音訳ボランティア サークル声

音訳ボランティアについて活動内容の紹介や課題などについて紹介してまいります。

点字を教えてみて

2018-03-30 21:57:37 | 旧ブログ記事

5年生の孫が春休みだからと遊びに来ました。

待ち構えていた私は、早速、孫に点字の手ほどきを始めました。以前からパズル等がとても好きな子でしたから、興味を持つのは想定していました。小学生に判るように、点字五十音のしくみを解りやすく、母音(あいうえお)の表し方・特徴を説明。さらに、か行、さ行、た行、な行、は行、ま行、ら行の表し方・共通性を説明しました。

や行、わ、を、ん、っ は法則性が無いので覚えるしかない。ですよね。

すると、簡単な言葉は点字表記(6つの点を●と〇で表示)した音は、五十音で読めるようになります。さすがに小学生は頭が柔らかいというか、感心させられます。

彼女は6つの点が全て●だと「め」になる事、これは講習会の黒崎先生も教えてくれました。しかし左の縦3つ(①②③)が●だと「に」、でも右の縦3つ(④⑤⑥)が●の点字はない、という指摘をしてしてきました。面白い気付きです。

数符を教え、数字の1から0までは6つの点のうち、①②④⑤の4つを使い表す事を教え、1から順に0までは、「あいうるらえれりおろ」で表すことを説明すると、私も当初、心配した<数字と次につながる単位が「あいうるら・・・」で始まる場合>はどうするか、という疑問を持つ。「円」「列」という単位などでの数字と単位の区別には「つなぎ符」をつかうルールも説明。

彼女が疑問に思った事は答えましたが、「私は」を「わたしわ」とすることや、「豆腐」を「とーふ」とするルール、更に分かち書きについては説明していません。それを教えるのは本格的に点字を覚える際でいいと思っているからです。小学校の今の「国語」と混乱させてもいけないかなとも思っています。

とにかく、今の段階で彼女に伝えたかったことは、点字や視覚障害者の存在について理解して欲しい。点字は6つの点だけで五十音を表現しようと様々な工夫をしていることも知って欲しい。そして単語だけでも読めるようになったらすばらしいと思ったからです。

点字の手紙は無理でも、点字で言葉をやり取り出来たら面白さが分かってもらえるかもと思っています。

彼女からの思わぬ質問がありました。

目も耳も不自由な人はどうやって思いを伝えたり、他人の思いを理解したりするのか、というものでした。以前、歌を手話で表現しながら、歌を歌った事があるということでした。聴覚障害についてはその際に教えてもらった事があるそうです。

私は視聴覚両方の障害を持つ方のコミュニケーションは知らなかったので、調べてみると私の宿題になっています。ご存知の方はこのブログへのコメントでも結構です。どうぞお教えください。

孫とは目や耳の機能が、不自由なく使えることは大切で、有難いことだという話をする機会にもなりました。

 


自主防災新聞の音訳

2018-03-21 06:00:00 | 旧ブログ記事

20180318

静岡県危機管理部が発行する「自主防災新聞」。2018年3月号が発行され、「広報かけがわ」を毎月音訳している私達は、広報と一緒に配布されたこの「自主防災新聞」も併せて音訳することになった。

この自主防災新聞の今回の主な記事、”特集”は「東海地震に関する情報」に関するこれまでのしくみや対応手順などが無くなり、昨年11月よりは「南海トラフ地震に関する情報」が出されるようになったことを伝えるものでした。地震をめぐる国民・県民への情報提供の形が見直されるという内容です。

これは一般県民にとっても、もちろん視覚、その他多くの障害を持つ人たちにとっても大切な情報です。この情報を私たち音訳者は視覚障がい者にどう伝えるべきなのでしょうか。そんな事を考えました。

内容について詳しく見ても、伝えたいことは、うーん、イマイチよく理解しきれません。こういう場合に”情報”が発せられます、という説明の図ですが、この図をどう音訳するのか。

こちらのPDF(地震防災新聞)でその内容が確認頂けます。

右ページ「自主防災新聞No99」と青地に白抜きで題字がある下の地図です。”情報”が出される例として2つのパターンが地図を使って説明されています。「南海トラフ沿い」と称される海域は西日本全域をカバーする程の広い海域です。

例示されたパターン1は広い南海トラフ沿いの西半分(和歌山より西海域)でM8クラスの地震があった時に、静岡を含む東側海域で連動して地震が発生するかどうかと云うような場合。

 パターン2は 想定のM8~9の地震に比べ小さな規模の地震(M7など)が海域内で発生した場合、南海トラフ大規模地震の前兆か と思われる場合。

こういった場合に「南海トラフ地震に関する情報」が発表されるという事例が示されています。県は防災会議を開始し、住民の事前避難・学校企業の休校休業・公共交通機関の運行停止 等を検討する。

そのため、自治体・学校・企業等の事前防災対応が必要であり、住民は慌てず落ち着いて日常の備えを再確認しましょう。

というものです。ご覧のように「東海地震に関する情報」が発表された時、政府が主導して社会活動に制限を加えて、地震に備えるという「大規模地震対策特別措置法」の内容と比較すると、「国は地震予知に責任を持てないので自分の判断で地震に備えなさい」という内容になったと個人的には受け止めています。

地震対応への大きな方針転向を正しく利用者に伝えたいが、この防災新聞の内容だけでは伝えきれないのではないだろうか と悩むところです。

しかし音訳の務めは、当然のことながら主観や憶測をもって内容を説明するのではなく、書かれている内容をそのまま伝える事が期待されています。しかし防災新聞にある図では、これまでの地震情報の出され方と大きく違ってきた事をそのまま伝えたいところです。何とも悩ましい。


ボランティアをやってみて

2018-03-19 00:56:44 | 旧ブログ記事

20180318

とても昨今の価値観は多様化している。

人は均一ではないのだから、いろいろな考え方の人が居るし、人さまざまは当然のことだ。しかしここに私は、私達は、という共通性を求めたり要求していくと差別になったり、排除になったりと困った事も起きてくる。

私は多様性というか、違いを認め合うあり方が普通になったら有り難いと思う。多様性もいろいろあるが、グローバルの時代でもあるから出身の国や地域、地方もある。言葉や習慣、好みが違う人たちもいる。

また別の切り口になるが、障害のない人から見ると障害のある人もひとつの多様性だと云えると思う。障害も視覚障害だけでなく身体障害もあれば聴覚障害もある。障害も多様だ。

ボランティアも多様だ。人間は均一ではないのだから、参加しやすい日時は様々、参加動機も十人十色です。求めるモノも違えば、喜びや悲しみも別だと理解した方が間違いは少ないと思うのです。

何が云いたいのか?

自分の立場や意見、考え方、見方、等々。自分は少数派なのです。自分の常識は全体から見ると非常識と思っていた方が間違いは少ない。善意好意でしたことがその通りに理解されない、誤解されるというのはよくある話というか、日常茶飯事。

いろんなボランティアがあっていいじゃないか。認め合って、理解し合うことに労力を費やした方がいいボランティになると思います。意に沿わないから感情的になるとか、形に合わないから、責める・諦める・排除するというような事がないようにしたいですね。

”私は少数派”ですから。

サラリーマン時代は、こんな考え方はしたことが無かったと思います。30年以上習慣化してきましたから体質になってしまっていたでしょう。時々元に戻ることもあるかもしれません。

自分の考え方は極めて常識的で、間違っていない。今から思うと極めて傲慢だったと思います。でもボランティアや畑の作物や微生物のあり方を知って、そういうところに気付かせてもらったようです。

自分は”少数派”。正しいか間違っているかではなく”小数”だということです。多数が正しいとは限りません。

だからお互いの多様性を認め、相手を尊重し、理解しようとするのだと思います。