音訳ボランティア サークル声

音訳ボランティアについて活動内容の紹介や課題などについて紹介してまいります。

「出会い塾」で活動の紹介

2016-08-23 03:00:00 | 旧ブログ記事

20160822

掛川市内に「出会い塾」という会があります。NPO法人シニア交流研究会とういう組織が運営する「シニアの地域デビューを支援する会」ということで、60歳前後のおじさん・おばさんたちが集まって地元についていろいろなことを教えてもらったり、ここで出逢った人たちでグループを立ち上げる手伝いをしてもらう場となっています。毎月1回のその会場にサークル声が出向き、講演をさせていただきました。

8月21日(日)に「たまりーな」という会場で今月の活動が行われた。そこに出前講演のような形でメンバー5名と毎月作成している「声の広報」を利用している視覚障がい者1名盲導犬とともに参加させてもらった。

実は、サークル声のメンバーには2名、この出会い塾OB・OGが参加している。これまでも同様の講演をさせてもらっているが、そこで関心を持った人がボランティアに参加してくれている。2人にとっては古巣というか、出身母体でもある。


この日は、サークル声の前に社会福祉協議会という団体から2名が来て、市内の福祉事業の現場とボランティア事業について紹介をしていた。この日、塾生たちは福祉事業とその具体的事例としてサークル声の説明を聞くことになっていたようだ。

続いて私達の講演です。PCを準備する短い間に、柳原代表の挨拶と出会い塾OB・OGからサークル声に参加するに至った経緯などを紹介し加入を呼びかけた。

上の画像、左に着席しているのは、一緒に参加してくださった障がい者と盲導犬

 

次には、メンバーから視覚障がい者の現状について説明

得ている情報の82%は視覚を通じて獲得しており、一人では外出しにくい状況にある。

先天的視覚障がいは減っているが、病気事故による中途失明は急増。中途失明の場合、点字の習得などはなかなか難しく、本や書面からの情報を得るには音訳に頼らざるを得ない状況もある。

音訳は書いてある内容を間違いないように視覚障がい者に伝える技術。利用者の要望で読みたい本を音訳することもあるが、サークル声の主な活動は毎月市が発行する「広報かけがわ」を録音して、視覚障がい者の自宅に送付すること。この活動は市広報のボランティア募集記事から始まり、38年余り、毎月続いている。

街中で白杖を持った視覚障がい者と出会って何か動きがぎこちなかったら、勇気をもって「何かお困りですか?」「どうかしましたか?」と気軽に声をかけて欲しい。何かとても困っているのかもしれない。歩行の際もちょっと肩を貸してあげるととても助かるものなのです。

今日は視覚障がい者になった状態で歩行(目隠し歩行)していただく体験をしていただきたい。とタオル等で塾生に目を隠して歩いてもらった。次に我々メンバーが「何かお困りですか?」と声を掛け、障がい者の片手をメンバーの肩に置き比較しながら歩いてもらう体験や白杖で足元を確認しながら歩いてもらう実演を行った。

塾生たちも、視覚がなくなった時の初めての体験をしてもらい、「肩を貸してもらった時の安心感」「ただ肩を借りただけではなく、そこに手を添えてもらうとさらに安心感が増す」など障がい者がとても安心して歩行できる体験をしてもらい、障がい者への声掛けをお願いして講演を終了した。

 

最後に、盲導犬とともに参加した障がい者の方から、生の声を聴いてもらった。「視覚障がいを持つ人は、障がい者の中でも特に周囲の情報を得にくいので、なるべく外出しない生活になってしまう。どうしても一人で外出せざるを得ない場合、外で困ったときに皆さんから声を掛けてもらえるととても心強いので、ボランティアのつもりで勇気を出して声を掛けてやってほしい」

塾生のみなさんたちのボランティアを期待したいものだ。

YY


市(行政)との連携を進めたい

2016-08-06 21:20:30 | 旧ブログ記事

20160806

私共の地元にも様々なボランティアが存在していますが、このサークル声は、他とはちょと違うところがあるように思います。それがこの活動に関わる人たちの誇りにもなっていると、駆け出しの私も理解しています。その点を行政に理解されていない、誤解されているのではないかと感じた時には、メンバーも心穏やかではありませんでした。

何が他のボランティアと違うのか、私達の思いはこうではないでしょうか。(駆け出しメンバーの私見ではありますが)

市の広報誌は、これを通じて行政が取り組む内容を広く一般市民に伝え、理解を求める情報だと理解しています。私達の活動は市の広報を、視覚障がい者が理解できるよう音訳をして提供し続けているボランティアであり、それも38年間休むことなく、継続して音訳を続けている、市の広報の一端を担ってきた実績があります。講演会などで手話通話を見受けますが、視覚障がい者に対する市広報の通訳貢献事業だとも言えます。

またこの事業を続けながら、先輩メンバーたちは視覚障がいを持つ利用者と街中で出逢っても、利用者は「声の広報」で聴き覚えのあるその声を聴いて「〇〇さん」と声をかけてくれるなど、利用者との親近感や信頼感を醸成していきました。その親近感などが私達の、視覚障がい者への別の支援や健常者への理解啓蒙活動のモチベーションにもなってきたと思います。

更に、メンバー間では、音訳の技術向上に向けて研修も重ね、メンバー間で議論し合うなどして、利用者が正しく内容を理解できるようにと研鑽も重ねています。紙面ではこう表現されているが、利用者はこの文章を読んだだけでは内容を理解できない可能性がある、そういう時の伝える技術などです。例えば写真や図表で表現されている記事をどう説明し、読みで伝えたら、そのイメージが健常者に近い内容で利用者に伝わるかに心を砕いています。

以前、行政窓口の方が、サークル声のメンバーに「あなた達は好きでボランティアをしている。あなた達の生活が充実し、生き甲斐になるように、生涯学習として音訳活動をしているのでしょう」と言われたのだそうです。

利用者から言われるならまだしも、窓口の市職員に言われたことにメンバーは愕然としたといいます。市が本来主体となって行うべき(障がい者が理解できるように市広報を提供する)事業をサークル声に任せておいて、私達の活動をそのようにしか理解していない職員が私達の窓口をしていたことに驚いたわけです。あるメンバーは、(市のすべき事業を金のかからない市民ボランティアに丸投げしておいて、好きで音訳をしている、その材料と利用者を市が提供している)と言われているようなもので情けない思いだったといいます。メンバーの中にはこの際この音訳事業は市に返上して、我々はそこにボランティアとして時間が余った時に出向くようにしたらどうかいう意見もありました。

なぜこのような発言、誤解になるのかを冷静に考えると、お互いが相手のことを理解していなかった、我々からすれば、市に活動のアピールができていなかった事が原因の一つだと思われます。

7月に窓口である市の福祉課障がい者担当に、私たちの置かれている状況を話すとともに、「声の広報」とも言われる広報かけがわ音訳事業への市としての考え方を伺いにメンバーの多くで出向いたのです。その時点では答えきれなかった担当者は、今回中間報告として考えの方向性を示すとともに、活動の一部でも理解できればと、我々の活動日(8月2日)に 図書館ボランティア室に来てくれました。

担当者の前向きな、この問題を解決したいという思いにホッと胸を撫で下ろしている状態です。今後はなるべく定期的に話し合いを持てる環境づくりを進め、事情や課題を理解しながら事業を進める関係でありたいと思っています。

見出し画像は、先日活動日に来てくれた市の担当者が、自らの音訳で利用者に広報を読み、録音をしている画像です。できれば福祉関係や広報発行の担当者だけではなく、毎月どこかの部署の担当者が参加してもらい、直に自分達の仕事内容を録音してもらえるようになったら、利用者もそうですが、職員も直接呼び掛けることができるいい機会になると思うのですが如何でしょう。駆け出しメンバーの独り言でしょうか。


8月定例会議

2016-08-05 06:57:23 | 旧ブログ記事

20160805

広報かけがわ8月号の活動は7月28日、8月2・4日の3日間でした。

毎月のことですが、1日目は広報のなかで担当するパートを決め、調査をし、録音・編集作業に入ります。

2日目は録音や編集の続きをしたり、新たに分担するパートを録音したり。8月号のコーディネート担当は2日目で作業が終了するように段取りし、仕上げに向けてピッチを上げ、音訳を完成させていきます。メンバーのレベルは様々ですので調整したり、必要に応じて音訳内容をチェックすることもあります。

3日目は作成した音訳データに問題がなければデータをCDに入れていきます。作成されたマザーCDを利用者に渡すCDにコピーします。デイジー版という専用の機器を持っている利用者向けのCD、オーディオ版というCDプレイヤーやPCで聞くことができるCDの2種類を作成。約50名分のCDを作成し、郵送の準備をします。

3日目は発送準備の他に、ミーティング(定例会)をやっています。今回の音訳作業での気付いた点、改善策について。録音・編集作業上で困ったこと、音訳上の技術問題などを意見交換したり、アドバイスをもらう事もあります。更に直近の行事・イベント等の案内や対応方法相談をします。今月もそうでしたが、3日目は普通午前中で終了です。

 

8月号音訳作業での評価できる点 ;今月のコーディネーターSさんは、今回とても段取りがよくメンバーの協力も貰えてとてもスムーズだったととても良い評価をしていた。駆け出しの私も、とてもスムーズでテキパキと作業が進行し、素晴らしかったと感じました。1日目に初めて広報を手にするのですが、その日最終には担当の再分配が行われますが、2日目には自宅で準備して来るよう指示もあったしメンバーも対応してすぐに必要な録音作業に入れたのも大きい。

今後も作業工程でいろいろな工夫を加えていきたいものだと思った。

定例の活動の他に、メンバー募集活動(リクルート)や障がい者への理解促進の啓蒙活動を兼ねて、当サークルのアピールをさせてもらうイベントの打合せなどをし終了。21日にボランティア出前講座を行います。