A.シュンペーター批判
1.前回述べましたように、シュンペーターが予見した社会は、選ばれた(と称する)少数の「よりよき知能を持った(とこれも称する)者」がグランドデザインする、巨大生産機構社会です。
2.私たちが作る社会は、社会の全員が、生きることにおいて達成しようとする目標を持ち、それを達成することのできる社会であり、その成果を社会に実装することによって、人々が豊かになり、人々が活き活きと暮らし、そして人は、再び(三度でも、四度でも、何度でも)目標を掲げ、それを達成し、成果を社会に実装して、生きがいを持ち続け、充実した幸福な人生を送ることのできる、生きがいの循環する社会です。
3.この社会を実現させるためには、選ばれた(と称する)少数のよりよき知能を持った(とこれも称する)者に、知識を独占させてはなりません。私たちは、賢くならなければならないのです。歴史は、そのように進んできたのです。
B.AIの発達
1.幸いにも、AIが素晴らしく発達しています。
2.私は、今年の5月から、カトリック教の信仰講座、「科学と神」=「科学者はなぜ神を信じるのか」を、Web上のオンラインで受講しています。講師は、世界でもトップクラス(ノーベル賞候補クラス)の素粒子物理学者でいらっしゃり、名古屋大学名誉教授でいらっしゃり、かつ、カトリック教会東京教区の終身助祭でいらっしゃる三田一郎(さんだいちろう)先生です。このため、この講座の理解の手立てにしようと、別に入門書で、量子論を学習しています。入門書ですが、演習問題があります。
3.その中の一問に、「金属表面に入射する光を外部に放出させない場合 ――外部に光を放出することを光電効果と言います―― のデーターから、プランク定数(h)と仕事関数(W)を求めよ」という問題があります。プランク定数とは、光(光子)のエネルギー(E)と振動数(ν:ニュー)の間の関係を示す定数(h)で、E=hν です。仕事関数(W)とは、光(光子)が金属の内側から外側に光(光子)を運ぶために必要なエネルギーで、E=hν-W です。hν>Wならば、光電効果で入射した光(光子)は、外に出てきます。さらりと出題されていますが、九州大学の大学院修士課程の入学試験に同様の問題がありました。
4.この問題を解くのに3日かかりました。最後はAIの手を借りました。回答を得て思うのは、如何にAIが、足りない考えを補ってくれるかです。そのAIは、マイクロソフトのEdge付属のCopilotです。グーグルの検索にもAIが導入されていて、問題を入力すれば、計算をやってくれます。
5.これは、企業の宣伝を行っているのではありません。
6.昨年(2024年)、グーグルは、AIに関連して、ノーベル化学賞で3名、物理学賞で2名の受賞者を出しました。これから、AIは、ますます身近で便利なものとなって行きます。
7.AI開発者は、善を行おうとする意志を持つ人でなければなりません。AI開発企業は、それを企業風土とするものでなければなりません。そして、AIが与えてくれる恩恵に浴する私たちも、善を行おうとする意志を持つ人でなければなりません。
8.そして、私たちは、生きがいの循環する社会を、人類のある限り、作り続けるのです。
お知らせ:gooへのブログの投稿は、今回が最後となります。次回からは、アメーバブログへ投稿いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2025年6月30日
筆者:前田子六
東京カテドラル聖マリア大聖堂