音訳ボランティア サークル声

音訳ボランティアについて活動内容の紹介や課題などについて紹介してまいります。

最後の活動日、市長が激励

2016-12-24 15:19:45 | 旧ブログ記事

20161224

この日の活動は恒例の「広報かけがわ」1月号の録音の日です。年末年始のお休みがあるので1月号はいつもより早く22日に私達の手元に頂きました。

私の今月の担当は、1月号の特集と全体編集。その他に税金申告のご案内でした。机に出来上がったばかりの広報を広げ、パソコンをセットします。いつものように担当する記事に目を通し始めます。するとザワザワしはじめました。松井市長が録音室に入ったとのこと。

この日は、市長が来られて「広報かけがわ」の自身の記事「市長の維新伝心」という市長発のメッセージをご自分の声で録音される日となっていました。

すでに録音室に入り、原稿を広げ始めているとのこと。ブログの担当者としましてはシャッターチャンスを逃す訳にはいきません。カメラを持って録音室に走りました。すると録音室に籠り、サークル声のスタッフが隣に入ってカメラに向かっている最中でした。ガラス越しの撮影だったため少し反射してしまっています。

今回はお正月に各世帯に配布されるというので、題は「謹賀新年」となっています。今年の市政に関わる事や来年の施策への思いなどを市民に向けて説明している記事です。隣のスタッフが読み間違いがないか、市長の読みを聞きながら原稿を目で追っています。

録音が終わると、私たちが普段作業をしているボランティア室に入ってこられ、時間が許す限りということで意見交換をして帰りました。「広報かけがわを多くの市民が手に取って読んでもらえるには」「行政側からのお知らせばかりではなく関心のある記事や知り合いが写る写真を捜す場となる写真ページを増やしたり」などの意見交換をさせてもらいました。また最近の写真が生き生きした写真が多く、写真を伝える我々音訳スタッフも利用者に生き生き伝えたいと思える写真が増え喜んでいる思いも伝えました。

※市長と意見交換するサークル声のメンバー。右下が市長。

さて市長が帰るといつものバタバタした風景が戻ってきます。空いた録音室に駆け込んで自分の担当する記事を読み込もうとする人、調査や下読みに戻る人。市長が来たことで、いつも比べ1時間ほどロスができたかもしれません。特集「2017かけがわ展望」は新しい年に市はどういった取り組みに重点を置いていくのかという方針説明のような記事。「申告はお早めに。所得税・市県民税」は確定申告や市県民税納付申告についての案内やよくある問合せの答えなど。この二つの記事を読ませていただきました。

冒頭にも書きましたが、この日は今年最後の活動日です。次は1月10日です。天気も下り坂だったこと、ちょうど冬至の時期で日暮れが早かったこともあり16時には外は暗くなりましたが、遅い人も家路に就くことができました。

私はこの日夕方から知人宅でお泊り忘年会。お酒とつまみを持ち込んでワイワイやりに出かけました。そんなこともあり、記事のUPが少し遅れましたことをお詫びします。

今年も1年ありがとうございました。新年は音訳講習会も、40周年イベントも計画されています。またよろしくお願いいたします。


目が見えないことと見えること 雑感1

2016-12-16 22:00:00 | 旧ブログ記事

20161216

伊藤さんの書かれたこの本「目の見えない人は世界をどう見ているのか」を読んでいると、常識というか私の思い込みを見事にひっくり返してくれるところが面白いというか、快い感じがする。

(視覚障がいをお持ちの方に、何かしてあげなくては)という思いには、目の見える人の見え方が常識というか、正しいものであり、見えない人が見ている世界はハンディキャップを抱えて気の毒な人という、何か立場の上下を感じさせるものがあるのは、少し感じていたことではある。

しかし、この本を読んでいて、目の見える人には必要以上のものを見せられているあり方に気付かされた。必要以上の情報が視覚を通じて入ってきている。多すぎる情報のために物の本質を見失っている状態があると指摘されている。この指摘は驚いた。

コンビニで、特に欲しくないものまで買ってしまうあり方。現役時代、自分の商品をいい場所に置いてもらい、競合商品より目立たせるように交渉したりしたこともあった。売り場を演出する立場でそういう考え方があるように、買う立場では(特に欲しいわけではなかったが衝動買いをしてしまった)という経験もある。不要な情報が氾濫することで購買行動が歪められるようなことがあるのは事実だ。視覚障がい者の場合、欲しいものが決まっている状態でコンビニでも店舗でも入っていく。そして必要なものだけを買って店を出る。余計なものは見えないので買わないというわけだ。

歩いていても、車を運転していても、テレビを見ていても、電車に乗っていても・・・。必要なことをするのに必要な視覚情報を得れば十分なのに、余計な情報が視覚から入ってきてしまう。迷い、悩み、不安に思い、またある時は怒りを感じる。もちろん思わぬものが視覚を通じて見えて感動や喜ぶこともある。しかし不要な情報のほうが多いのではないだろうか。

そういう意味では見えないことも悪いことではないかもしれない。いや悪いとか可哀想とか決めつけられないのではないだろうか。

椅子は普通4本足で安定しているが、足の1本がない3本足の椅子があれば不安定になる。しかし足の付け方で安定する3本足もある。床が凸凹の場合には安定する3本足の椅子のほうが4本足より安定する。3本足でバランスがとれている場合にはそのほうが機能的であるともいえる。視覚も無いだけでは不安定だが、視覚がないことで全体のバランスが取れ始めるとそちらのほうが機能的になる場合もあるとも言えるのではないか。

見えない人の部屋ってどんな状態かご存知でしょうか。余計なものがなく乱雑でないといいます。教えられればなるほどと思います。何故部屋が整理されているか。乱雑では何がどこにあるかわからないからだそうです。物はすべて決められた場所に置かれていないと、モノを探すのに大変な苦労をするからだそうです。これも教えてもらわなければわからない、目の見えない人の常識です。

 


目の見えない人は世界をどう見ているか

2016-12-10 19:27:25 | 旧ブログ記事

20161210

今週は、ブログの更新をし過ぎでしょうか。でもお伝えしたい情報がある時には書かせていただきます。書く事がない時にはお休みが続いたりします。お許しください。

さて、本の話。平日午前中のラジオ番組にNHK第1で「すっぴん!」という番組があります。その金曜日の担当、高橋源一郎氏(小説家)が紹介した本です。

ラジオで紹介した内容についてはインターネットで聞くことができます。こちらでご確認ください。リンク先

著者伊藤さんは1979年生まれ。私が大学を卒業し社会人になって2~3年目というところでしょうか。面白いというか、なかなか考え付かない発想で自分の持つ機能(今回は視覚という機能)を見直していることです。

自分と違う体を持った存在への想像力を彼女なりに表現しています。つまり視覚障がい者を私達晴眼者とは別の世界を認識できる体として、晴眼者よりも優れた機能を持っていることを説明してくれている。見えない人は我々と違った見方で世界を見ていることに驚いて欲しいと思います。

晴眼者は、外部から得ている情報の80%?を目からの情報(視覚情報)で得ていると云われますが、目から入ってくる情報が多すぎて、本体の形やモノの姿が見えなくなっているのではないか、そういう能力が退化してしまっているのではないかとさえ思われてくるのが不思議です。

この本を読んでいますが、また感想は後日アップさせて頂く事としましょう。


NHKスペシャル 自閉症の君が

2016-12-08 19:59:23 | 旧ブログ記事

20161208

イギリス人作家ミッチェル氏の息子さんは自閉症だった。ミッチェル氏は(息子には家族などへの感情がないのではないか)と考えていた。しかし彼は日本の自閉症作家東田直樹さんが13歳の時に書いたエッセイに出会う。ミッチェル氏はそのエッセイを翻訳し、世界30か国でベストセラーになった。自閉症については世間一般が理解していないばかりか、家族も本人がどう思っているのかなど理解できていないようだ。このエッセイを通じて、初めて自閉症の子供の事が理解できた、始めて子供の心の声が聴けたという親も多いという。ミッチェル氏は東田さんとのやり取りを通じて、(息子には感情もあり、それを伝えるすべを知らないだけなのだ)という事を理解するという話だ。

「自分は息子に何をしてあげたらいいのだろうか」とミッチェル氏が東田さんに相談すると、東田さんの答えは「今のままでいいんじゃないですか」だった。この辺りのやり取りが、とても印象深かった。

それから月日が経ち、東田さんは現在24歳だという。この夏ミッチェル氏の地元を訪れて、自閉症だという息子さんの心の声に耳を傾けたそうです。

更に東田さんを追いかけ続けたディレクターがこの2年の間に、ガンを患い職場復帰していたそうで、死と隣り合わせ復帰した彼が見た、東田さんとそれを取り巻く人たちのやり取りにも興味がある。


12月定例会

2016-12-07 13:55:26 | 旧ブログ記事

20161207

12月号では、初めて「表紙」を担当させて頂いた。

利用者が12月号のメディア(CD)が到着して、最初に聴く部分だ。初めての経験だったこともありまして、原稿読みになってしまったかなあとの反省があります。もう少し語り掛けるような表現にしたほうが良かったかなあと思われます。

用意した原稿は

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こんにちは、サークル声です。

 このCDがお手元に届く12月7日頃から、二十四節気の大雪となります。大雪(おおゆき)と書いて「たいせつ」と読みます。この頃から天気予報でも雪の予報も頻繁となり、北国では山だけでなく里にも雪が積もり始める時期となります。あまり雪に縁のない掛川などでは、この「大雪」については、本格的な冬の時期が到来する頃という程度に受け止めら良いでしょう。

 遠州地方で冬らしい風景といえば「遠州のカラッ風」で、昼を過ぎると西風が強くなります。子供の頃、学校からの家路を西風を避けて後ろ向きで帰ったり、自転車で追い風に吹かれるとペダルを踏まずに自転車が勢い良く進んだのを懐かしく思い出します。

 私は定年後、畑で野菜作りを始めました。この時期、畑では白くて太い、きれいな足のような大根が、土からせり出して収穫を待っています。大根はこの季節にはとても美味しくなります。葉に近い部分の「クビ」は汁が多くて甘く、先端部分の「サキ」は汁が少なく辛いという特徴があります。クビの部分は生でサラダに、サキは大根おろしなどの薬味にすると良いですね。おでんや風呂吹き大根も、この季節には欠かせません。

 これより本格的な冬に向かいます。風邪などひかないように、意識的に栄養をとり、十分な睡眠時間を取るように心掛けましょう。

それでは広報に入ります。

広報かけがわ 平成28年(2016年) 12月号 No196号 
発行は掛川市役所 編集は企画政策課秘書広報室

11月1日現在の市の人口を申し上げます。

住民基本台帳人口 117,733人 前月からの増減 +12
男 58,880人 +3 女 58,853人 +9 世帯数 43,374世帯 +43

日本人 114,085人 -4
男 57,192人 -10 女 56,893人 +6 世帯数 41,549世帯 +28

外国人 3,648人 +16
男  1,688人 +13 女  1,960人 +3 世帯数  1,825世帯 +15

広報の他に、社協だより、中東遠医療センターの院内誌きんもくせい、文化芸術振興情報誌ぶらり、静岡原子力だより があります。最後までゆっくりお聞きください。

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そして先日の表紙画像の説明に入ります。そのブログはこちら

冒頭の切出しが、原稿を読むようになってしまった以外は、まずまずの出来だったかなと思います。

 

定例会で具体化したことだったのですが、図書館が利用者からの要望で、本を音訳することになり、我々が作業することになりました。本は「50歳からの起業術」という、熟年になってから新たに会社起業や店舗出店をする方に向けた、いわゆるハウツー本です。

本自体は8章に分かれている書かれているものです。メンバーで分担し、私は第2章を担当することになりました。12月20日頃を目途に録音校正を終えることになっています。

私は本の音訳は初めてでしたのでこれも勉強になるだろうなと楽しみにしています。

 

更に定例会では次のような話題も。

サークル声の総会・40周年について。我々の活動が、来春から40年目に入ることから、40周年行事を準備することとなりました。今後、総会・40周年行事も少しずつ準備を始めていきます。


ブラインドメイク

2016-12-05 21:12:36 | 旧ブログ記事

20161205

先日の朝日新聞に「ブラインドメイク」についての記事が掲載された。以下抜粋させていただく。

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目が不自由でも独力でできる化粧法「ブラインドメイク」があり、注目を集めているようだ。HPによれば、まずお化粧は視覚障害の有無にかかわらず心理的にも社会的にも良い効果があるということ。そんなお化粧が見えなくても(鏡が見えなくても)もお化粧は可能だというのでおどろいた。「化粧訓練士」の指導を受ければ、障がい者でも15分程度でフルメイクができ、「外出が楽しくなる」と好評だという。この度全国で初めて、静岡市の眼科医が化粧訓練士を紹介するイベントがあったという。

ブラインドメイクは、日本福祉大学大学院博士課程の大石さんが、多くの視覚障害者が化粧をあきらめていると知り考案。ファンデーションを両手指になじませ、左右対称に均等の力で動かすことで、鏡を使わなくてもむらなく、はみ出さずに塗ることができる。チークや口紅も同様だ。大石さんは「化粧をすると自己肯定感が高まり、外出したり社会参加したりする意欲につながる」と話す。

9月3日、静岡市の「さくら眼科」で、静岡市の千代元子さん(68)と浜松市の山城ウェンディさん(41)が化粧訓練を受けた。

7歳の時に先天性緑内障で全盲になったという千代さんは何とマスカラを塗るという。。おしゃれが大好きで口紅はたまに塗るが、アイメイクは1975年の自身の結婚式以来だという。

ペルー生まれで5歳頃、両目を失明した山城さんも化粧に関心があった。「自力でできると知ったことが一番うれしい」という。

 

朝日新聞の記事はこちら


録音資料製作に必要なこと

2016-12-02 16:36:41 | 旧ブログ記事

20161202

■音声化技術の基礎

呼吸・発声・調音 ;聴きやすい声を相手に届けるために

音訳講習会では、聞いたような記憶もあるのですが、いつもマイクの前に座る時、意識しないといけませんね。気をつけないと、つい忘れてしまいがちなことです。

利用者が聴きやすい音声で話すのは技術です。練習すればできます。

自分のいつもの癖で、いつも通りに読んでしまうと利用者には聞きづらいものとなります。

忘れてしまいがちなのですが、意識するのとしないのとでは、相手への届き方が違うはずです。

呼吸

声は息です。大量の息を必要とする訳ではありませんが、声の源、息に余裕があると安定した読みを続けることができます。

<やってみよう>

①息を吸って、同じ強さで「ハー」と長く息を出してみます。

②意識して多くの息を吸って、同じように「ハー」と長く息を出してみます。

<気付きました?>

※声の最後の方、最後の声が「かすれたり、震え」ましたね。「息が足りなくなり、声が乱れた」状態です。

※①より②のほうが、長く安定した声を出せましたね。

 

<やってみよう>

①下腹やわき腹に軽く手をあてる。

②全部息を吐ききった後に、「ハー」と声を出し、限度まで出したところで、口を閉じ、肩を上げないように注意して、力を抜きます。

<気付きました?>

※吸おうと思わなくても、お腹が膨らみ、息が入ってきますね。これが「多くの息を腹式で取り込んだ」状態です。

いわゆる腹式呼吸。この時、肺は前には膨らまず、縦に伸びるのだそうです。呼吸は肺だけでするのではなく、呼吸筋(横隔膜・肋骨筋・脊柱起立筋など)でするのだそうですが、意識しやすいのは横隔膜だそうです。

 

調音(発音)

音訳に大切なのは明瞭で正確な発音です。しかしうまく出せない音がある。皆さん共通して出しにくい音、個人的に苦手な音、地方の特徴的発音など。

口の形、舌の位置に注意して、他人に聞いてもらうなどの確認も必要。

母音aの続く音 ;ア・カ・サ・タ・ナ・ハ・マ・ヤ・ラ・ワ

母音oの続く例 ;オ・コ・ソ・ト・ノ・ホ・モ・ヨ・ロ・ヲ

サ行・ハ行など歯並びの不具合で影響されやすい ;サ・セ・シ・ス・セ・ソ・サ・ソ・ハ・ヘ・ヒ・フ