coconut moon

ぐうたら母のぼやき日記

思いがけず

2013-01-09 21:35:19 | 趣味と生活


朝のうちは曇っていたけど、だんだん晴れてきた。
それでも、空気はひんやりだったよね。
ど~も、寒いと体の動きもよくない。
まあ、年のせいもあるんだけどね・・・・


今日、買い物に行こうと外に出て、なにげに郵便受けを見たところ、年賀状を出してしまった人の奥様から、その方が去年の3月になくなっていた旨のハガキがあった。
ものすごく驚いた。
その方は、coconutが勤め人だったころの上司である。
上司ではあるけど、同志のような感もあった人だった。
当時、coconutが勤めていた会社は、ベンチャーのはしりというかなんというか、そんな会社だった。
社長をはじめ、みんな若くて、活気に満ちていた。
社長も、当時本部長だったその方も含め、主立った役職の人は、30代か40代だった。
今思うと、会社自体が若かったこともあってか、coconutは結構無茶なこともいっぱいしたけど、寛容に受け止めてくれた人だった。
社長ですら、その当時は、秘書なんかいなくて、会計課長が秘書のようなことをしていたんだけど、coconutは本部長の秘書というか、身の回りのこともしたりしていた。
会社のだけでなく、本部長個人の年賀状なんかの手配や宛名書き、公私混同に近いことまで、今思うとやっていた。
会社は、ものすごい右肩上がりの成長をしている最中で、みんな、楽しみながら必死に仕事をしていた。
みんな若くて、会社のあり方自体も模索しながら・・・って感じだったので、この年になって冷静に考えると、業務以外のことも枠を飛び越えていろいろやったし、自分自身も、人事の口出しまでして、結局押し通してしまったとか、冷や汗もんのことをいろいろやってきた。

その方(以後、「本部長」)は、夜の世界の女性にも大人気で、いつも自信に満ちていた。
coconutは基本アホで、女性らしさがカケラもなかったことも幸いしてか、社長や本部長にはずいぶんと可愛がってもらっていて、バブル期であったこともあって、本当にいろんなところに連れてってもらったり、いろんな方に会わせていただいたりしていた。
あの、バイタリティーの固まりのようだった本部長が、72歳という若さで亡くなっていたなんて、かなりショックだった。
本部長は、亡くなったときは、その会社の社長だったらしく、coconutが在職中のときの社長も、すでに鬼籍に入られていた。

で、その後、会社はどうなったんだろう?と、ふと思いついて、ネット検索をしたら・・・・
会社の公式HPも出てきたけど、他にもいろいろ見たくないものまで、芋蔓式に出てきてしまった
な~んと、某巨大掲示板に、会社のスレがたっていて、うわっ・・・と思いながら、結局見てしまったのよね。
某巨大掲示板の性格上、仕方がないのかも知れないけど、ほとんど全部が悪口なんだよね。
実名で、個人攻撃してるものも多数。
coconutがやめてから、四半世紀近く経ってるから当たり前なんだけど、知らない人の名前がほとんどなんだけど、え?まだこの人いたの?と知ってる名前もちらほら・・・・
会社の悪口は、態勢や体質をののしってるものから、社員旅行(これ、coconutがいたときと変わってないらしい・・・)の不満、給料の不満や、学歴における給与格差の不満などなど・・・
余談だけど、詳細に言っちゃうと会社がバレそうだから言わないけど、当時のcoconutたちには楽しかった企画が、今の人たちには不満らしい。
もちろん、全員が不満なのではないだろうし、当時だって不満だった人はいたはずだけどね。
それから、もっと凄かったのは個人攻撃。
フルネームで晒されてる人もあれば、一部伏せ字などもあったけど、内容としては、どこそこの誰それと誰それは不倫関係だとか、誰々は誰々のストーカーだとか、誰それは頭がおかしいとか、書き出せばきりがないけど・・・・
で、思ったのは、coconutが勤めていたときから、こういった話はあった。
M室長とAさんが不倫関係だっていうのは、公然の秘密みたいになっていたし、○○課長の女癖は酷いもんだから気をつけろとかそういう話はゴマンと聞いたし、給料の不満、格差の不満はみんな話していたことだし、飲みに行けば上司の悪口なんて、ブタに食わせるほど言っていた。
でも、それは、誰が話したかわかっていたことだし、言ってる人の顔が見えたけど、こうしてネットに書き込みをされたとき、同じような内容でも、どす黒い悪意のようなものを感じて、薄ら寒く思えてしまうんだよね。
匿名性を利用して、個人をつるし上げてるのを見て、恐ろしいと感じたけど、よくよく考えたら、coconutたちの時代だって、同じようなことを言っていた。
口で言うのは良くて、ネットはいけないとかいうつもりはない。
どっちも、人を傷つける行為には違いないけど、それでも、ネットに書かれた字面を見てると、恐ろしい気持ちになってしまったんだよね。

coconutがいた会社が、良かったとか悪かったとかいうつもりは毛頭ない。
でも、善人ばかりが集まった、誰も不満のない会社なんていうのはこの世に存在しないんだよ。
会社にしろ、学校にしろ、アルバイトにしろ、何にしろ、自分と意見の合う人、合わない人、いろんな人がいて社会は成り立っているんだよ。
同じ意見の人ばかり集まると、みんなが同じ方向に流れ出し、やがては激流となってしまうと、ファシズムとかわらなくなるではないか。
いろんな人がいて、いろんな意見があって、お互いに譲歩し合って合意点を見つけ出して進んでいくのが健全な社会なんじゃないかとcoconutは思うんだよね。
生きていく上では、自分の仲良しさんとだけ接していくわけにはいかなくて、嫌いな人と、どう折り合いをつけていくかを身につけていくのが肝要なんじゃないかな。
・・・・とはいえ、coconutも修行が足りないので、嫌いな人と、イマイチ、折り合いをつけるのがヘタではあるんだけどね。
それでも、そういう人とは最低限の接触しかしないとか、無用な摩擦は避けるとか、昔に比べたら丸くなった・・・・と、自分では思うけど、どうなんだろね・・・

思いがけず本部長の訃報を知って、いろいろ思うことがあった。
あの頃、coconutも若かったし、本部長も若かった。
嫌なことや、泣いたこともいっぱいあったけど、今、思い返したら楽しかったことも多かった。
あの、いたずらっ子のような笑顔を思い出して・・・本部長のご冥福を心からお祈りします。