DREAM

幽白蔵馬受とかアイマスとか他ゲームとかたまに猫な妄想ブログです

突発SS  自分ちメニュー

2017-04-23 11:09:08 | オールキャラ 黄泉×蔵前提
仲違いの理由なんて多岐にわたる。
ズズッとストローでグラスの底に残ったコーラを啜りコエンマは
そうしみじみと頷いた。
ー開店間際のラーメン店。
仕込みに忙しい店内で最近店員に(本人の意思は聞かれず)納まった
ばかりの飛影を見ながら。
スープを調整しながら店主である雷禅も視線を飛影に送る。
もう一人の店員である雪菜も、だ。
ー明らかに一発平手を食らったであろう腫れた右の頬。
食らわしたであろう相手も何となく想像がつく。
「おい。クロ。」
猫か犬かの様に呼ばれるがそこは気にならないらしい飛影は
むっつりと無言のまま雷禅を見る。
「どうした。その顔。」
「・・・どうもしない」
(しとるがな。)と関西のイントネーションでコエンマは突っ込む。
「治しましょうか?」
「いい。」
雪菜の言葉に首を振る。
「何がどうしてそんな顔になったんじゃ?」
ちっと舌打ちした後飛影は呟いた。
「・・・躯が。」
ああやっぱり躯かあいつクロよりかなり年上のくせに大人気ねぇなと
表情のみで雷禅が語る。それはコエンマも雪菜も同意見だ。
「躯さんが?」
「昨日土産を寄越して来た。」

言葉少なな飛影の話を解りやすくすると。
躯から貰った土産の味が変だったので素直に変と伝えたら
罵倒された上殴られた。
「っちゅーことじゃな。」
こくんと飛影が頷いた。
理不尽ではあるが折角の土産を不味いと言われ怒る躯の気持ちも
理解出来る。このちっさいのはオブラートに包むとか遠回しにとか
その手のことはしないだろうし。
「何を頂いたんですか?」
小首を傾げて雪菜が問う。
「良くわからんがローストビーフらしい。」
馬鹿みたいにデカく変な赤黒い甘い汁が透明な箱に入っていたと
聞いた所で雷禅は眉を顰めた。
何処が変なのかがちっとも分からないからだ。
コエンマは推測する。
躯の舌の良さは自他共に認めるものだ。食わず嫌いはしないし
自分の美味いと思ったモノを飛影に食わせたくてわざわざ土産に
したのだろう。
嫌だわ躯ちゃん健気じゃのぅ。と思わずオネエ口調になりかかる。
雪菜は考える。
雪菜の知識のローストビーフとは大きな肉の塊だ。
デカくて当然。赤黒い甘い汁とやらは多分
昔温子に連れられ女子会したビュッフェで提供されていた
ローストビーフのソースが、赤ワインと蜂蜜で作られたモノだったはず。
それと似たものではないのかなと。
「何が変なんだ?」
三人を代表して雷禅が問う。
飛影は不思議そうに三人を見返す。
「ローストビーフはもっと小さいモノだろう。
ソースとやらもあんなんじゃない。」
あ、と雪菜は記憶を辿る。
前に兄にローストビーフを提供した人がいる。その人が作ったそれは
確かに店で食べたりするような大きさでなくソースもあっさりしたモノだったはず。
「大体あんなデカさじゃ食いにくい。」
一般的なローストビーフのサイズは大きなモンなんじゃとコエンマは
心の中でだけ呟いた。
「おい。クロ。」
「・・・何だ。」
「ホワイトシチューはどうやって食う?」
「パン。バケットとか言う奴と一緒に。」
「飯にかけたりは。」
「はあ?なんで飯にかけるんだ?シチューにはパンだろうが。」
おかしな事を言うなと睨む飛影を無視し三人は頷きあった。
ーきっと飛影は自分の『家』の食事がスタンダードだと考えている人種だ。
それぞれ店や家庭により色々な味があるのを知らない、と言うより
知る気がない。変革期の魔界に置いて珍しい部類とも言える。
何がいけないわけではないが。
「もう少し柔軟になれ、クロ。」
ぽんと自分の肩に置かれた雷禅の手を怪訝そうに飛影は見る。
「おい、コエンマ。」
「なんじゃー?」
「蔵馬のローストビーフってのは美味いのか?」
「美味い。」
コエンマより先に答えた飛影は何処か誇らしげでさえある。
そんな兄に生暖かい視線を送りながら雪菜は思う。
私だって角煮のお肉は塊でなく薄切り肉を重ねた桑原家レシピが
一番だと思っているのだ。
慣れ親しんだ味が一番だと言うのはわかる。
けど、雷禅さんが仰る様に。
(もうちょっと味に対して柔軟にならないと。)
いつか心の母に暫定彼女が吹っかけた喧嘩が魔界を二分する大戦に
発展!なんてことが起きないとは言い切れないからだ。
(皆さん楽しそうに参加なさりそうだし。)




〜自分ちのご飯が当たり前でないと知るとショックじゃなかったですか?
普通のおうちではスパムは(三十年前の横浜の田舎では)日常的に食べないし
朝からスペアリブは食わないと知った時のカルチャーショック。
焼いたハンバーグはおうちでも食べれると知った時の驚き。
そしてシチューをご飯にかけるのは少数派。だと友達と話していて思いついた
ネタでした😁
『ホワイトシチュー』と言う言葉を口にした雷禅さんは多分ウチの雷禅さんしか
いないと思われますが如何すか。(ラーメン屋やってる雷禅さんもあまりいないだろうな。)