旧学生自動車評論家

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New ELGRAND.

2010年07月25日 | ミニバン
エルグランドがもう間もなくフルモデルチェンジです。ライバルであるアルファードに大きく遅れをとったフルモデルチェンジですが、果たして次期モデルは最上級ミニバンの栄冠を奪還する事ができるのか?

現行モデルが出て8年が経過し、ライバルと比べ、出遅れた印象が否めません。今回からベースを共有する北米クエストがコンセプトカーとしてモーターショーに出品された時期を鑑みても、やはりもっと早く導入してアルファードにぶつけてやろうとしていたことが伺えます。現行モデルはFRベースで走りを主張する最上級ミニバンでしたが、今回からFFとなりました。まぁ時代の流れと合理性を考えれば至って自然なことだとは思います。たとえFRでも、現行の足回りでは走り云々以前のような気がしました。そもそもあんなバンみたいなクルマなら別に走りなんかウリにする必要も無いと思うんだよね。大体”走り”って何よ?スポーツカー買おうって訳じゃないんだから、パセンジャーが安楽に乗れて、ドライバーに負担のないクルマならそれでいいじゃない。
今回のエルグランドは基本的にクエストと同じで顔つきをエルグランドっぽく仕立て上げたという印象です。

実際、現行モデルの顔つきを継承させるなど、エルグランドっぽさを演出する事を意識したようです。

今回のフルモデルチェンジでは随分パセンジャーに気を使ったようで、歯医者のイスみたいなオットマン付きのシートにバカでかいモニターなど、至れり尽くせり。ウッドもしつこいくらいにあしらわれています。現行モデルも確かに便利で至れり尽くせりなクルマでした。しかし、高級車としての風格というか、振る舞いに欠ける点もしばしば目につくものでした。フロアは高く、稼働するものはカチャカチャと安っぽい音を立て、シートには剛性感が感じられないなど小物の作りにまるで高級感を感じられなかった。次のエルグランドにはまず、そういう不始末がない事を期待したいですね。

細かい所を見ると、シフトレバー等に左ハンドルを意識したなという痕跡が垣間見れます。いや、むしろ右ハンドルを意識したというべきなのかな…

クエストはスカイラインなどでお馴染みのV63.7Lエンジンを搭載しているのにもかかわらず、日本向けのエルグランドはムラーノなどと同じパワートレインを採用。既に生産が打ち切られたプレサージュと比べても大した代わり映えは端から見た限り、ありません。今度から生産工場が同じになるのだから、3.7L VVELエンジンの搭載も無理な話では無いはず。芯からの高級感に乏しかった現行モデルも、メカで惹きつけるだけの魅力を持ち合わせていただけに次期モデルにもアルファードに対抗できる技術的な面での魅力を持たせるべきでなかろうか?2.5Lモデルが最量販モデルになるのだろうが、このトランスミッションも気になる所。日産にプレサージュの後継車を作る気があるのか知らないが、もし無いならエルグランドに幅を持たせて顧客をカヴァーしなくてはならないだろう。

ヴェルファイアが結構売れているという事もあってか、今回のエルグランドは鼻っからダークな色調のモデルを全面に押し出している。しかし、こんなチャラいクルマを求める人がそんなに沢山いるのだろうか?こういうのってホンダのミニバンの十八番(イヤミも含めてね)だと思っていたんだけどな。最上級ミニバンなのだからフーガではなくエルグランドを選ぶという人だっているだろう。そういう人たちには上等なクルマというより、品位が足りないクルマという印象を与えてしまうような気がしてならない。少なくともクエストの方がインテリアも含めてまだ上品なクルマに見える。どことなくリバティの風景にも似てなくはないけどね。

最近のシトロエンって…

2010年07月24日 | ハッチバック
シトロエンのC4がフルモデルチェンジするようですね。

シトロエンといえば、
ハンドルが外周部だけ回ったり、フロントスクリーンが異様に大きかったりと奇抜なデザインと合理性の同居というシトロエンのクルマのデザインに対する考え方が好きで、その中の最新モデルがC4だったことがハンドルネームの由来だったんだけど。

果たして今度のC4にもそれは当てはまるのだろうか?
スタイリングは先代のような端整で張りのあるシンプルな造形から一変。C3やDS3のような曲線を多用していて、個性的ではあるものの少々しつこ過ぎる気が…だってこれでまだ、DS4があるんでしょ?

インテリアも禅をテーマにした先代のようなシンプルで清潔な雰囲気は無くなり、センターフィックスステアリングも廃止されてしまっている。個人的には非常に残念。

シトロエンは現行C3の発表よりCラインとは別にDSシリーズを展開。より個性と質感を意識したモデルでシトロエンブランドの新しい価値を表現するんだとか。僕はシトロエンには、例え同じクルマで隣り合っても、引けをとらない個性でイタリア車とはまたひと味違うデザイン面の魅力を持っていると思う。昔懐かしい名前で原点回帰することで過去に目を向けるのではなく、未来に目を向けているのもある意味シトロエンらしいのかもしれない。それに僕はこういう形でクルマの価値を創造することには大賛成!しかし、DSでこれだけ派手にやったんだったら、Cシリーズはもう少し控えめでも良いのではないか?と思う。複雑な造形でなくても魅力のあるエクステリアは作れるはず。そもそも、複雑にすればいいというものでもない。インテリアに関して言えば、むしろシンプルな方が好ましい。差別化という意味でももっとすみ分けされたデザインであってほしいですね。
パフォーマンスの面ではBMWと共同開発した1.6Lエンジンが採用され、4気筒エンジンが久々に一新されたわけだが、ミッションが未だ4ATというのはいかがなものか?向こうではディーゼルとマニュアルミッションが主力なのだからやむを得ないのかもしれないが、これでは古さを感じざるを得ない。

ってあれ?C4の話がC3の話になってしまった。