DREAM

幽白蔵馬受とかアイマスとか他ゲームとかたまに猫な妄想ブログです

突発SS

2017-04-16 15:37:38 | オールキャラ 黄泉×蔵前提
(あれ?)
久々の休暇に人間界に遊びに来たぼたんは
友人である桑原静流の家に向かう途中に立ち寄ったコンビニで
その子供を見た。
黒髪にキャスケットを被り特徴的な角を隠してしまえば
人間の子供と大差ない。
長袖のシャツにハーフパンツスニーカーがゴツめなのが可愛い。
お菓子コーナーにしゃがむ修羅にぼたんは声をかける。
「ちょいと。」
こちらが驚くくらいの反応速度で修羅は勢い振り向く。
額には脂汗。顔色は酷く悪い。
「ちょ、え、あ、あんた大丈夫かい?」
慌てて近寄り着物の袂で修羅の額の汗を拭う。
と、そのぼたんの手を修羅は掴んだ。
「へ?」
「・・・た。」
「なんだい?」
あれそういえば、と周囲の妖気を探るが必ず修羅の近くにどちらかある
馴染んだ妖気はない。
「・・・こられた。」
「あんたパパと蔵馬はどうしたんだい?迷子か」
すべて言い終わる前に修羅の顔が歪んだ。
ーこれは知ってる。
これは子供が泣く時の。
ぼたんが気付いた時には修羅は盛大に泣き出した。
それはもう盛大に。



「災難だったねぇ。」
そう言ってぼたんに缶チューハイを静流は差し出す。
ゲッソリとした顔で受け取ったソレを缶の半分ほど飲み干し
「超音波出てた?」
ケラケラ笑いながら温子が差し出したさきいかを遠慮なく
口に放り込むとぼたんは頷いた。
「・・・わーん!からキー!に変わってたよ最後にゃ。」
どはあと重い息を吐き出しテーブルに突っ伏し。
 大声で泣く子供に怪訝そうな視線を向ける店員や客に頭を下げ
慌てて外に連れ出したものの泣き止む気配などなく。
パパと蔵馬は何処にと再び問えば更に音量が上がった。
S級妖怪が本気で泣くとあまり人間界には良い影響は出ない。
背に腹は変えられないとばかりぼたんは修羅を片腕で抱えると
オールに飛び乗り桑原宅に超スピードで飛んだ。

そして泣きまくった修羅は今隣の和室で寝ている。
「怒られたっていってましたけど。」
先程まで修羅に膝にしがみつかれていた雪菜が襖を開けて出て来た。
「誰にー?おとーさん?」
あのお父さん怒ると怖そうだからねーと温子と静流は頷き合う。
確かにそうだねぇとぼたんも。
「あ、いえ黄泉さんでなく。」
少し言いにくそうに雪菜。
「え、まさか。」
「じょーだん?」
ふるふると雪菜は頭を横に振る。
「蔵馬?」
「蔵馬さん、だそうです。
一回も怒られたことなかったのに怒られたって。」

もちゃもちゃとさきいかを噛む音だけが響く。
ぷしっとプルタブを開ける音。
「・・・なんつーか。」
「はい。」
「なんつーかさ。」
「うん。」
「怒らせちゃいけない人っているよね。」
温子の言葉に全員肯く。
一体修羅は何をしてあの蔵馬に怒られたのか。
蔵馬の怒りのポイントを修羅が突くとも考えられず
四人して首を捻る。
「でも。」
雪菜が襖の向こうの修羅に視線を送りながら言った。
「絶対心配してますよね。」
「そうだねえ連絡しとこうか。」
それが良いと笑った温子の足元には空の缶がすでに6本。


迷惑をかけたと菓子折り持って現れた黄泉が修羅を
連れて帰った。
あれだけ泣いたのにまだ泣き叫ぶ気力があるとは
子供の体力は恐ろしい。と静流と雪菜と頷き合った。
温子は笑っている。
「・・・それにしても何して怒られたんだろうねぇ。」
「何か邪魔したんでしょうか」
「大切なモノ壊したとか?」
うーんて考えこむ三人を余所に温子は楽しそうに焼酎をコップにつぐ。
「温子さんさっきから楽しそうですね。」
顔をあげた温子はいやあと歯を見せて笑う。
「あの子蔵馬くん大好きなんだって思ってさ。」
「・・・?何で楽しそうなのか知りたいんだけど?」
コップの縁を指でなぞりながら温子は笑う。
「いやーなんか嬉しくてさ。
一番難しい子だと思ってたから。」
言わんとしていることは分からないでもないが
主語が抜けていてわかりにくい。
とはいえ。
なんとなく(空気とかフィーリングとかで)理解は出来
自然と四人は笑い合った。
(それにしても。)
一体修羅は何をして蔵馬を怒らせちゃったのか。
それを聞きだせなかったことが心残り。


〜何して怒られたんでしょうか。
パソコンでも壊したかな?それくらいで怒るかな?
ぼたん主観で書いたのに初めてですな。
意外に楽しい。そして子供は何故二時間くらい全力で泣けるのか
大人はむりだ。うん。