キャシー

女の名はキャシー。

言わずと知れた雨女だ。


この雨女、目の下のクマだけじゃなく、

ケータイの知識もヒドイもんだった。


「え？そんな機能あるん？」が口癖。

電話・メール・目覚ましの機能しかないと思っていた。

ケータイに関する知識はおじいちゃんと相違ない。


そんなキャシーがケータイ屋で働くことになった。


なぜ。

ただ、給料がよかったからだ。


当時キャシーはボーダフォンのケータイを使っていた。

働くのはａｕ。

ボーダフォンはもちろん、ａｕに関しても全くのわからんちんだ。


が、キャシーはただの目の下のクマがヒドイ雨女ではなかった。


勉強家だった。

キャシーはどんどんケータイに詳しくなった。


年に１度、ａｕのテストがある。

キャシーは試験会場で去年のａｕ試験１位の人を発見し、近づきこう言った。


「１位は私がいただきます」


キャシーの殺人的な目に恐れおののいた去年の１位。

しかしどんなに脅迫されようと去年の１位にはプライドと誇りがある。

こんな新参者に負けるわけにはいかない。


去年の１位だけじゃない。

この会場に来ている人200人、みんなライバルだ。


試験開始。

試験終了。

採点待ち。

結果発表。


ダダダダダダダダダダダダダダ

ダン！


１位でした。

見事１位。

有言実行。


さぁっすがぁ！


ａｕのことならキャシーの右に出る者はいないってこと。

つまりキャシーはａｕクィーンってこと。