20160822
掛川市内に「出会い塾」という会があります。NPO法人シニア交流研究会とういう組織が運営する「シニアの地域デビューを支援する会」ということで、60歳前後のおじさん・おばさんたちが集まって地元についていろいろなことを教えてもらったり、ここで出逢った人たちでグループを立ち上げる手伝いをしてもらう場となっています。毎月1回のその会場にサークル声が出向き、講演をさせていただきました。
8月21日(日)に「たまりーな」という会場で今月の活動が行われた。そこに出前講演のような形でメンバー5名と毎月作成している「声の広報」を利用している視覚障がい者1名が盲導犬とともに参加させてもらった。
実は、サークル声のメンバーには2名、この出会い塾OB・OGが参加している。これまでも同様の講演をさせてもらっているが、そこで関心を持った人がボランティアに参加してくれている。2人にとっては古巣というか、出身母体でもある。
この日は、サークル声の前に社会福祉協議会という団体から2名が来て、市内の福祉事業の現場とボランティア事業について紹介をしていた。この日、塾生たちは福祉事業とその具体的事例としてサークル声の説明を聞くことになっていたようだ。
続いて私達の講演です。PCを準備する短い間に、柳原代表の挨拶と出会い塾OB・OGからサークル声に参加するに至った経緯などを紹介し加入を呼びかけた。
上の画像、左に着席しているのは、一緒に参加してくださった障がい者と盲導犬
次には、メンバーから視覚障がい者の現状について説明
得ている情報の82%は視覚を通じて獲得しており、一人では外出しにくい状況にある。
先天的視覚障がいは減っているが、病気事故による中途失明は急増。中途失明の場合、点字の習得などはなかなか難しく、本や書面からの情報を得るには音訳に頼らざるを得ない状況もある。
音訳は書いてある内容を間違いないように視覚障がい者に伝える技術。利用者の要望で読みたい本を音訳することもあるが、サークル声の主な活動は毎月市が発行する「広報かけがわ」を録音して、視覚障がい者の自宅に送付すること。この活動は市広報のボランティア募集記事から始まり、38年余り、毎月続いている。
街中で白杖を持った視覚障がい者と出会って何か動きがぎこちなかったら、勇気をもって「何かお困りですか?」「どうかしましたか?」と気軽に声をかけて欲しい。何かとても困っているのかもしれない。歩行の際もちょっと肩を貸してあげるととても助かるものなのです。
今日は視覚障がい者になった状態で歩行(目隠し歩行)していただく体験をしていただきたい。とタオル等で塾生に目を隠して歩いてもらった。次に我々メンバーが「何かお困りですか?」と声を掛け、障がい者の片手をメンバーの肩に置き比較しながら歩いてもらう体験や白杖で足元を確認しながら歩いてもらう実演を行った。
塾生たちも、視覚がなくなった時の初めての体験をしてもらい、「肩を貸してもらった時の安心感」「ただ肩を借りただけではなく、そこに手を添えてもらうとさらに安心感が増す」など障がい者がとても安心して歩行できる体験をしてもらい、障がい者への声掛けをお願いして講演を終了した。
最後に、盲導犬とともに参加した障がい者の方から、生の声を聴いてもらった。「視覚障がいを持つ人は、障がい者の中でも特に周囲の情報を得にくいので、なるべく外出しない生活になってしまう。どうしても一人で外出せざるを得ない場合、外で困ったときに皆さんから声を掛けてもらえるととても心強いので、ボランティアのつもりで勇気を出して声を掛けてやってほしい」
塾生のみなさんたちのボランティアを期待したいものだ。
YY