ジープエクスペリンスキャラバン2010に行ってきました。ホームページによると、日本各地で行われているそうで、基本的に大型商業施設の駐車場を会場とした、内容はジープのオフロード性能を体感しよう!という家族向けのイベントでした。東京モーターショーでも、ジープのクルマは見る事すらできなかったので、ジープのみならず、ダッジやクライスラーなども存分に見てきました。
なんといっても、目玉はジープによるオフロードコースの試乗。試乗コースはある程度の技能が要求されるということで、ドライバーによる運転に同乗するというものでした。38°のバンクやコブ、互い違いのギャップなどの金属製コースを通過します。ちなみにバンクはチェロキーだと45°までいけるそうですよ。
4輪が接地する事は殆どなく、ほぼ3輪。むしろ2輪の瞬間すらあるというのに、こともなげに通過していきます。接地していないタイヤが空転して接地してるかどうかを読んでいる様子やギャップに対してたっぷりとしたストロークでしっかりとギャップに対応する脚回りで通過する様子を見ていると、まるで生き物のような印象すらあります。急がなければ、どんな所でも行けそうでしたね。そして、ちょっとやそっとの傾きではびくともしない安定性を持っていて、ドライバーの方はわざと大きな揺れが起こるような運転をしたりするのですが、不安定な印象は全くありませんでした。あまりの角度に乗ってる方はビックリはしますけどね。
意外だったのは、毒キノコことフェンダーミラーが無かったこと。代わりにドアミラー下部に仕込んだカメラを助手席側のドアの液晶画面に常に投影することで視界を確保する。というアメ車らしからぬ、きめ細やかな装備が標準化されていました。
それから、ジープに限らず、クライスラーグループのクルマが展示されていたので、軽く見てみました。
ミニバンのグランドボイジャーははっきり言って大した事無かったですね。シートはこれだけ大きなクルマでありながら、ちっともたっぷりしていないし、ぶっちゃけ不出来な代物。デザインも良いとは思えないし、最近よく乗る2つ前のオデッセイの方がよく出来てると思います。まぁ運転したわけでは無いのでなんともいえない部分はありますが、こんなクルマで日本の激戦区であるミニバン市場に勝負をかけようだなんてナメてるの?ってくらいでした。PTクルーザーは良くも悪くもあのデザインが決め手ですね。古いけどまぁ面白いデザインだからこういうのが好きならいいんじゃないの?といった感じでした。
色んなクルマがありましたが、一番驚いたのはダッジチャージャー。600万円~のいわば高級車の部類でありながら、左ハンドルでメーターはマイル表記、エアコンは華氏表記、リバースランプは後付け、チルトテレスコピックは手動、インテリアは全般的にチープ。こんな車をよくもまぁ売ってるなと思いました。ただ、このスポーツカーのようなデザインはホントにカッコいい。安っぽいインテリアも含めて個性ですよといわんばかりで、いかにもアメ車って感じでした。まぁこの車を欲する人はインテリアのクオリティなんてどうでもよくて、このデザインとパワーとアメ車としての雰囲気が決め手なんでしょうね。クオリティを買うのではなく、文化を買うといった感じなのかも。ある意味、文化みたいなものでクルマが売れるのは日本車には出来ないことですね。
家族向けのイベントということもあって、来場客層はやはり家族連れが多かったです。クルマの試乗がアトラクションのようにできるのはある意味ジープならではで非常に面白かったですね。こういう体験型のイベントの方が印象にも残るし、日本のメーカーも積極的にやってほしいです。こういうところでお客と広く接点とっていくことも若者のクルマ離れを抑える一つの術なのかなと思います。