－政治家の職は、政治家たることを志す者が、その職に自らの一命と能力の全てをもって、過去から現在、未来へと続いて行く人々の命と権利と、生活の在り方を、束縛から解放し、新しく豊かで自
由な社会を作ることに尽くす、使命職である－
Ⅰ．政治家の職は使命職である。
１．今回のテーマはとてもシンプルです。そして皆さんに、ａ）政治家の職は使命職であること、ｂ）その職は、政治家たることを志す人が一命を捧げて臨まなければならないものであること、ｃ）
そしてその職は、人々の生活を束縛から解放し、人々の新しく豊かで自由な社会を作ることに尽くすものであることの３点を、伝えたいと思います。そして、政治家であることを志す皆さんは、この
覚悟を自分の体（入れ墨やタトゥーのことを言っているのではありません）と心に刻んで、そういう政治家になってください。
Ⅱ．前・アフガニスタン（アフガニスタン・イスラム共和国）大統領アシュラフ・ガニ氏
１．前・アフガニスタン大統領ガニ氏は、アメリカ政府がタリバン諸君と交わした和平合意に従いアメリカ軍をアフガニスタンから引き揚げている最中に在って、タリバン諸君のアフガニスタン全土
での攻勢に遭い、２０２１年８月１５日、大統領職を放棄し、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）へと逃亡しました。
２．アフガニスタンは、アメリカにとって自国防衛の戦略上の要衝（ようしょう）です。であるが故にアメリカ軍を進め、アフガニスタンの人々によるアフガニスタン・イスラム共和国の建国を支援
しました。イラクもそうです。長期の視点に立てば、アメリカ政府は、アフガニスタンから軍を撤収すべきではありませんでしたし、イラクもその任務を、戦闘を伴うものから訓練や支援へと変えて
行くと、バイデン大統領は発言されていますが、これも撤収まで及んではならないものです。国が育つには８０年ぐらいのスパンが必要だと構えるべきでしょう。この８０年は、一つの独裁主義国家
の誕生から消滅まで歴史を、ソ連邦を基準に取って７０年とし、それに１０年を加えた年数としています。国家が、自由主義の国であり、民主主義の国であり、人権主義の国へと育つのも、これ位の
年数を要すると考えています。
Ⅲ．事件の衝撃
１．この事件は、私たちが西洋近代思想において、読むべき政治思想の本として伝えられ、政治に臨む者の常識として考えられて来た知識には収まりきらない、－政治家の職は使命職である－ とい
う、新たな常識を迫るものとなりました。ガニ氏の資質の問題ではありません。ガニ氏は知識人です。そして、それなりの覚悟もお持ちだったでしょう。しかし、タリバンへの恐怖が勝りました。
２０２０年９月９日には、アムルッラー・サレー第一副大統領の車列を狙った自爆テロが、首都カブールであり、サレー氏は幸いなことに軽傷でしたが、６人がお亡くなりになり、１２人が負傷され
ています。
１の注： サレー氏は、今回の事件で、憲法に従い、自分が正当な暫定大統領であると宣言されています。従って、アフガニスタン・イスラム共和国政府は、まだ存在しています。
２．今回の事件の衝撃は、中央アジアのアフガニスタン一国に留まらず世界に及びます。日本はどうでしょう。日本の近隣には、朝鮮半島に大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国という休戦中の二国が
あります。中華民国と、日本の領土であるにもかかわらず、中華人民共和国が譲れない国益だと称する尖閣列島があります。南シナ海には、その中華人民共和国が造った軍事上の要衝である人工島が
数々あります。そして、韓国と日本にはアメリカ軍が駐留しています。日本の政治家の覚悟はできているのでしょうか。
Ⅳ．アフガニスタンへのメッセージ
１．削除
２．タリバンの最高指導者、ハイバトゥラ・アクンザダ師に、私は抗議します。そして求めます。ニュースを見ても、アフガニスタンからの退避希望者はあまりにも多く、退避には数か月を要するも
のと思われます。日本の輸送機がカブール空港に着いたものの、退避希望者が空港に到着しておらず、その人たちを運べなかったと言います。タリバンの諸君は、これからの人々の退避を整然と進め
るために、戦闘、及び、人への暴行、殺傷行為を中止してください。負傷者に対し、暴行、殺傷行為を絶対に行ってはならず、負傷者が、必要な治療を受けるため、国連と負傷者の望む国からの医療
チームを受け入れてください。そして、負傷者が治癒後に帰還するための輸送機を、各国が派遣することを受け入れてください。人を殺してはなりません。人々の命の無事と、無事な帰還を、私は
求めます。
祈りの空
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