ツインリンク茂木までの往復350kmはレンタカーで行ってきました。借りたのはマツダのアクセラセダン20Fという四駆モデルです。アクセラといえば、次期モデルがジュネーブショーで公開され、日本に導入されるのも時間の問題。といった所ですが、今回はあえてモデル末期のアクセラをチョイスしてみました。リリースされた’03年当時としては実質的にはファミリアの後継モデルということでショートワゴンボディの“スポーツ”とスタンダードな”セダン”の2つが用意され、その性能からヨーロッパではあまりにたくさんの注文で11ヶ月待ちになるほどだったそうです。当時高校生だった僕の目には相当走りの際立ったクルマとして写っていたんですが、果たしてその実力は…
ハンドリングはマツダ車らしく精確でシャープ。いかにもスポーティな印象です。タイヤがノーマルならなおクイックだったろうなぁ。※スキーシーズンということもあり、スタッドレスタイヤだった事を触れておきます。
電動パワステだからなのか?交差点を曲がってぬける時に実感するんですが、ステアリングの復元力があまり無いので”戻し”をしなければならないのが何とも不自然な印象を抱いてしまいます。エンジンは2.0Lということでパワー不足はほとんどありません。エンジン自体、低回転域でのトルクを重視しているためか、結構踏み込んでもスーっと吹けるということはありません。
マイチェンでFF車は5速化されたわけですが、四駆車は4速のまま。シフトレバーのゲートにあったマニュアルモードは廃止されていました。乗り味はこれまたマツダ車らしいフラットでスポーティ。決してカリカリではないけれども、固めの脚で高速道路でもふらつかせないように仕立て、路面の凹凸はボディの剛性でいなすような印象。ステアリングのクイックさと相まってよく踏ん張ってくれます。
インテリアは5年前に発表されたクルマということで相応の物。ぶっちゃけ質感が高いとは言えないものの、オーディオ操作と連動するイルミネーションや青く焚かれたメーターなど少々騒がしいくらい。僕の好みではないですね。特にメーターは文字が赤く、白地の盤面が青く照らされるので見ていて少々チカチカします。質感云々というよりは見せ方が上手くないといった感じですね。オーディオ一つ取ってもわざわざ専用デザインなんだからもっと統一感のある造形にすればいいのに。と思うんですよね。
そして、何より感心するのがシート出来の良さ。たっぷりとしていて、固さも絶妙。僕はメーカー別で言えばマツダのシートが一番いいと思います。マツダはデミオでもアテンザでもシートがちゃんとしているのが素晴らしい。
セダンとして不自然さのないエクステリアと充分な居住スペースを両立したパッケージングはなかなか上手いと思います。トランクも広いし。何よりトランクで感心したのはヒンジがグースネックではなく、4リンクヒンジにしている点。アームレストスルーが出来ないのが残念なところですね。
燃費は11.4km/L。四駆でスタッドレスで4ATにしては上々な燃費ではないでしょうか。
総評とすると、走る・曲がる・停まる・シート・乗り味等々、基本がしっかりしているだけに個性というかアクセラならではの持ち味が薄いのが残念。美味しいのはスポーツモデルでそれ以外をいかにも安っぽく見せているような気がしてなりません。もう少しその辺が何とかなればいいと思うんですけどね。