横浜の建築設計事務所 コア建築設計工房のブログ

建築のこと、 横浜のこと、保育や福祉施設のこと、介護のことを表現します。

YSK建築セミナー

2022年01月31日 | セミナー・講習会

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の井下です。

弊社が加盟している横浜市建築設計協同組合(YSK)主催にて、建築セミナーが開催されます。
講師には、山本理顕さんをお招きして、「これからの公共建築を考える」をテーマにご講演いただきます。
横浜市立子安小学校やチューリッヒ国際空港付属複合施設などの建築作品と共に、
建築家のあるべき姿やコンペの形などを語っていただきます。
オンラインによるセミナーで、定員500名です。
みなさまのご参加を心よりお待ちしております。

開催日時:2022年2月12日㈯13:00-15:40
開催方法:Zoomウェビナー
申込方法:以下のURLよりお申し込みください↓↓↓
https://us06web.zoom.us/.../reg.../WN_4JJvpAtNSHSL-B5npsLe8A





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〒231-0013 神奈川県横浜市中区住吉町6-69 馬車道STビル5階 
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MUJI HOTEL GINZAへ行きました

2022年01月27日 | 建築旅行・建築巡り

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の野上です。

無印良品のホテル、MUJI HOTELが面白かったです。

無印良品は、廉価でなく手が届かぬほど高価でなく、ちょうどいい価格。そして、機能的で素材感あるミニマルなデザインが特徴だと思います。
MUJI HOTELはそれが体現されていました。


↑入室してすぐ

鴨居と姿見の上端が揃っています。
細長い部屋の奥へのラインが強調されているようで、入るときの高揚が印象深いです。

暮らしの品を扱うお店だから、しつらえと建築がきれいに融合されているようで、完璧な空間でした。
例えば、まるで床の間に鎮座するようにコーヒーマシンが置かれています。↓

部屋の中の物も、引き出しの中の物も、全て居場所が決まっており、足し引きできない雰囲気でした。
コンセント収納スペースもありました。


↑コンセント収納


↑引き出しの中。うっかりコーヒーを淹れた後に撮ったので、一部欠けました…


↑部屋の中

また、IoT(モノのインターネット)も組み込まれており、カーテンが自動開閉し、Bluetoothで音楽が聴け、直接照明も間接照明も自由自在でした。

コンセプトが「和」の部屋だったようで、畳に床座と布団で、本棚には禅の洋書、廊下には枯山水のオブジェがありました。
コロナが落ち着けば、海外からの旅行者で賑わうだろうなと思いました。


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にゃんとも心地よい世田谷1

2022年01月25日 | 建築旅行・建築巡り

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の渡邊です。

早くも1月が終わりに差し掛かり、暦の上では大寒を過ぎ春の暦が近づいてくるころかと思います。
体調管理に気をつけて参りたいと思います。


▲豪徳寺_拝殿

さて、今回は、井伊家の菩提寺である「豪徳寺」について書きたいと思います。
数年前、豪徳寺の招き猫を買い、大掃除をしている時に不覚にも割ってしまったので供養するために行きました。
ようやく、念願といったような形で豪徳寺に初詣に行き、その場所に立ち心地よい風と共に
「変わっていないな」と思いつつ、足を進めると
招き猫を供養する招福殿に向かいました。

▲まさかの改修中、、、。(豪徳寺_招福殿)

正直、とてつもなく申し訳なさがこみ上げてきました。
「もう少し、早くに正式な方法で供養してあげれば良かった」
と思いました。
それでも、招き猫を置く場所はあったので「ありがとうございました。」という気持ちを込めて
供養をしました。
それはそうとこの豪徳寺、何故招き猫を供養する場所があるのかといいますと、
井伊家の伝説にて彦根藩主だった井伊家のお殿様が鷹狩帰りに猫に手招きされ寺に立ち寄り、
寺で和尚と会話していると突然雷雨となり、雷雨を避けることができたされています。
このことから豪徳寺では「福を招く猫」を「招福猫児(まねきねこ)」と呼ぶようになったそうです。(諸説あり)
以来、豪徳寺では招き猫を祀り、今日に至るまでにゃんとも素晴らしい福の数々を沢山の人々に運んできました。

御朱印を頂く場所には、招き猫が置かれており、買うことができます。
今年は三号を買いました。
来年は必ず行けるようにしようと思います。
それではまたよろしくお願いいたします。

参考文献:

大谿山 豪徳寺

東京都世田谷区にある曹洞宗の寺院、大谿山 豪徳寺の公式サイトです。

大谿山 豪徳寺

 

 

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明けましておめでとうございます

2022年01月05日 | 設計事務所の日々のこと

明けましておめでとうございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の井下です。
本年もよろしくお願いいたします。

年末年始休暇に「フォレストアドベンチャー小田原」に行ってきました。
大自然の森の中、ジップライン(ターザンロープ)や綱渡りなど、ハーネス(命綱)をつけて遊ぶことができます。


▲森の中を散策するだけでも気持ちいいです


▲ワイヤーロープに滑車付きの命綱をつけて安全に遊ぶことができます


▲徐々に命綱を信じることができてくると、かなりの高所でも楽しめます


▲最大100m超のジップラインがコースの中に8つあります。


▲ジップラインはかなりのスピードがでますが、こどもも大人も楽しめます

 

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アバター時代の建築見学

2021年12月03日 | メディア

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の渡邊です。

人一人アバター時代と言われ、簡単にアバターをサンプルモデルから
自分専用のカスタマイズモデルを作成できる時代。
(例:Vroidなど)

SNSも、建築見学もバーチャル空間で行われることが多くなりました。
バーチャルSNS「cluster」では渋谷の街や原宿の街を再現して、
その中でイベントなどを開催しています。

どこにいても街並みを歩ける手軽さ、
感染のリスクなくあらゆるコミュニティに入りこめるのは
「cluster」を始めとするバーチャルSNSの強みです。
いつでもワールドに入れるので、新鮮な情報を色の濃いまま、
脳を上書きできます。

権利上画像をここに貼れないのがとても惜しいのですが、
一度自分のアバターを作成し行ってみてはいかがでしょうか。

きっと、刺激的な体験があると思います。

参考文献
https://jp.techcrunch.com/2021/08/16/cluster-vr/
▲バーチャルSNS「cluster」キーパーソンと建築家小堀哲夫氏に聞く「バーチャルはリアルを変えるのか」
https://cluster.mu
▲バーチャルSNS「cluster」

 

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最新トイレ情報 ~もう3Kではない~

2021年11月10日 | 街づくり

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の森です。


先日こどもを連れて羽田空港傍の公園に行った際に素敵なトイレを発見したのでご紹介したいと思います。


▲一見普通の切妻造りの建物ですが進んでいくと


▲外壁は焼杉材


▲さり気なくトイレピクトサインがあるのが分かるでしょうか?


▲羽田空港を見渡せる展望台になっていました。


▲景色の反対側に個別ブースでトイレが並んでいるようになっています。


▲トイレブース内も各ブースで色を変えたタイル仕上げになっており、広さもある綺麗なトイレとなっていました。

昔は学校や公園内のトイレは3Kと呼ばれ「汚い、臭い、暗い」というイメージが強かったですが、そのイメージを払拭させる取り組みが行われています。

TOTOが行っているトイレプロジェクト「THE TOKYO TOILET」もその一環で世界で活躍するクリエイターたちが個性豊かなトイレを造っています。

こういった利用のしやすい明るいトイレ、建物が増えてくれると街の雰囲気も良くなり素敵ですね。

 

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構造見学会に参加しました

2021年11月04日 | セミナー・講習会

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の井下です。

ナイス株式会社さんの2か所の構造見学会に参加しました。

1つ目は、「FC町田ゼルビアクラブハウス」設計は隈研吾さんです。
FC町田ゼルビアは、現在J2のサッカーチームです。
J1昇格にはクラブハウスを持つことが条件としてあるそうです。

▲木ジョイスト梁により、最大3.5mはねだしています。


▲柱・梁はS造で、屋根面が木造になっています。
平面形状は単純な矩形ですが、屋根面をあえて斜めに勾配を跳ね上げて躍動感を作っています。


▲ジョイスト梁の成は506㎜、ピッチは600㎜、スパンは最大8.5m、フランジ部分はLVL、ウェブ部分はOSBでできています。
野地板は、厚み36㎜のCLTです。
屋根面だけで50m3の木材を使用しています。


2つ目は、「小平市の有料老人ホーム」設計はラカンデザイン研究所さんです。
耐火木造3階建てのため、木構造はすべて厚み21㎜の石膏ボード2枚張りで被覆されています。

▲階高を抑えて圧迫感が低減されています。


▲耐火被覆のため2重天井になっています。


▲基礎立上りよりも1FLが低いので、基礎は外断熱されていました。



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陰翳礼讃と日本文化私観2

2021年10月01日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の野上です。

先日の記事の続きです。

坂口安吾は捻くれているけれど、実は優しい印象があります。
救われない小説も笑える小説も書くし、特に『堕落論』はネガティブなタイトルですが、実はポジティブな意味を含んでいたりします。
『日本文化私観』もそのような印象を受けます。

まず、序盤からブルーノ・タウトの名を出し、皮肉を炸裂させています(タウトは桂離宮を褒め称えたことで有名ですね)。
伝統や国民性に疑問を呈しています。

また、故郷の風景が壊され現代的になることを、悲しく思わないようで、

伝統の美だの日本本来の姿などというものよりも、より便利な生活が必要なのである。京都の寺や奈良の仏像が全滅しても困らないが、電車が動かなくては困るのだ。
我々に大切なのは「生活の必要」だけで、古代文化が全滅しても、生活は亡びず、生活自体が亡びない限り、我々の独自性は健康なのである。
なぜなら、我々自体の必要と、必要に応じた欲求を失わないからである。

と痛快な主張です。

以下、「四 美に就いて」より

さて、ドライアイスの工場だが、これが奇妙に僕の心を惹くのであった。
 工場地帯では変哲もない建物であるかも知れぬ。起重機だのレールのようなものがあり、右も左もコンクリートで頭上の遥か高い所にも、倉庫からつづいてくる高架レールのようなものが飛び出し、ここにも一切の美的考慮というものがなく、ただ必要に応じた設備だけで一つの建築が成立っている。町家の中でこれを見ると、魁偉かいいであり、異観であったが、然し、頭抜ずぬけて美しいことが分るのだった。(中略)

美しくするために加工した美しさが、一切ない。(中略)
ただ必要なもののみが、必要な場所に置かれた。そうして、不要なる物はすべて除かれ、必要のみが要求する独自の形が出来上っているのである。

「装飾は罪悪である」と言ったアドルフ・ロースと同じ考えだと思いました。
古今東西を問わず生まれる考えかもしれません。

 

法隆寺も平等院も焼けてしまって一向に困らぬ。必要ならば、法隆寺をとりこわして停車場をつくるがいい。
我が民族の光輝ある文化や伝統は、そのことによって決して亡びはしないのである。(中略)

真に必要ならば、必ずそこにも真の美が生れる。そこに真実の生活があるからだ。

そうして結びます。
高尚より俗に寄っていますね(個人的には安吾に諸手を挙げて賛成はできません)。


陰翳礼讃のあとに読むと心に沁みます。
便利を受け入れていいのだと、優しいのです。
そして、どちらも「生活」に要点があり、考えさせられました。
もっと実感として理解したいです。

『日本文化私観』は人によっては気分を害するかもしれませんが、皮肉が最高に効いていてエンタメの読み物としても楽しめる傑作でした。

 

 

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某こども園新築工事 その3 ~鉄骨製品検査~

2021年09月03日 | 工事監理

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の森です。

今監理をしている某こども園の鉄骨製品検査についてご紹介します。

今回の物件は重量鉄骨造で設計をしているため、鉄骨工事があります。
鉄骨工事がある場合に必ず行う検査のひとつとして鉄骨製品検査があります。
鉄骨製品検査とは鉄骨加工している工場に監理者・施工者が伺い設計図書の要求品質を満たしているか確認する目的で行います。
検査内容としては大きく分けて寸法検査、溶接外観検査、超音波探傷試験の3つを行います。
柱・梁の長さ・厚み、ボルト孔の位置と径、ガセットプレートやスチフナー類の取付位置、H型鋼のフランジ耳切の位置・サイズ、胴縁取付けピースの取付位置などをチェックします。


▲工場内の様子


▲ジョイント部の確認


▲梁長さの確認


▲溶接部の超音波探傷試験

この検査完了後には、錆止め塗装が塗られてしまい傷などが分からなくなってしまいます。
また現場に鉄骨が運ばれてきてからでは部材の変更は容易ではないため、工場内での製品検査が大事になってきます。

 

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防災の日

2021年09月01日 | 環境問題

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の伊部です。

今日は防災の日ということで、関連した内容にしたいと思います。
今年も夏の初めには雨が続き被害も出ていました。本当にこころが痛いです。
これから台風シーズンですし、我が家も非常袋の中身を更新しなくてはと思っているところです。

非常時の準備と合わせて、自身が住んでいる場所、勤務場所、子供が通う学校の場所が防災的にどのような場所なのかを知っておくことも大事だと思います。
ハザードマップポータルサイト (gsi.go.jp)
洪水、高潮、土砂災害など災害別の危険度が一度に確認できます。
予備知識を持って生活していれば、いざという時の避難の判断にも役立つはずです。

気象庁|防災気象情報と警戒レベルとの対応について (jma.go.jp)
警報や注意報はこちらで確認できます。

もはや「いままで経験したことのないような雨」、「〇〇年に一度の〇〇」など頻繁に耳にするようになってしまい、若干危機意識も薄れているようにも思えます。
もう一度私自身、「自分で身を守る」ということを考える機会にしたいと思います。


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陰翳礼讃と日本文化私観

2021年08月31日 | 展覧会・アート・本

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の野上です。

お盆中、外出し難い時期だったので本を読んでいました。
文豪が建築について言及していることが面白いので取り上げます。

※没後50年経過しているので、存分に引用します。

 

妖しい耽美を描いた谷崎潤一郎と、捻くれてるけど実は優しい坂口安吾は随筆をのこしています。
建築に関わる記述(どちらもあらかじめ「建築については門外漢であるが…」と丁寧に前置きしています。謙虚ですね)が多くあり、日本の西洋化への考えの相違が面白いです。

ひとつめ、『陰翳礼讃』(いんえいらいさん)は建築業界では有名で、羊羹から建築に至るまで、その名の通り陰翳を礼讃する旨です。
個人的な解釈では「影」は姿がわかるカゲを、「陰」「翳」は薄ぼんやりとしたカゲリを表し、その暗さの文化を語っています。そして、その描写がいちいち凄まじく耽美なのです。

▲ 陰翳礼讃 谷崎潤一郎 中央公論新社 (青空文庫もおすすめです)

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のように半透明に曇った肌が、奥の方まで日の光りを吸い取って夢みる如きほの明るさを啣んでいる感じ、あの色あいの深さ、複雑さは、西洋の菓子には絶対に見られない。クリームなどはあれに比べると何と云う浅はかさ、単純さであろう。だがその羊羹の色あいも、あれを塗り物の菓子器に入れて、肌の色が辛うじて見分けられる暗がりへ沈めると、ひとしお瞑想的になる。人はあの冷たく滑かなものを口中にふくむ時、あたかも室内の暗黒が一箇の甘い塊になって舌の先で融けるのを感じ、ほんとうはそう旨くない羊羹でも、味に異様な深みが添わるように思う。
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軒を深く出す建築で暗い部屋に住まねばならなくなった先祖は、陰翳のうちに美を発見し、それに合わせて陰翳を利用するようになりました。
よって美は常に生活の実際から発達すると述べています。
そして、西洋文化は順当に発達したのに対し、日本は優秀な西洋文化に急に出会ったがゆえに損をしていると主張し、嘆いています。

 

LEDに白く照らし出された部屋で生きる我々は、現実の陰翳を愛でる心はどれほど残っているのか哀しみを覚えました。
論理的に日本文化を語られても完全な理解はできませんが、本によって、その世界に没入すれば見えるものもあると思います。
対して、感覚的に理解していること、例えば「わびさび」を外国人に説明することがあれば、言語化された谷崎の文学をもってすれば幾らかは伝えられるかもしれないと思いました。

長くなるので安吾は次回書きます。

 

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某こども園新築工事 その2 ~基礎~

2021年08月06日 | 工事監理

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の森です。

先月ブログにアップさせて頂いた某こども園新築工事の進捗をご紹介致します。

前回杭打ちが完了し、現在は基礎工事を行っています。


▲地中梁などの基礎配筋の様子


▲配筋検査の様子

配筋の本数、かぶり厚(型枠と鉄筋の距離)、鉄筋同士の離れなどを確認していきます。


▲打設完了後の様子


▲埋設管の様子

基礎は建物の土台であり、建物が完成すると隠れてしまい再度修正や確認をすることが出来ない大事な部分になります。

そのため施工会社、監理者、確認審査機関を含め図面通りに出来ているか、問題なく納まっているかしっかりと確認する必要があります。

 

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プラスチックの現状

2021年08月02日 | 環境問題

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の井下です。

 こどものころ(1980年代)、石油はあと30年で枯渇すると学校で教わりましたが、今現在でもまだあと50年は採掘可能であるとか、シェールガスがアメリカで量産されたり、メタンハイドレートが日本近海に埋蔵している(海洋エネルギー資源開発促進日本海連合HPより)とかで、技術開発は必須ですがしばらく化石燃料は枯渇することはないように思います。
そんな中、地球温暖化対策、CO2抑制、脱炭素の風が吹き、カーボンニュートラルではない石油関連からの脱却の流れは今や社会常識になっています。
建築でも大量に利用している石油由来の素材「プラスチック」の現状についてまとめました。

 プラスチックは原油の中から作られるものの極一部(原油全体の3%)です。
原油からは、LPガス、ナフサ、ガソリン、灯油、ジェット燃料、軽油、重油、アスファルトなどが取り出されます。
この内のナフサから、プラスチック製品、ゴム製品、繊維、塗料などが作られています。

▲原油からプラスチック製品ができるまで(日本プラスチック工業連盟HPより


 19世紀後半、アメリカで原油が採掘可能になった当初は照明用の灯油として使い、それまでの鯨油を駆逐していきました。
自動車の普及に伴いガソリンの需要が生まれ、発電や大型船舶の燃料として重油が使われてきました。
ナフサも化学製品、プラスチック原料として使われるようになり、原油を余すことなく使われました。
なので、プラスチックだけを減らしても無駄で、ガソリンも灯油も軽油も重油も全てを減らさなければ意味がないものだと思っていました。
しかし、調べてみると、国内のナフサだけでは化学製品の需要を賄えず、ナフサ単体でも必要量の6割を輸入をしています。
さらにプラスチック原料の樹脂も輸入をしています。
輸入量を減らすためにもプラスチックの減量に一定の意義があることが分かりました。


▲プラスチックの生産、リサイクル、廃棄の流れ(産業環境管理協会資源リサイクル促進センターHPより


 プラゴミは、マテリアルリサイクル(約23%)、ケミカルリサイクル(約4%)、サーマルリサイクル(約58%)の方法でリサイクルされ、一部は焼却・埋立処分(14%)されています。
マテリアルリサイクルは、ペットボトルから作業着を作ったり、発泡スチロールから文房具や日用品を作ったりしています。
きれいに洗って分別しないと再利用ができません。
ケミカルリサイクルは、化学的に分解して、コークス化、製鉄所で使う還元剤、ガス化、油化して、再利用しています。
多少の異物が混入していても再利用が可能です。
サーマルリサイクルは、焼却する時に発生する熱を利用したり、その熱で発電したりしています。
高い発熱量をもつプラスチックをエネルギー源としています。
CO2排出という観点からすると、サーマルリサイクルがそもそもOKなのか疑問もありますが、
無理にマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルなどせずに焼却して熱回収する方が合理的に思います。
不法に海洋投棄などされてしまうよりかは確実に回収して焼却してしまった方が良いようにも思います。


 プラスチック削減を目指すのであれば、プラスチック製容器包装(使い捨てプラ)を全廃するなどの大ナタを振るわなければ何も変わらないと思われます。

▲一般廃棄物の中でのプラスチックゴミの割合(容積比)(環境省HPより

プラスチックの利便性に漬かっている現状では現実的には全廃は難しいですが、「バイオプラスチック」へ置き換えることで実現できそうです。
植物由来の原料で作られているプラスチック(バイオマスプラスチック、緑色エリア)と、土壌中などで分解されるプラスチック(生分解性プラスチック、青色エリア)があります。
できれば右上のエリア(植物由来かつ生分解性のプラスチック)へ移行し、更には海洋生分解性プラスチックに期待したいです。

▲バイオプラスチックのマトリックス(国際環境経済研究所HPより

 先日、小2の息子がふざけて「ちくわ」をストローにして牛乳を飲んでいました。
食べられるストローも有りかも!!と思いました。

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令和3年一級建築士試験を受けました。

2021年07月30日 | 設計事務所の日々のこと

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の野上です。

7月11日に一級建築士の学科試験を受けました。
色々思うところがあったので、記してみようと思います。
ちなみに、私の結果はだめでした…

 

試験内容はさておき、まず、コロナ禍の受験ということで、いたるところに配慮が見受けられました。
横浜では毎年、受験会場の最寄り駅から無料の送迎バスがあるようです。何度か往復するバスの降車のたびに、ボランティアと思しき方が除菌作業をしてくださいました。
また、受験するためには体温を測り、その証明書のようなものを提示しなければなりませんでした。

そして、特に印象的だったのは、法令集チェックです。法令集チェックとは、法規を受けるために持ち込む法令集を、違反とされる書き込みがないか審査することです。
試験官さんが3人分ほどのチェックをする毎度毎度毎度、手を消毒していました。
手袋をして、2人がかりで、消毒をしつつ、であったので、結局チェックが間に合わず、なんともわたわたした教室でありました。試験官さん方もピリピリするたいへんな労力のかかった試験だなと思いました。


▲この分厚さに目を通すのは受験生でさえ苦労します…

 

初めて受けてみて学んだのは、時間の余裕のある科目とない科目の差が大きいということです。
「計画」「環境・設備」
「法規」
「構造」「施工」
と分かれており、どういうわけか法規以外はとても時間が余ります。
だから、法規に備えたり体力回復のために、お昼寝をするのも戦略のうちかなと感じました。

結果は敵いませんでしたが、ここまで頑張れたのは支えてくださった方々のおかげでした。
感謝が尽きません(;_;)

 

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夢のSLの発着地~旧新橋停留場~

2021年07月27日 | 建築旅行・建築巡り

おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の渡邊です。

安全第一、感染予防!
それでは出発進行!
と言った所で新交通ゆりかもめ新橋駅 改札より徒歩3分歩いた所にある旧新橋停留場へ。現在、旧新橋停留場は鉄道歴史展示室として、
明治のSLが走り始めた頃から今日までの鉄道の歴史、
現存する旧新橋停留場の駅舎の基礎部分などを展示している施設となっています。

ここでは旧新橋停留場の「堂々とした佇まいの中にある可愛い」を紹介したいと思います。


▲正面。(旧新橋停留場を復元したもの)

旧新橋停留場を見ると、堂々とした佇まいの中に「可愛い」と思わせてくれるポイントが幾つか存在します。
特に、正面。
私だけかもしれないのですが、入口、笑っているように見えませんか?
この角度の写真で撮ることで起きるのですが、これにとても癒されるんです。
細部を見てみると入口上部にあるリボンのような装飾がちょうどまぶたのように見えてきます。
中央のハイサイドライトも帽子みたいですよね!!

でも実は明治当時、夢のSLに乗る発着駅であった新橋停留場では見られない光景なんです。
明治当時はこの駅舎の前に三角屋根のファサードがついており、かなりハイカラでした。
今現在、それを確認できる文献は旧新橋停留場を描いた錦絵が一般的に知られているものになっています。

時間を遡るSLがあれば、その当時の三角屋根のファサードがついた旧新橋停留場も見てみたいですね、、。
それでは、またよろしくお願いします。

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