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Tribute of HAGAKURE(葉隠) ー chapter 2

2011年06月22日 21時05分58秒 | Tribute of HAGAKURE
MAR氏により製作された『葉隠』は、当時業界でセンセーションを巻き起こす。


日本を代表する世界的な作家「三島由紀夫」の文学に傾倒していた氏が、

三島の行動美学の中心に「葉隠」があることを発見。


【Mishima / Closing - Philip Glass】





『葉隠』とは、鍋島藩の武士である山本常朝により口述伝承された十一巻からなる冊子である。





その中の一節


『武士道といふは、死ぬ事と見付けたり』


MAR氏の『葉隠』は、このコンセプトによりハーレー・ダビットソンをベースに製作された。



光があるから、より強烈に影が際立つ。

死を意識することにより、日々の生に真摯に向き合える。




MAR氏はそんな観念を具現化、造形することを、ビルダーのモットーとしていた。(もちろん現在もであるが)

その為、「葉隠」の仕様は一般の常識から逸脱した過激なものになる。



前後足回りはサスペンション無しのリジット。

駆動は、変速機無しでクラッチのみ。エンジンからの回転は直接後輪に伝達。

ブレーキは後輪のみ。

1900年代初頭のアメリカのボードトラックレーサースタイルを踏襲し、極限まで無駄を排除した。



©Photo by Hideaki Togashi




誰もが問いかけた。

「それは乗れるのか?」

MAR氏にとっては愚問だった。



発表当時、熱心なマニアや業界関係者の一部以外、一般には受け入れられることが無かった。

しかし海外での評価は高く、特にヨーロッパで賞賛を受ける。



多分に、ヨーロッパでは三島文学に対する理解があり、

『葉隠』の「武士道の神髄」は、西洋の「騎士道」に相通ずるものがあるとして

受け入れられる土壌があったのではないだろうか。

またアールヌーヴォーなどの美術様式に見られる、

日本嗜好(JAPONISM)が好まれることも一因と考えられる。



あれから14年。



かような物事を「海の向こうの見知らぬフランス人」が理解していたかは別として、

雑誌の写真のみを資料として製作された「Tribute to HAGAKURE」は、

驚くことに、オリジナルの『葉隠』とほぼ同一のコンセプトを踏まえていた。



それがボンネビルソルトフラッツで最高速チャレンジをすると聞けば、心ざわめくのも無理は無いだろう。



To be continued in

Tribute of HAGAKURE(葉隠) ー chapter 3

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