クルーズ船、ダイアモンド・プリンセスに対する政府対応を叱(しか)る
1.中華人民共和国(以下、中国と略称)の武漢を発生源とする新型コロナウイルスによる感染症肺炎が、
日本でも日に日に広がり、今や、市中感染の域に入っています。
2.この感染ルートについては、三つのルートを考えることができます。一つは、中国の感染者が、直接、
来日して日本人に感染させたルート、二つには、日本人が中国に渡航して感染し、新型コロナウイルを
日本に持ち帰ったルート、第三が、現在、横浜港に停泊中の大型クルーズ船、ダイアモンド・プリンセス
号から下船した感染者から拡散するルートです。
3.ここでは、国際上の責務において日本が果たさなければならない新型コロナウイルに対する措置の観
点から、ダイアモンド・プリンセスに対する政府対応を取り上げます。
4.ダイアモンド・プリンセス号
a.建造:日本(2004年、改装:2014年)
b.船籍:イギリス
c.運航会社:アメリカ、プリンセス・クルーズ社、及び、プリンセス・クルーズ社のジャパンオフィス
であるカーニバル・ジャパン社
d.今回のクルーズ(1月20日~2月3日):横浜→鹿児島→香港→チャン・メイ(ベトナム)→
カイラン(ベトナム)→基隆(中華民国)→那覇→横浜(パンフレットで確認)
e.乗客:2666名、乗員:1045名
f.乗客国籍:アメリカ(425名)、カナダ(215名)、中国(香港)(470名)、中華民国
(20名)、イギリス(40名)イスラエル(15名)、アイルランド(6名)、韓国(14名)、
ニュージーランド(13名)、ロシア(25名)、ルーマニア(2名)、日本(1285名)
〈 注:Webから拾い出したもので、正確な詳細とは誤差があります。 〉
g.乗員国籍:ルーマニア(15名)、北マケドニア(3名)、他、日本をはじめとする多国籍と思わ
れます。詳細は未確認です。
5.ここで、新型コロナウイルスによる感染症肺炎への感染、発症という集団感染が発生しました。これ
は、日本の国家の危機ともいうべき事態で、その初動において、日本政府にその認識はなかったと思え、
乗客の皆さんは「いつ感染するか分らない」という切迫した状況下での対応を、厚生労働省のスタッフと
派遣医療チームは、行うこととなりました。今回の事態を、福島第一原子力発電所の事故と比べれば、
国際社会に及ぼす影響において、今回の方がはるかに大きいものとなります。
6.内閣の責任
a.新型コロナウイルス感染症対策閣僚会議への欠席閣僚が多く、認識と自覚の甘さがうかがえます。
b.加藤厚生労働大臣は、ダイアモンド・プリンセスの乗客(全員)を収容できる施設がなかったと、述
べられています。しかし、そんなことはありません。今回の事態は、国家の信認に関わる事態であり、
オリンピックの選手宿泊施設を使用する手立てもありました。船内には体調が思わしくない人、発熱のあ
る人に残っていただき、症状の自覚がない人全員は、選手村へ移動いただき、経過を看るという措置を取
れば、感染者は現状よりもはるかに少ないものに抑えることができました。
c.また、加藤厚生労働大臣は、専門家の意見を聞きながら船内での対策と処置を行ってきたと述べられ
ています。これは、新型コロナウイルスが未知の領域のものであることは認めますが、責任転嫁の弁にし
か聞こえません。
d.内閣は、今回の事態に対し、世界の国々へ責任を取られ、それをお示しいただく必要があります。
2月の空