旧学生自動車評論家

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内燃機関の時代は終わらない。

2010年02月28日 | その他
この間NHKスペシャルかなにかの特集で、
電気自動車の時代が到来した。もう内燃機関の時代は終わる。
みたいなことをさも言いたげな番組を見たけれど、
なんと言うか…世の中を走ってるクルマは乗用車だけじゃないってことをわかってんの?って言いたくなるような番組だった。テスラロードスターだって、端的に言ってしまえばロータスエリーゼを電化したものなのに、それをさも革命的な乗り物のようにたたえる感じが気に入らなかった。電気自動車が世の中で活用する最低限の能力を実現出来るようになって、コンセプトカーの世界だけだったクルマが公道で走り、一般の人が買える(金さえあればという意味で)ようになったのは確かにスゴい事。スマートグリッドなど電気自動車ならではの合理性もエンジンを積んだクルマには無い優れた点と言えると思う。

それでも、まだまだ現段階の技術ではせいぜい軽自動車の代替が精一杯で、今後技術革新で良くはなっていくんだろうけど、内燃機関で動く輸送機器をそっくりそのまま代替するなんて事は到底無理な話だ。さすがに、電気自動車はNO!とまでは言わない。やるならカーシェアリングとか、電気自動車として一番ふさわしいやり方でやっていくべき。そもそも、電気自動車が珍重されるようになったのは時代に見合ったエコロジーな乗り物だからだと僕は記憶している。ならせめて、そのエコロジーな部分を活かし、適材適所でやっていけばいいと思う。いくら何でも電気の時代だから全部電気でなんて乱暴な話だ。

で、なんで、そんな4ヶ月も前のテレビを見た話をするのかというと、非常に面白そうなエンジンがフィアットより登場して、内燃機関もまだまだこれからと希望を持たせてくれそうな気がしたから。概要としては1.2Lの2気筒のエンジンにマルチエアというスロットルバルブを使わずに吸排気をコントロールするシステム(トヨタのバルブマティックと同じ機能)にターボチャージャーを組み合わせ、軽量で、同排気量の1.4Lエンジン並みの出力と環境性能を両立するというもの。今の時代に2気筒のエンジンはどうなのか?非常に興味深い。フィアットから出たっていうのも意外。

ハイブリッドやEVがもてはやされているけど、内燃機関も頑張り続けて欲しいと思う。クルマを軽くしたり、捕器類を改良したりしてクルマ全体の効率を上げる事は出来ても、一般的に内燃機関の熱効率を上げるのはほとんど限界になってきていると言われている。しかし、それは日本に限って言えばクルマの内燃機関の殆どが4サイクルのガソリンエンジンに硬直してしまっているから。今後HCCIやクリーンディーゼル、2サイクルエンジンなど従来と根本的にシステムの違うエンジンが出てきてくれれば、まだまだ内燃機関の時代は終わらないはず。

風穴でもよかったんだけど。

2010年02月14日 | ハッチバック
最近気になるクルマがあります。それは…

日産ジュークです。今考えてみれば、コイツはカザーナで東京モーターショーにさりげなく出品されていたのも日本導入を見越してのことだったのかな。僕はこんなデザインのクルマでしかも、デュアリスより小さいSUVなんて売るはずはないと高をくくっていたんですけどね。意外でした。コンセプトカーではホワイトでしたが、日産のSUVの例に漏れずやはり銅色のボデイカラーです。
パワートレインには噂では次期シルビアに搭載されるはずだった1.6Lのデュアルインジェクターの直噴ターボエンジンに副変速機付きのCVTを併せています。VWのTSIやマツダのDISIが既に燃費と環境性能を両立した直噴エンジンということで定着しつつある中でこのデュアルインジェクションがどれだけのアドバンテージを持っているのか?非常に興味深いです。そして、ディーゼルも日本に導入してもらいたいですね。

インテリアも地味めのデュアリスと比較すると色気というか遊び気のあるものでセンターコンソールはバイクの燃料タンクからヒントを得たとか。大ヒットしたデュアリスは実用志向だったのに対し、これは個性重視のクルマとお見受けしました。好き嫌いがはっきり分かれそうですが、個性的でサイズも適度でメカも面白そうなこのクルマ。僕はデュアリスも好きですけど、ジュークも結構アリだなと思います。

ブレーキ不調をとるか、免税をとるか。

2010年02月06日 | その他
ここ数日は朝青龍か、小沢一郎か、トヨタ自動車か、ってくらいニュースの話題がこの3つですっかり持ちきりに。
もちろん、話題はトヨタ自動車なんですけどね。

今トヨタ自動車は700万台もの大量リコールやら、プリウスの苦情やらで大変そうです。色々言いたいこともたまってきたんで、テスト期間中にもかかわらず、ちょっと思いの丈を綴ろうと思います。

消費者としては(別にトヨタのクルマにお世話になってはいないんだけど)プリウスがどうしてブレーキ不調なのか?どうしてリコールになったのか?自動車アナリストとかがテレビでわかったような顔でする話を聞かされて、何がどうなっているのか?イマイチ全貌がつかめないままで苛立っておりましたが、今日、ようやく社長が公の場に顔を出して謝罪会見となったようです(まぁ出てきただけの感は否めないが)。
今頃になってようやくかよ?とも思ったんですけど、リコールごときではいちいち社長さんは会見なんぞしないのが、この業界では普通なんだとか。まぁ当然といえば当然。普通のリコールは数万、数千単位の台数でちょくちょくあることなんだから。まぁ700万台ってのはあまりにも桁違い。

ただ、アメリカでは随分叩かれてるようですね。なんかもうここぞといわんばかりに。向こうでも雇用を作ってるから思いっきり叩かれる事はないと思ってたんですけどね…公聴会やら制裁金やらえらい事になってます。

僕はリコールが出ないことに越したことはないけど、所詮は人間が作ったものなのだから、リコールが出てしまうのは仕方がない事。それよりも、不具合や修理が必要とわかっていながら何の手段も講じない事の方がはるかに罪深い事であると思っています。

でも、リコールが出るから単純に安全でないクルマとも一概に言えないんですよね。トヨタのクルマに乗ってトヨタだなぁって実感する「ちゃんとしてる感じ」があるのは確かだし。安全のための技術開発もしている。衝突試験でも優れた評価をもらっている。ペダルの話にしたってどうせトヨタは一番安い会社に注文して組み立ててるだけだろうし(もちろん、だから許される事とはいいませんよ)。それにしても、ペダルがマットに引っかかって戻らなくなるなんてそんな設計しちゃうってどうなんだ?電気系統が!とか、燃料ホースが!っていうのとは違って売りに出す前に気付きそうな気もするけど。そして、プリウスの話題でうやむやになりそう…

そもそもリコールする原因となる不具合って何をもってそうしているのでしょう?例えば、一般的なイメージ(TopGearによる影響大)での外車って故障が多い。でも、それをリコールするのか?って。ああいう故障ってリコールの原因になったりしないのだろうか?こう言ったら言い過ぎかもしれないけど、リコールという制度が日本車のような信頼性のあるクルマを前提としているから言えるんじゃないか?って気もしなくはないです。根本的に設計ミスをしているのか、経年劣化や使い手の問題なのか、線引きが難しいと思います。

プリウスに関しては…別段、リコールを隠してたわけではなさそうですが、公表していないっていうのはねぇ~。ただ、原因がABSらしいですけど、プレオは橋とかの段差でブレーキを踏めばあっさりとABSが動き出して、明らかに制動距離が長くなるっていうことはあります。でも、そういう単純なことじゃないのかな?まぁプリウスの場合はエンジンとモーターが複雑に絡み合って燃料をケチることで38km/Lという燃費を叩き出すクルマで、それを制御するコンピューターが悪いらしい。だから、ソフトを書き換えてやれば問題は解決なんだってさ。仲のいいパナソニックを見習ってリコール喚起のCMを入れるとか、もう少し対応の仕方を考えた方がいいような気もします。ホームページみても何事もなかったようにこども店長が出てくるし。っていうか、こども店長が「世間をお騒がせしました。」って出てくるCMを見てみたい。

とにかく、ペダル1つで会社が大きく傾くなんて、機械科の学生としてはちょっと他人事とは思えない話です。

あ、そうだ、セレナの2度目のリコールに行ってくるの忘れてた…