cowboy-平松の部屋

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

水冷フロンテのデビュー戦(FJ360)は木製のリードバルブケース、銅板をハンダ付けしたリードバルブだった

2020-09-06 16:49:06 | スズキーフロンテのレーシングKIT
SUZUKI フロンテ レーシングKIT  2
水冷フロンテのデビュー戦(FJ360)は木製のリードバルブケース、銅板をハンダ付けしたリードバルブだった

空冷ENGの冷却不足でレース成績がでなかったが、フロンテも水冷(1971年5月)になり安定した
高出力が得られそうです。BxSは52mmx56mmで3気筒一体鋳鉄シリンダーです。市販車のシリンダー
をレーサーのExhタイミングに削る(5mmほど)と、ウオータージャケットに穴が空きそうなので、掃気タイミングを
加工の基準にシリンダーを厚いベースパッキンでもちあげ、シリンダーのヘッド部を削り、合わせます。それに
しても鋳鉄シリンダーをリューターで削るのは容易ではありません。シリンダーヘッドは圧縮比を合わせる為
に削ります、ピストンはとりあえずTOPリングのみ使う、
このENGはケースリードバルブです、STDは一枚のリードバルブですが、STDx2枚のV型を採用しました。
銅板をハンド加工、ハンダ付け(利一さん手製)のイッピンです。V型リードバルブの構想が決まったら、
リードバルブケースを木型屋さんで作らせるから、説明できる図を書け、それ持って木型屋さん行って
来いと利一さんに指示されました。木型屋さんには話が通っていて、ほんと即、削ってくれました。
キャブレターはTS125KITの余り(売れ残り)、24φを26φにボアUPし採用、インマニはダウンドラフト(STD)
から26φに変更により、中央でカットし取り付け角度変更、クランクシャフトはSTDを使用、
デビユー戦は、FJ360クラスに出場ですから、ENGは逆回転させます、逆転の専用パーツはまずスターター
モーター、クラッチこれはスターターギヤーが飛び込む外ギヤーに逆回転用チャンファー(面取り)が必要です、また
フェーシング材を高ミユーに打ち換えてます。OILポンプ、ウオーターポンプケースも換える必要があります
クランク軸のクラッチと反対側端面に50cc3気筒の点火ポイントケースが装着されます、ポイントの開くタイミング
を各ピストンの上死点前○mmをダイヤルゲージとイヤーホーンでセットします、そうです、チャッキークロ(茶黄黒)
ミッションギヤーは空冷時代の4速のみ3速に近ずいたクロスでした。出力は360ccで52PSほど出ていて
最高速は190Km以上は出たでしょう
なにせ、ベンチで出力テストしたENGそのままで、木製リードバルブケースですから、組み付けるナットの
軸トルクを慎重に掛け、シール剤でケース、ナットを覆い(塗りたくり),洩れないように、緩まないようにしま
した。
レース予選ではタイムは出さず、とりあえず、フロントローに、本レースはぶっちぎっていましたが、PITーIN、
1次線が切れてて、2気筒しか動いていなかった、即修理して再スタート、ラップされていたが最高速
で25Kmの差(4ST勢のTOPの最高速は165Kmぐらい)で TOPをストレートで抜いて同一周回に。
ドライバーは、これだけ最高速の差があると、怖いとも言ってました。なんと奇妙なデビュー戦でした。

補足説明 1:空冷エンジンの冷却不足。正確には高出力空冷ENGを冷却するには出力の30%を
冷却フィン(羽根)を回す力に使ってしまいます、冷却風の強弱により燃焼室内温度も安定せず
又水冷より燃焼室内温度が高温になり安定した高出力が期待出来ないようです
ポルシェ911やHONDAのF1-RA302が空冷から撤退(水冷へ)した理由からうなずけます。

補足説明 2:エンジンの逆回転。フロンテはRR(リヤ)ENG車です、ポルシェ911と同じでRRタイヤ
軸より後方にENG(クランク)がありあす。通常FJ360(360ccのエンジンを搭載したフォーミュラー)
はENG(クランク)をRRタイヤ軸より前、ドライバーの後方に搭載するため、STD車のENG搭載では
前進1速、後進4速になってしまうため、ENGを逆回転させる必要があります、2ストロークエンジン
はそれが出来ます。私のブログの郵政に2サイクルの逆回転の”なんで”が記載されてます
参照して下さい。

補足説明 3:FJ360 フォミュラー・ワン(F-1)の360㏄版です、JAFが制定した軽4のエンジン
を搭載したミニフォーミュラーです。後にエンジン容量が500ccまで可になり、FL500になります
主に、HONDA・N360のENGを搭載したマシンが多かったです。N360のENGはミニフォーミュラーに
スポって搭載出来ます(フロンテみたいに逆転せずに),又、ENGチューナー(ポップ・ヨシムラさん)
が多かったですね。我々2-ストローク勢は水冷になって、やっとレースが出来るようになりました
FL500に、フロンテのレーシングKITはボアをΦ52から、Φ54に変更し420ccで出場しました。
Φ54以上ボアアップすると掃気ポートの壁が薄すぎて、NGです。出力は60PS近くなり、F-1に
匹敵するパワー/ウエイトレシオで俊敏な加速性能やコーナーリングにより、当時のメインレース
になっており、より上級クラス臨むドライバーの登竜門となっており、中嶋悟さんらを輩出しました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿