経験値

まいど、どーも。

その手をどけろ。

2008-08-03 14:23:58 | ナースなお仕事
どう言ったら昨夜の出来事を冷静に話せるんだろう。

ともかく

そいつは患者の傍に近づいた。

嚥下が悪く、だから・・ゆっくりと自分の手で、身体を作る大事な大事な食事を取っている彼のそばに。

そしてやおら彼からスプンを取り上げると、食べ物を彼の口へ放り込んだ。

そいつは心の中で呟いた。

『 さっさと食べてよ。あたし 早く帰りたいんだから 』


そして まるで、ゆっくりしか嚥下出来ない彼が悪いかのようにイライラと、食べ物を彼の口に次々と詰め込んだ。

やがて 患者をベッドに寝かせ、心配しながら戻ってきた私は

彼が吐き出した食べ物を、床に這いつくばって拭いている、そいつを見る。

それから彼を見た。口の中が飲みきれない食べ物でいっぱいに詰まり、その頬はフグの様に膨らんでいた。

私の血が一気に頭に上がる。

ベテランの彼女は少しオロオロし 『 吐いてしまった 』 と言いながら それでもまだ彼の食事の介助?・・・・を続けようとした。

「 もう結構です。・・・さあ、ゆっくり食べてね 」私はスプンを彼に渡した。



気を悪くした彼女は、もう一人の食事の遅い患者のところへ向かい、スプンを取り上げ、その人のあごを乱暴にグイと持ち上げ 

『 ほら、顔上げて、さっさと・・

 「 かまわないから。ゆっくり食べてね 」

声は患者さんにかけながらも 目はきっと彼女を威圧して私は彼女の邪魔をする。

愚かなベテランは、誘導はおろか下膳すらせず、いきなりコップなど洗い出す。

その背中を私への怒りでいっぱいにして。




お前が、訴えることが出来ない患者さん達の耳元に 酷いコトをささやいているのは知ってる。

涙を流すその人たちを、私たちが何度励ましてきたかしれない。

私たちが懸命に上の者に話しても 実際に見てない上は何もしない。



10分で済むコップ洗いに、たっぷり倍も時間を掛けて、ただそれだけをすると

彼女は椅子に座り、遅番の時間の終了前に夜勤者が「 どうぞ、もう上がってください 」と声をかけるのを待っている。

だが今夜の夜勤者はそんなコトは言わない。

そんなコトを言うと こいつが次もまた、早く帰る為にずさんな仕事をするからだ。

終了時間がようやく来て彼女が帰った後のコップは ビショ濡れで拭かれてもいなかった。

あんな奴を首にしない この職場が情けなかった。。。