ぶのです。

ちなみに、占星術には、おそらく四柱推命以上に数多くの理論や仮説がありますが、色んな研究者の考証の結果、“条件付きで使用可”という類のものも結構あります。

四柱推命の神殺もそのように言われていますが、特に例外法則として扱われる内容を説いている場合は、いつでもそれが適用できるというわけではないことを認識しておく必要があります。

新法則の発見とか新理論の発表とか、なんだかカッコいいですが、重要なのはそれが一般性のあるものかどうかということ。

ごく一部の特殊な命式の人にしか使えないものならば、ことさらひた隠しにするようなものでもないと思うし、もし一般性のあるもので、ほとんどの人に有効(役立つ)ものであるならば、それこそ隠すことなどせずに、「皆で共有しよう!」と広く普及させたほうが良いと思います。その方が公開者に対する評価や評判も良くなるでしょうし。

占いの世界だけではないと思いますが、ことさら利が絡む内容になると、人はそれを秘密として扱って他人の目に触れないように隠す性質があります。それが現代社会の仕組みでもあるのなら、別にイケナイというわけではないのですが、やはり閉鎖的な印象は拭えません。

僕自身、趣味として占いの世界に関わっていながら、今一歩楽しむことができないのは、そういった理由が大きいです。他者や他企業を出し抜いたり、また自身の相対的な価値を下げないために情報公開を最低限に抑える、というシステムに馴染めないからです。

もちろん、自分の生活に関わることなのでプロが増えては困る、という意見も尤もで、それに反論する気はありません。ただ、個人的には「占い界全体のレベルアップに貢献するプロ」というのがいてもいいのではないか、と思うのです。

そういう意気込みのある方が沢山登場されれば、この閉鎖的な占術界が改善されていくのではないかと思います。そして、社会的にも好意的に受け入れられ、次第に他分野との融合など、その応用範囲も広げられていくのではないでしょうか。

思うに、人の運命の予測に対する学問としては、占いは遺伝子工学に匹敵するかもしれません。特に洋の東西を問わず高度な占術とされている幾つかの占いは、学術的にも深く研究されてしかるべきものだろうと思えます。
占星術や四柱推命は、その代表選手でしょうね。他には、奇門遁甲、大六壬、紫微斗数、易経、風水、数秘術、姓名判断、家相や手相辺りもそうだろうと思います。

最近では、易とDNAの関係性を示唆する論文も出ているようですので望みはありますが、世間の認知的にはまだまだ低いと言えます。でも、こうした試みや発見・応用がさらに進展していくことを願わずにいられません。

だって、そうでしょう?

現時点で占いのサイトを作ったら、登録カテゴリーは「占い」でしかなく、広い意味では「趣味」や「レジャー」になってしまう・・・。これじゃあ、あんまりだと思いませんか?
サイト作成者にそんな意図はなくても、サイトを検索して知ってもらうためには、他の皆と同一のカテゴリーに入れるしかないという悲しい現実。。。

「占星術は21世紀(未来)の科学」という言葉が時折使われますが、今はまだ現実と理想とのギャップがありすぎです。一体、どうすればその溝を埋め、その壁を取り除く(あるいは乗り越える・迂回する)ことができるのでしょうか?

もし、真に占いが科学として認められ、社会や人々に役立てられている未来がそこにあるとしたら、皆さんならどんな情景が浮かびますか? どんな技術や分野と融合していると思いますか?

何かそうした具体的なイメージをお持ちの方がいらしたら、ぜひ意見交換したいなーと思います。



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