おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の小川です。
このところ、行政などでも施設を建設する際に木質化を推奨しています。
ただし、木造建築物や木質化建築ではRC造や鉄骨造に比べて劣化への
注意が必要になってくると思います。
木材の劣化の劣化の表れやすい条件としては、
・木材が土に接する部分
・木材が雨ざらしになっている部分
・常に水がかかる部分
・湿度の高い部分
・通風の悪い部分
などがあげられると思います。列挙してみますと実際に建物を計画する際に
心掛ける事によりある程度は防ぐことができそうです。
設計、建築の部分で劣化について設計、工事を行ない、施設の運営者
住居の住まい手の方々に定期的な点検をお願いをする事になります。
この定期的な点検については、RC造、鉄骨造、木造等どの構造に
ついても必要不可欠なものになります。
おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の長谷川です。
6月から私が続けていましたポルトガルにまつわるブログ。今回で一度終了を
したいと思います。最終回では、POUSADAについてふれてみます。
POUSADA
ポウサーダ、ポザーダ…発音は分からないのですが、これはポルトガル国営の
ホテルのことで、城や修道院等を改修したものになります。
私が宿泊したpusadaはポルトガルの北部アマレスにある Pousada da
Santa Maria do Bouro
ここへは首都リスボンから鉄道にてポルト経由ブラガで下車。そこからバスに
1時間ほど揺られてたどり着きます。(行くのになかなか大変な場所にあります。)
こちらは修道院を改修したタイプのpousadaで、隣接してある教会がシンボルに
なっています。
▲隣接の教会
▲pousada入口
改修設計はポルトガルの建築家・ソウト デ モウラ氏
ポルトガルにおけるカトリックの歴史を知りませんが、私がかつて通っていた
カトリックスクールと同じ空気が漂っていました。建物外観からも分かりますが、
質素、清楚、簡素という物静かな美しさありました。
▲回廊の中庭
▲ロビーからレストランへ通じる廊下
▲ホテルのレストラン ポルトガル料理、ポルトガルスイーツが美味しい!!
部屋のデザインもとてもシンプルですが、シンプルな中に温か味が感じられます。
▲ベッドの背にある木の壁は、BOX状になっていて中はバスルームです。右上は換気ダクト???
▲窓の向こう側は小さな山村 石造りの壁に鉄枠のガラス窓。どっしりとした構えは落ち着きが
あります。
ソウト デ モウラ氏は1989年~1997年までここに滞在し、改修設計を行ったそうです。
じっくりと建物と向き合い、修道院の空気を宿泊施設へと繋ぐ。
モロウ氏が伝えたいものが感じとれる素敵なpousadaです。
おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の井下です。
この春に竣工した新大船幼稚園ナーサリールームCiaoの現場にて、
外構屋さんから教わったことがありました。
『桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿』
という言い伝えがあります。
桜は、正しい方法で切らないと切り口から木材腐朽菌が入り枯れてしまいます。
梅は、切ることで枝が増えて花が多くつくので切った方がいいそうです。
この園は、既存の桜、梅、松、紅葉、百日紅を残すことから設計がスタートしました。
▲新大船幼稚園ナーサリールームCiao 桜の色を引き立てるため、藍色の外壁にしています。
既存の桜の木と近接して新築したのですが、春に満開の様子を見ることができてほっとしました。
外構、植栽計画では、現場で教えていただくことも沢山あります。
植栽計画 真(しん)、副(そえ)、控(ひかえ)
過去の記事ですが、こちらも合わせてご覧ください。
こんにちは。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の清泉です。
「建築物の12条点検」という定期点検があるのをご存知でしょうか。
建物の安全性を確認する定期点検で、建築基準法第12条の点検の義務に基づいて行われます。
地区センターや公会堂、保育園などなど、横浜市営の建物に点検に行ってるのですが、
公共建築というのは意外と多いものだなあと、点検業務を始めてから思いました。
建築に関する点検は3年に1回、建築設備に関する点検は1年に1回行われ、
「建築」は外壁の剥離やひび割れ、屋上防水の不具合等、防火設備の状況などを点検します。
「設備」は非常用照明や給排水設備等の点検を行います。
いずれも多くの項目をチェックしていく必要があり、施設の方にご協力をいただきながら点検作業を進めています。
最近では大阪でのブロック塀の事故を踏まえ、外構の点検も重要となっています。
小さな異変から大きな事故につながってしまうこともあるため、
見逃さないようによく点検していくことが必要ですね。
おはようございます。神奈川県横浜市の建築設計事務所、株式会社コア建築設計工房の伊部です。
今日は、平成30年3月に閣議決定、6月に公布された建築基準法の改正内容の一部について書きたいと思います。
近年、空き家問題がよく報道されていますが、そういったことを受けて、
下記の内容が改正されます。
●戸建て住宅等(延べ面積200㎡未満かつ階数3以下)を福祉施設等とする場合に、
在館者が迅速に避難できる措置を講じることを前提に、耐火建築物等とすることを不要とする。
●用途変更に伴って建築確認が必要となる規模を見直し(不要の規模上限を100㎡から200㎡に見直し)
この改正は、空き家等を保育所や高齢者グループホームなどのニーズに対応すべく、
用途変更をする際に大規模な改修工事を不要とするとともに、確認申請などの手続きを合理化することを目的としています。
設計、工事ともスケジュール的にもとても短縮され、工事費もお安くなります。
敷地の条件等もありますので一概には言えませんが、おおよその目安として延べ面積200㎡で、
保育所なら定員20~25名程度、グループホームなら定員7~8名程度が可能です。
戸建て住宅の転用に限らず、ビルの一角を用途変更する場合ももちろん対象ですので、 計画の予定があれば是非、ご相談下さい。
横浜の設計事務所
【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
こんにちは。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の長谷川です。
6月から私が継続的に書いているポルトガルについて、今回も書かせてもらい
ます!
世界的に有名なポルトガルの建築家 アルヴァロ・シザ・ヴィエラ
恥ずべきことにポルトガルに行くまでは私はこの建築家を知らずにおり、
今回のポルトガル旅行で現代建築も見たいと思い、検索にて知りました。
ポルトガルに数々の作品が建築されている様で、彼が卒業し、建築もした
ポルト大学の建築学部棟を見たいなと思っていましたが…観光には組み込む
ことができませんでした。
ですが、なんとかして何かしら見ておきたいポルトガルの現代建築。
夜にフリーライブが行われることを事前に調べて、見に行ったところが…
ポルトガル第二の都市 ポルトにある音楽堂 カーサ・ダ・ムジカ
Casa da Musica
こちらはオランダの建築家 レム・コールハース氏設計です。
四角い塊の角を思い付きでサクサクと何度も切り落として出来上がったような形。
地面から斜めに強くせり出した壁。
空をRCで硬く鋭く斜めに彩る一方、地面は優しい色の石で柔らかく曲線を描く。
とても巨大なアートオブジェだなと、私は感じました。
▲ポルトの地下鉄、その名も「Casa da Musica」駅を降りて、建物に向かうと最初に目する面
▲多面になっています
▲メインエントランス脇の広場
この日はスケボーをしている子達と一眼レフを抱えた人達が多数いました。
▲裏口と器材搬入口
▲こんなに斜めです!
▲スケボーが楽しい?敷地内
▲地下駐車場出入口
▲お驚きの仕上がり。地下駐車場へのエレベータ
▲サインではこんな文字が使われています。
▲1階カフェにてフリーライブ(リハーサル中)
▲夜22:30 これより上部の写真は夜20時前後(20時過ぎまで空は明るいです)
この日、私が訪れた時間にはコンサートホールでのコンサートがなく閉館していましたが、
日中はコンサートがなくても入館出来るらしく、館内の案内ツアーもある様です。
こんばんは。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の井下です。
横浜市内某スポーツセンター天井改修プロポーザルにて特定されました。
東日本大震災において、大規模空間を有する建築物の天井脱落が多数生じたことから、
天井脱落対策に関する新基準が制定されました。
横浜市でも平成27年3月に「横浜市公共建築物天井脱落対策事業計画」を策定され、
順次大規模施設の特定天井(※)の改修が行われます。
この度はこれに合わせて空調設備、電気設備の更新が行われます。
※特定天井とは、吊り天井で、天井の高さが6mを超えかつ、
その水平投影面積が200m2を超えかつ、天井部材の重さが2kg/m2を超える等のものを言います。
おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の森です。
今日は、厨房の床材をご紹介したいと思います。
弊社では、保育園を中心に福祉施設、学校の案件を多く扱っています。
このような施設では、厨房を設けることが多く厨房機器メーカー、
実際に使われる調理員さんなどとよく打合せを行います。最近では
床に水をじゃばじゃばと流すことのないドライ仕様で仕上げることが
多いため、床を塩ビシートにすることが多いです。
厨房はどうしても油汚れにより床が滑りやすくなってしまうため、防滑仕様で
表面がザラっとしている塩ビシートを利用します。ただ一般的な防滑仕様のもの
ですと掃除を行う際に、表面の突起にモップが引っ掛かり掃除がしにくいという
デメリットがあります。
そこで最近では、荷重がかかった部分にのみ表面に突起が現れ滑り止めになり、荷重
が掛かっていない部分はフラットな状態になる塩ビシート材があります。
(下記イメージ図参照)
▲イメージ図 (株式会社エービーシー商会 アルトロセーフティーフロアより引用 )
これで、床の防滑性能を保ちつつ掃除も快適に行うことが出来ます。
建材も技術の進歩に伴い便利なものが次々と出てきますので、良いものを
見逃さないようにアンテナを張りながらみなさまへご紹介していきます。
横浜の設計事務所
【コア建築設計工房】
https://www.arc-core.co.jp/
おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の小川です。
前回のブログでは大規模な木造建築物の耐火性と実際には木材は
一般的なイメージよりも燃えづらいものだということを書いてみました。
そして「燃え代の設計」により実際に耐火、準耐火建築物を建築すること
が可能になりそのためには、柱や梁を太くすることが必要になることに
ふれました。
現場ではかなり大きな断面の構造材を使用して工事がおこなわれています。。
ただ、1本の木からというわけではなく「構造用集成材」を利用する事により
安定して大きな断面の構造材が利用されています。
「構造用集成材」は所要の耐力を目的として等級区分した、ひき板を集成接着したものであって、
所要の耐力に応じた断面の大きさと安定した強度性能を持ち、大スパンの建築物の建設も可能です。
木質構造の耐力部材として柱、梁、桁などに使用されます。
国土交通省告示に基づいて材料強度が定められていますので構造の設計の際にも強度の安定した
ものと考えられます。
▲2階の床組 集成材で構成されています
▲単板積層材 使用する場所によっては別の種類の集成材を使用します
おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の森です。
先日、友人のマイホーム造りを手伝いに行き
壁に珪藻土を塗ってきました。
珪藻土は最近ではバスマットなどにも使われていますね。
非常に吸水性があり、放出もできるので調湿を得意としています。
夏場は湿気を吸い、冬場には結露防止等も行えます。また、脱臭
効果もあり内装の仕上げ材としても使われることも多いです。
ただし、揺れには弱くどうしてもひび割れなどが起こりやすいため
下地の処理に注意が必要です。
もう一つデメリットとしてコスト面があります。材料自体はそれほど
ではありませんが、手間がかかるため施工費がかかります。
そこで、今回呼び出され仲間うちで左官を行うことになりました。
計6人で作業をしましたが、なかなかの重労働。みな建築関係
の仕事はしていますが、左官職人は一人もいなく思考錯誤しながら
塗っていきました。
▲室内壁面を珪藻土で仕上げている様子
左官仕上げの良いところは、人にもよりますが多少ムラがあっても
パターン(模様)仕上のようにすれば誤魔化しがきき、なんとなくいい
感じになります(笑)。
職人さんのようには仕上げるのは難しいですが、コスト面で安価に抑え
たい場合には、家族、友人を集めてみんなで楽しく塗るのもいいかと思います。
おはようございます。神奈川県横浜市の建築設計事務所、株式会社コア建築設計工房の伊部です。
今、高齢者グループホームと住宅型有料老人ホームの担当させていただいております。
浴室の介助を検討していた時、どのような方法が良いのか、いい案を求めて、
「実際、介護される人になってみよう!」と、体験してきました。
▲脱衣室で専用のチェアに移乗しそのまま入浴
▲スリングに包まれてリフトUPで入浴
体験した感想は・・・
チェア式は、要介護者の体形によって安定感が変わると感じました。
身体が大きい方だとちょっと窮屈な感じがするかもしれません。
スリング式は、思っていたより怖さもなく安定感もありました。
今後の設計にいかしていきたいと思います。
弊社では、スタッフが常々セミナーや講習会、見学会や展示会などに足を運び、最新の情報を取り入れるようにしております。
お施主様の要望に応えられるよう引き出しをたくさん用意しておきたいと考えています。
こんにちは。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の清泉です。
前回、積算作業のことについて少し触れましたが、
もう少し細かくお話したいと思います。
改修工事の積算作業は大まかに分けて拾い図作成→数量調書作成→内訳書作成という流れになっています。
拾い図は、工事範囲の面積や長さを出すために、
作成した図面をCAD上で半表示にしてその上から色分けした線で寸法を当たっていきます。
▲積算拾い図(イメージ)
例えばこんな感じです。
屋上防水改修の工事で、赤い線と青い線で防水改修の面積、緑で手摺の長さを追っています。
この図面の場合は3色で、当たる寸法の数も少ないですが、図面によっては色数がとても増えたり、
追う寸法がとても多くなったりします。そうすると当然ですが図面がごちゃごちゃしてきてとても見にくくなってしまいます。
後で見て分かるように、整理して書いていかないといけませんね^^;
おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の井下です。
神奈川県内某保育園の新築工事がスタートします。
こちらは、既存園舎の老朽化と定員増に対応するための建替えです。
「マルシェ」をメインテーマにして、「食」を通じて、地域とつながる、自然とつながる保育園にしたいという、
法人様のご要望を設計に反映してきました。
▲神奈川県内の某保育園園舎の建替え、完成イメージパース
ここ数年、建替えのご依頼を数多くいただいております。
建替えで一番のネックは、既存建物の杭の処理です。
抜いた方が新しい杭の位置を自由に決めることができますが、抜いたところが緩くなり新規杭がそこへ流れてしまう。
抜かずに存置すれば、そこを避けて新規建物を計画するという制約があります。
最近、某ブレカットメーカーさんから面白いお話を伺いました。
建替えに当たって、既存杭を再利用するという方法です。
既存のRC造(鉄筋コンクリート造)4階建てを上物だけ解体し、S造(鉄骨造)と木造を組み合わせた6階建てを新築するというものです。
RC造は重量があるのに対し、S造、木造は軽量のため、6階建てに大きくしても既存杭で十分に荷重を受けられるというのです。
すごいことを考える人もいるもんだと思いましたが、気がかりなのは、既存杭の安全性の確認です。
数十年前の既存建物の杭を施工した時の工事記録がきちっと残っていて、間違いなく図面通りに施工されていることが確認できたら、この方法は有りだと思いました。
工事図書の保管はとても重要です。
おはようございます。
神奈川県横浜市にある設計事務所・株式会社コア建築設計工房の小川です。
最近では木造建築物の大規模化が進んでいます。
「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」という
法律も平成22年に制定されています。
木材のイメージとしては一般的に燃えやすいというイメージが
がありますが、鋼材とは違い火災の時の加熱による強度の低下は緩やかで
木材は燃えると表面が炭化して断熱材の働きをし火災の進行を遅らせます。
火災時にその炭化する部分を除いて許容応力度計算を行ない、表面部分が
燃えても構造上支障がないことを確かめる方法「燃え代設計」により、
通常より柱や梁を太くすることにより木材により耐火、準耐火建築物を建築
することが可能になっています。
現在も、色々な公共建築物で木造の大規模な建築物が建築されています、
今後も色々な施設で木造建築物が増えていくと思われます。
▲みなみひの保育園 子育て支援ホールの化粧梁
▲新大船幼稚園ナーサリールームCiao 遊戯室の化粧梁
▲燃え代設計の概念