アトリエ ここるぴあ

和紙作家 佐治直子のブログです。キンカチョウのことりたちと、工房『アトリエここるぴあ』での出来事を綴ります。

3年のあいだに

2011年12月18日 | 作品について
3年前の今日、一緒に暮らしていたキンカチョウのココちゃんが
天国に飛びたちました。そして、私はその翌日には
「和紙でココちゃんの本を作る」ことを決めていました。

今まで撮った写真を集め、文章を書き、印刷して製本。
完成したのは3月半ばでした。



それから、フランス語版を作り始めたのが翌年6月、それを9月にパリで展示し、
翌3月にはパリで撮った写真を使った本を作成。ともに橦木館でたくさんの人に
読んでいただきました。

パリに行ったとき、シテ島の鳥市に行き、キンカチョウの鳴き声を聞いて
こらえきれずにセーヌ川のほとりでココちゃんの本を抱きしめ、ひとり
号泣したのを覚えています。

あんな小さなことりのココちゃんが私をパリまで連れてきてくれたんだって。
天国に行ってからも私にすごいパワーをくれていることに感謝して。。。

ココちゃんが亡くなる数日前の朝、私のあたたかい手の中でうとうとしている
ココちゃんの写真を撮りました。もちろん亡くなるとは思わずに。
その写真のことを忘れていて、後日テレビで写真を見られることを知って試しに
カードを入れてみたら、テレビの大きな画面にこの写真が映し出されました。
その時は、もうたまらなかった。


『ことりのココちゃん』のはじめのページです

パリのギャラリーで、この本を読んでくださったフランス人のおばあさんが
この写真を指して「このことりは、この紙の中に生きているようね」と
言ってくれました。その時も、私は夜ホテルでその言葉を思い出し、
涙が止まらなくなりました。

ココちゃんが亡くなった時は悲しい涙がいっぱい出たけど、本ができてからは
たくさん涙が出ても、それはココちゃんに会えた感謝の涙になり、そして、
あの頃よりも、私はもっと和紙を漉くようになり、作品がうまれていきました。


今は、ココちゃんのことがきっかけで知り合った方が、ぜひにと私にヒナを
譲ってくださり、またキンカチョウの女の子と暮らしています。とっても勝ち気で
超嫉妬深いので、私が今、ココちゃんのことを書いていることは内緒です




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