coconut moon

ぐうたら母のぼやき日記

万が一の時には。

2004-12-29 12:47:25 | 趣味と生活
インドネシアのスマトラ島沖の地震の津波による被害は、時間を追うごとに悲惨さをましているね。
ニュース映像でも、モザイクはかかっているものの、波間を漂う溺死者の映像などが報じられているけど、波打ち際にも打ち上げられた遺体がごろごろしているのだろう。
あの方面の気温では、時間が経つごとに腐敗が激しくなり、異臭や伝染病やその他の2次災害とも言うべき状態が広がっていくことは、想像に難くない。
今年の「十大ニュース」はもう出そろってしまったが、それを大きく上回るような災害が、年末にきて起こってしまった。
不明の方の一人でも多い生存を、心からお祈りしています。

以前に、損保関係の会社にいたが、海外で死傷者が出たというニュースがあると、みんな一斉に端末をたたき、自分の「客」がいないか、必死に調査する。
今回のような未曾有の災害では、外務省のみならず、旅行会社も、損保も、対応に追われていることと思う。
海外で事件や事故が起こったときに、家族が現地に向かう費用、向こうで亡くなったときに日本まで搬送される費用は、自己負担であることを知らない人は多い。
旅行傷害保険には、そういった費用を保証する項目もある。
旅行にはお金がかかるし、何もなかったときに、保険料は無駄になってしまったようで口惜しい思いをする人もいて、保険なんて必要ないと思うけど、全くかけていかないのは心配なので、最低限かけるという人も多い。
私が扱っていたのは、場所柄、9割方旅行保険、留学生用の保険だったので、海外の医療事情や金銭的な負担がどのくらいかも国別に調べたし、向こうで病気や怪我をした人のフォローもたくさんしてきた。
旅行会社で保険をかけないで、損保の窓口まで来てかけるような人は、生半可な勉強をして来る人が多かった。
それ故、トラブルも多かったのである。
仕事を離れて久しいので、今は変わっているかもしれないけど、当時の最低保険料は千円であった。
そこのみを調べてきて、千円で保険をかけろという要求をしたりするのである。
とある若い男の客の場合、東南アジアの国に行くのに、やはり千円で保険をかけろと言われたので、向こうは衛生的に問題があるので、病気になって帰ってくる人も多いので、もう少し疾病治療費をかけたらいいのではないかとアドバイスしたのだが、お守り代わりだからいいのだの一点張りで、話を聞く耳も持っていない。
千円だと、傷害で死亡したとき1千万円、傷害の治療費200万円、疾病の治療費100万円しかつけられないのである。
結構な金額だと思う人もいるかもしれないが、健康保険が使えないので、それでもカバーできない部分が多くなるのである。
(保険のカバー内容に関しては、すべて当時の金額と事情)
その男の客には、生水は絶対に飲まないでくださいね、屋台の料理も食べない方が無難です、氷の入った飲料は飲まないでくださいね(氷は生水で作られていることが多い)、果物は、丸ごとなら買ってもいいですけど、カットされた果物は食べないでくださいね(包丁に菌がついていることが多い)と、小姑のようにくどくどと注意をしたのだけど、うるさそうにそいつは帰っていった。

後日、その男の父親というのが、営業所に乗り込んできた。
「保険をかけていったのに、病院から請求が来た!どういうことなのか!」
と、激怒している。
聞けば、ヤツは、向こうで何型か忘れたが、肝炎になって帰ってきたのである。
しかも、結構重症だったらしく、集中治療室に何日か入ったので、父親のところに、数百万円の請求が来たそうである。
私は、彼が営業所に来たときの状況を話し、その保険じゃ、何かあったときに困るということは執拗に説明したにも関わらず、彼の方が「お守り代わりだからこれでいい」と主張したので、その内容で保険をおかけしましたと説明した。
父親は、私の説明が足りなかったのじゃないかとか、さらに食い下がったが、
「お話はわかりましたが、我が社も何もしなかったわけではなく、おかけになった千円で100万円分のご負担をしました。現地の衛生事情もご説明いたしましたし、万が一の時に保険でカバーできる金額を超えた場合、自己負担と言うこともご説明いたしました。それをすべて了解された上で息子さんはその金額の保険を要求いたしましたので、ご要望通りにいたしました。私がウソを言っているとお思いでしたら、息子さんにご確認ください。」
と言うと、渋々帰っていった。
これだけでなく、類似のケースは何件も見たし、保険をかけていってよかったと感謝されたことも多数あり、固定客もついていたので、やり甲斐のある仕事ではあった。

保険というのは、何もなかったときには、損をしたような気持ちになるのは理解できるが、人間、何が待ち受けているかわからない。
無駄な保険をかける必要はさらさらないが、最悪のケースも考えて、ある程度の保険はかけたほうが自分のためにも家族や周りの人々のためにもなる。
地震や天災では下りない保険もあるし、旅行保険では、戦乱やテロによる死亡や負傷に対しては支払われない。
契約するときには、細かいところも確認する必要がある。
って、偉そうに言っているけど、我が家の保険に関しても、すべてを把握しているわけではないっちゅ~とこが、私のヌケサクなトコよね~

最新の画像もっと見る

コメントを投稿