名駅あたりをぶらぶらしてみた。年末年始で家にこもりがちだったのだが、たまには外の空気を吸おうと思い、ひょいと名駅へ行ってみた。といっても、特別にお目当てがあるわけではない。とりあえず桜通口のANYTIMEでコーヒーを飲みながら、ぶらつくべき場所を考えてみた。名駅は夜行バスに乗るために毎週来るが、用事もなくぶらりと来ることはあまりない。30代半ばのおっさんが夜に独りでぶらぶらするところなど、水商売や風俗の店を除いて、あまりないものだ。あれこれ考えた結果思いついたのが……そうだ、久しぶりにナナちゃん人形を見に行こう。お正月コスチュームになってるかな?
名鉄の前をすぎて、横断歩道を渡る。……工事中? ナナちゃんがいるあたりには占い師のおばさん。それがナナちゃんの変わり果てた姿ではないことはすぐにわかった。そして「改装中」の貼り紙。どうやらビル工事のため、3月ぐらいまでナナちゃんはいないらしい。
唯一考えついたぶらぶら歩きはあっと言う間に終了。もと来た方へもどるのも芸がないので、信号を渡って、柳橋方面へ。このあたりはあまりよく知らない。またアテドもなくぶらぶらしてみた。
錦通りは結構賑やかだ。お正月で閉まっているところが多いけど、いろいろお店がある。知らなかった。細い路地も歩いてみた。そこで見つけたもの。
逃げも隠れもせず、でかでかと名前入りで「霊感師」。占いとか霊感とかそういう商売は、どちらかというとひっそりというイメージがあったので、ちょっと新鮮だった。繁盛しているのかな。
まっすぐ行けば納屋橋方面へゆくはず。納屋橋といえば、私が中学生ぐらいのころ、ユーテクプラザという商業ビルがあった。オープンのときには靴磨き名人のCMが流れて、おもしろかった。何度か行ったことがあるが、感じとしてはパルコっぽい雑居の商業施設で、電気・コンピュータ関係のお店が多かったように思う。しばらく賑わっていたようだが、その後すっかり寂れてしまったらしい。そんなことを思い出しながら、進んでゆく。納屋橋は伏見と名駅の間で不便なところだと思っていたが、思ったほど遠くなかった。
堀川の水運が名古屋の物流を担っていたころ、このあたりは一大繁華街だったらしい。その後も長く賑わっていたらしいが、今はひっそりとしている。名古屋の人手もナヤバシといって思いつくのは、せいぜい納屋橋まんじゅうだ。(納屋橋まんじゅうは江戸時代から名古屋名物として名高かったそうだが。)すると、橋の西端に貼り紙。「こんな季節に桜が咲いています」。
四季桜というらしい。これは珍しいものを見せてもらった。
もとの道を引き返すのも芸がないが、かといって伏見へ出ても帰り道の乗り換えが面倒くさいので、名駅へ戻った。ほどよい距離でぶらぶらしていて楽しかった。昼間だったら、名駅~納屋橋界隈~伏見なんていうのも面白そうだ。