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メルサがあるがね

名古屋郊外・春日井で暮らす日々

ナビスコ杯予選グランパス-甲府戦

2007年03月25日 | サッカーの話
懸念だった「選手層の薄さ」をまざまざと見せつけられた。ヨンセン・ジョンウー・本田のぬけた穴は大きい。グランパスの布陣はいつもと同じ3-5-2で、ヨンセンの位置に巻、ジョンウーの位置に須藤、本田の位置に片山が入った。

  マキ  杉本

  須藤  山口
片山      中村
    藤田

 増川 大森 竹内

    楢崎

リーグ戦で見せてくれた「人もボールも動くサッカー」が影をひそめ、人もボールも動かなくなっていた。中盤のつぶし合いで先手を取られ、攻めにも守りにも人数が足りない。セカンドボールを拾われる。ボールを奪っても、パスを出せないまま奪い返されてしまう。そんなことの繰り返しだった。サイドからの崩しも有効ではなかった。

心配されていたことだが、控え組のレベルが問題だ。巻はフィジカル面も技術面もまだJ1仕様ではない。DFを背負ってのプレーで持ち味を発揮できなかった。片山もしかり。キープできないし、パスミスが多い。プレッシャーをかけられると何もできなくなる。渡邊よりだいぶ見劣りする。須藤は判断が遅い。有効な運動量は山口慶の半分ぐらいではないだろうか。

後半はいきなり巻に代えて玉田、片山にかえて阿部ショーを入れ、布陣を4バックにした。

   玉田  杉本

 須藤      中村
   藤田  山口

阿部 増川  大森 竹内

     楢崎

後半の方がよかったように思う。サイドからの押し上げが効いていた。阿部のたしかなテクニックは可能性を感じさせてくれる。懸念の守備も、安心してみていられるレベルではないが、目を覆いたくなるほどでもなかった。今の感じで伸びれば、ストッパー兼サイドバックで、大森のような選手になれるのではなかろうか。竹内は無難にこなしていた。後半はサイドバックということもあり、何度かいい攻撃参加を見せた。だいぶ余裕ができたように思う。前線へのフィードを何とかしたい。前に見た新潟戦では直志へいいスルーパスを出していたが、今日は有効なパスが少なかった。

内容からすれば、もっと点を取られてもおかしくなかった。実際に2本ほど棒に救われた。こういうときもあるだろう。リーグ戦ではないので、それほどカリカリしない。むしろ、リーグ戦再開へ向けての課題が見つかったと考える方が前向きだろう。

懸念の控え組の育成だが、巻はフィジカルもテクニックも修業が必要。ウチにはヨンセンという最高のお手本がいるから、そのもとで技を盗むのがいいだろう。レンタルへ出すより、グランパスの控え組で育成する方がよかろう。同じことは阿部ショーにも言える。当面の目標は大森だ。ストッパーも左サイドバックもできる技巧派のDFになってほしい。竹内もしかり。米山が復帰すればまた控えに戻る可能性もある。それでも米山や大森はいいお手本になるだろうから、これまでと同じようにがんばってほしい。須藤についてはJ2へレンタルするのがよいかと思う。彼は基礎技術がしっかりしているけど、実戦での判断力に問題がある。グランパスのベンチを温めるより、とにかく実戦経験を積む必要がある。J2の長く厳しい戦いで揉まれることで、彼の才能が開花するのではないかと期待する。彼のようなMFを必要とするチームもあるだろうし。片山は正直言ってキツい。伸びしろが感じられない。プレー内容が去年とあまり変わっていない。

ナビスコ杯について

2007年03月22日 | サッカーの話
ナビスコ杯予選、グランパスはアウェイでヴァンフォーレ甲府と戦い、1-2で敗れた。セフさんは「ベストメンバー規定」ぎりぎりで若手を起用。レギュラー組のケガ人続出&中2日の強行スケジュール&ヨンセンとジョンウーの代表選出で、ベスト布陣を組むこと自体が無理である。まだまだシーズンは長い。ベストメンバー規定を徹底するなら、無理のないスケジュールを組め。無理なスケジュールを組むなら、ベストメンバー規定は廃止するか、少なくとも緩和しろ。Jリーグ当局は(金もうけに熱心すぎるせいか?)現場の事情を無視しすぎている。

当局のグランパスいじめはいつものことだが。

それにしても、いわゆる「若手厨」でなくてもワクワクする布陣。

  玉田  マキ

  須藤  山口
片山      津田
    吉村

 阿部 吉田 竹内

    楢崎

巻キター! 阿部ショー(ストッパーで)キター! 吉田キター!

対する甲府はリーグ戦3戦連続完封負け。ベストメンバーで勝利を狙ってくる。リーグでの順位は首位と最下位だが、この試合に関してはチャレンジャーの立場でとても素晴らしい相手だ。もし勝てば大金星、引き分けでも上々である。こういう考えは対戦相手と観客に失礼という考え方もあろう。しかし、主力外国人選手が2人離脱し、他の主力選手(スピラール、米山、渡邊)が試合中に相次いでケガし、さらに直近のリーグ戦から中2日でアウェイ遠征するという条件を考えれば、いたしかたない。

文句は当局に言え。

グランパスは玉田の技ありシュートで先制するものの、その後続いて失点し、そのまま負けた。トップリーグの試合経験がない、あるいは少ない選手が多いなかで、これは一定の評価をしてよかろう。もちろん、負けたことは悔しい。しかし、悲観するべき要素より、前向きに考えるべき要素が多いと思う。

日程の都合もあっただろうが、セフさんは若手たちをいきなりアウェイで起用した。それもベンチには5人のみ。経験ある控えはGK櫛野だけだ。あえて2人分空席にした。そのメッセージは明確。「お前たちで何とかしろ」だ。「うまくいかないからといってベテランを投入してごまかさないよ」と。過密日程&まだ取り返しのつくカップ予選&バスで移動するアウェイという条件を考えての方策であろう。

セフさんはリーグ戦、カップ戦(2つあるわね)のバランスをとって、全てでいい成績を収めることに責任があると言っている。残念ながらグランパスは即戦力の選手層が薄い。「ベストメンバー規定」ギリギリのところで若手を育てながら、カップ戦とリーグ戦を戦わなくてはいけない。

ここで思うのだが、ナビスコ杯はJリーグ内の若手の大会とするという考えはどうだろう?カップ戦としては天皇杯と性質がかぶる。あちらは万世一系(らしい)菊の御紋、こちらは三角印のスナック菓子だ。権力に媚びるのは大嫌いだが、どちらかというと天皇杯の方がエラそうな感じがするというのが一般的な感想だと思う。そうでなくても、天皇杯はナビスコ杯よりずっと長い歴史をもっている。お菓子会社としても、皇室の紋章やその伝統と競合するよりは、差別化する方がいいと思う。たとえばJリーグ所属の24歳以下なんてどうだろう?高卒やユース上がりなら充分にキャリアを積んでいるし、大卒でも2年ほど間がある。もちろんJ2のクラブも一緒に。そういう幅広く、かつフレッシュな選手の大会であれば、今以上に意味をもてると思うんだけどな。出身について言っても、クラブユースでも、高卒でも、大卒でも、そして所属するクラブのディヴィジョンについて言っても、J1だけでなくJ2のクラブでも、とても広い範囲で若い選手の活躍が見られるし、ある種の登竜門なると思うんだ。

ナビスコ社としても、有名選手が「私はナビスコ杯がきっかけでレギュラー級になれました」みたいなストーリーって、すごくいいCMになる思うんだ。ナビスコの三角印が、Jリーガーを目指す子供たちの憧れになるでしょ?

イタリアでいう Coppa Italia、スペインでいう Copa del Rey、イングランドでいう FA Cup みたいな歴史と伝統のあるカップ戦は、天皇杯がふさわいいと思う。(天皇杯の日程とか進め方はおおいに考慮の余地がありますよ!)そしてナビスコ杯はそれとは違う性質の、違う注目点のあるものしませんか?現状のままでは若手育成のための肝試しとか、単なるリーグ戦の邪魔とか、そういう位置づけになってしまう。それは三角印のお菓子会社としても不本意でしょ!? 

というわけで、ナビスコ杯のあり方を考え直していただきたいと思います。リーグ戦とのかかわり、天皇杯とのかかわり、そして日本のサッカー界の発展という様々な視点から。

今週も壁紙

2007年03月19日 | サッカーの話
今週もグランパスは単独首位をキープ。ほんの一時的なことに終わるかも知れないけど、祭りはやれるうちにやっておかなくては。踊るアホウに見るアホウ、同じアホなら踊らにゃ損損である。というわけで、今週もJsGoalの順位表と中日スポーツのグランパス君とヨンセンの写真を入れた壁紙を作ってみた。今週はどぎつい色にしてみた。昔のユニフォームみたい。


グランパス、開幕3連勝!

2007年03月19日 | サッカーの話
諸般の事情で前半20分ぐらいに瑞穂へ到着。ゴール裏(カテ5)は人がぎっしり。いい試合をすれば、ファンは集う。(コアなサポ以外の入場が少なかったのが残念だが。)

さて、前半はボールを持たれることが多かったが、見ていて不安は感じなかった。お互いにカバーしながら守っていたので、ペナルティエリア内まで攻め込まれることは少なかった。常に人数が足りている。中盤と最終ラインがしっかりカバーリングできているのが、今のグランパスの特長だ。だから普通のパス回しで崩されることは少ない。深井のスピード突破にはやや手こずったものの、全体としてはほぼ完全に新潟の攻撃を抑えていた。竹内はとても落ち着いていた。カバーリングがうまいDFだ。

先制点は増川のサイドチェンジから。大きく右へふり、直志(だったと思う)が杉本を走らせ、杉本がクロス、ヨンセンがヘッドでどかん。遠い側のゴールだったので細かいことはわからなかったが、新潟DFをふりきってきれいに決めた。これでヨンセンは今シーズン初ゴール&杉本3試合連続アシスト。杉本はまだゴールこそないものの、今や攻撃の要になっている。

【追記】後で見直したら、増川のロングフィードをヨンセンが頭で杉本へ流し、杉本のクロス→再びヨンセンの頭、という流れだった。訂正。改めてヨンセンのヘッドの技術に感動。増川の正確なフィードもいい。

後半も安定した試合運び。本田がやや下がり気味で、やや4バックっぽい布陣。新潟の拙攻もあいまって、ほとんど危険な場面がない。中盤でしっかり守り、高い位置でボールをからめとると、速いパス回しで崩す。ときには後ろでじっくり回しながら、虎視眈々とパスコースを探し、ほころびを見つけるや、一気にスピードアップし、一気呵成に攻める。攻撃パターンも単調ではない。ヨンセンに当てるのもあり、ヨンセンがサイドに流れて中央をキムや慶が攻め込むのもあり、大きなサイドチェンジあり、杉本の突破あり……一言で言えば見ていて飽きない。たしかに今年のグランパスはいいサッカーをしている。

追加点はキムの突破から。一度は相手DFに止められたものの、再度ボールをかきだし、ゴールへ押し込んだ。華麗なゴールもいいが、こういう泥臭くねじこむゴールは魂が感じられていい。何としてでもゴールを奪うんだという強い気持ちが伝わってくる。

また聞きなのだが、試合前日のインタビューで「3試合連続ゴールをしたことがありますか?」という質問に対して、ジョンウーは「明日が初めてです」と答えたそうだ。おおカッコいい。そして本当にゴールを決めてしまった。すごいぞ、キムジョンウー!

試合終わりごろ、新潟は河原と松下を投入。河原は前節のレッズ戦で値千金のゴールを決めている。ここから新潟の反撃が始まった。スピードに乗ったドリブルで何度かゴールを脅かされたものの、何とか無失点で抑えることができた。多分に楢崎の高セーブと運に助けられた面も大きい。今のグランパスは組織的な守備が安定しているものの、高速ドリブラーが個人技で突破をしかけると、やや対応しきれない部分があるかもしれない。もっとも、高速ドリブラーはどんなDFでも手こずるものだが。

敵方アルビレックスについての感想を1つ2つ。エース・エジミウソンが出場停止だったこともあり、攻撃のアイデアがとても貧困だった。パスはつながらず、ドリブル突破もきかず、苦し紛れに放り込んでもダメ、という流れだった。グランパスの両サイド、直志と本田が新潟のサイド攻撃にきっちり蓋をした。これでは全然怖くない。新潟の攻撃がまともに機能したのは最後の5分ほどだけ。そして守備では、悪質な抱きつきが多かった。今年のJリーグでは細かいファールをあまり取らないという方針だそうで、審判が見逃していたのかもしれないが、ペナルティエリア内で直志やヨンセンはものすごく引っ張られていた。坂本が特にひどかった。後半、杉本のおしいオーバーヘッドシュートの際に、ゴール前に詰めた慶に対し、新潟の選手が悪質なヒジ打ちをかました。これが慶のアゴに入り、慶はしばらく立てなかった。前節のG大阪-鹿島戦で、鹿島のDFファボンはこのプレーで一発レッドになっている。主審松尾は何もなかったかのように流したけれど。(どうしてグランパスは毎度毎度審判に苦しめられるのだろう?老害キャプテン氏の肝煎りではないかと勘ぐりたくなる。あの人はグランパスが嫌いだそうだから。)

マッチデープログラムにあったように、今のグランパスは特別な個人技ではなく、組織プレーを充実させることで戦力を高めている。こういうチーム作りはもう何年もなかった。特に攻撃面ではウエズレイやマルケスらの個人技に頼り、まわりはそれをサポートするという形が続いた。たとえば、左サイドの中谷は自分からは決して仕掛けず、いつもマルケスのサポートに回っていた。マルケスがグランパスを退団するとき、ブラジルへ連れて帰りたい選手に中谷を指名したのは記憶に新しい。しかし今は違う。ヨンセンの決定力は大きな武器だが、まわりがヨンセンを使う動きと、ヨンセンがまわりを使う動きが両方ある。そして最終ライン・中盤からの分厚い攻撃で、相手を追いつめてゆく。こういう戦い方を楽しめるのは、サポとしてうれしい限りだ。

“オレの増川”は、開幕戦と同様に積極的に攻撃参加した。するどいサイドチェンジ、豪快なオーバーラップ、そして華麗なドリブル。増川ってこんなにうまいの?と驚くほどだ。去年までは最終ラインの攻撃参加がほとんどなかったので、特に新鮮に感じられる。しかし、増川がオーバーラップすると、客席から笑いが起こるのはなぜだろう?

そこ、笑うところじゃありませんから(笑)。

さてグランパス-新潟戦だ

2007年03月18日 | サッカーの話
ひさしぶりにわが家の「まるまるグランパス君」で願かけをしてみた。今回のターゲットは亀田製菓のカレーせんべいだ。





あえて告白するが、亀田製菓の製品は好きだ。このカレーせいべい、実にうまい。「わかってらっしゃる」という味。さすがは米どころだ。それぐらいおいしい。何がすごいと言って、ビールのおつまみにOKなところだ。お米関係は酒類との相性が悪い。飲むか食うかという二者択一を選ばされる場合が多い。しかし、このカレーせんべいは、そのまま酒のおつまみに本当にいい。

とりあえず、これほどの魅力をもったカレーせんべいを我らがグランパス君が踏みつけてくれた。きっと勝てるに違いない。とりあえず怪我人がでませんように。


グランパス、なんと単独首位

2007年03月11日 | サッカーの話
Jリーグ第2節を終えて、我らがグランパスがなんと単独首位!今までほとんどなかったんじゃないかな?少なくともここ数年はないはず。まだリーグ戦が始まったばかりではあるけれど、浮かれられるときに浮かれておこうというわけで、J's goal の順位表と中日スポーツのグランパス君を入れた壁紙を作ってみた。よければどうぞ。

Macintosh用



Windows用


グランパス、開幕連勝

2007年03月10日 | サッカーの話
甲府・小瀬で行われた名古屋-甲府戦は、2-0で名古屋が勝った。われらがグランパスが開幕戦連勝!私は自宅で2ちゃんねる実況板とFM甲府のネット放送で試合の行方を追った。このラジオ中継(「バンフォーレ甲府入れ込み実況中継」)が最高におかしかった。



2ちゃんねる方面で「分度器」と呼ばれる小松アナの情感たっぷりのしゃべりが最高。気持ちが前面に出る中継で、必要以上に臨場感があるけど、試合の流れはあまりよくわからない(笑)。その上、グランパスもバンフォーレも10番が藤田。「このボールを10番藤田が……」(え、どっちの藤田?)もう訳がわからない(笑)。その他、本田のキックを何度も「悪魔の左足」と呼ぶし、中村直志が攻撃に出ると「ン中村ぁ~、ン中村ぁ!」と絶叫するし、甲府のピンチが続くと「いやになっちゃいます」とあまりに素直な感想をもらすし……あまりにこの中継がおもしろくて、2ちゃんねるの実況板は試合そのものより小松アナの実況の中継になっていた。試合はみられなかったけど、とても楽しめた。

ただ、この中継を聞きながら自動車を運転するのは危険だと思う。ドライバーの人たちは車を止めて聞いてほしい。

さて、試合の方はジョンウーの2試合連続ゴールと交代早々の玉田のゴールで快勝。千葉戦に続いて後半途中からは完全に試合の主導権を握って、一方的な展開だったようだ。セフさんの「60分から勝負をかける」という作戦が見事にあたったようだ。まだ2試合しか終わっていないが、今年のグランパスは違う。

ただし米山が途中で負傷退場したのが心配だ。ファールを受けてケガをしたようだが。そのプレーからしばらくたってからの交代だったので、「大事を取って」のことだと思う。それほど心配はしていないが、とにかく軽傷であることを祈るばかり。交代で入った竹内はこれがリーグ戦デビュー。グランパスがペースを握っていたこともあり、完封勝利に貢献できたようだ。なお、最終列は左・増川、中・大森、右・竹内だったらしい。

マレク重傷

2007年03月06日 | サッカーの話
グランパスのマレク・スピラール選手のケガは前十時靱帯の部分断裂という非常に重いものであることがわかった。倒れ方がおかしかったから、イヤな予感はしていたんだけど…… 手術が必要で復帰のメドは立たないという。とりあえず今シーズンはほぼ絶望とか。昨シーズンの後半から守備の要としてチームにフィットしていただけに、この離脱はあまりに痛すぎる。

先ほどマレクにファンレターを送った。マレクは英語がわかるので助かる。もしこれを見ている人で、英語が苦手だからファンレターを書けないという人がいたら、私が喜んで翻訳するので一報してほしい。連絡先はciprianoあっとmailてんgooてんneてんjpだ。

あの交錯プレーの前にきちんと主審西村がファールをとっておけばこんならなかったはず。あらためて西村に対する怒りがこみあげてくる。試合の勝ち負けに関するおかしな判定も腹立たしいが、選手生命にかかわる重大事故が起こるような場面での判断ミスはなおさら許しがたい。香港でもシンガポールでも送ってしまえ。

当面は米山に頼るしかないが、米山も古傷をかかえているというし、場合によっては累積で出られない場合もあるだろう。そうなると3バックの真ん中をやる選手がいない。今のところは須藤が最有力だが、必ずしも本職ではない。竹内は本職に近いが、いかんせん経験が乏しい。昨日行われたFC岐阜との練習試合ではいいプレーをしていたそうだが。とりあえずフロントは米山のバックアップ(ないし競争相手)となるべき経験ある即戦力を獲得しなくてはいけない。このごろウチのフロントはいい仕事をしているので、何とかしてくれるのではないかと思っている。

名古屋-千葉戦観戦記

2007年03月05日 | サッカーの話
やってきました、開幕戦。我らがグランパスはプレシーズンの状態よかっただけに、いやがおうでもワクワクを抑えられない。対戦相手はジェフ千葉。2年前にも開幕戦で対戦し、あと一歩のところで引き分けに終わった相手だ。(あのときはタッキーこと滝澤邦彦のボヨヨンクロスで決められたんだよな……)ただ、昨シーズンは2戦2勝。アウェイ戦はヨンセンがJデビュー戦で2ゴールを決めた試合だ。

小春日和をこえて、まるで初夏のような陽気。うすいシャツを重ね着して、温度調節できるようにしていった。



新瑞橋から山崎川そいをゆく道はお気に入り。角の酒屋でお茶を買い、スタジアムに向けてとぼとぼ歩くのが好きだ。橋の一番手前の木だけが梅で、後は桜。梅はちらちら散りはじめていた。



ゴール裏(カテ5)は満員札止めの大盛況。今シーズンにかけるファンの期待がうかがえる。なお入場者数は1万8千人を超えた。瑞穂で1万8千人はほぼ満席だ。



久し振りのグラン巻。甘いものはあまり口にしないが、グラン巻だけは別。今や「久し振りのスタジアム観戦」=「久し振りのグラン巻」というイメージだ。これはモノもおいしいし、手が汚れなくてこういうところで食べるのに向いているし、グランパス君の刻印もかわいいし、なかなか名品だと思う。ぜひともアウェイの人たちにも食べていただきたい。



試合前にグララちゃんが愛想をふりまいていた。よほど気分がよかったのか、ときどきカメラマンにいたずらしていた。



ジェフ側のゴール裏になぜだか櫛野のダンマクが。今や敵方になってしまったが、それでも彼の地ではずいぶん愛されているらしい。櫛野の人柄のよさを思わせる。



開幕戦恒例のセレモニー。今年はやや地味だった。風船を飛ばすのは近隣に迷惑なのでやめる方がいいと思う。

さて試合だ。風はメインスタンドからみて右から左へ、かなり強い。ジェフ風上でキックオフ。グランパスの布陣は“いつも通り”の3-5-2。

  ヨン  杉本

  キム  山口
本田      中村
    藤田

 増川 スピ 大森

    楢崎

開始早々からはべしいボールの奪い合いになる。中盤でうまくボールをつないだジェフがグランパスゴールに何度か襲いかかる。初めはジェフが優勢だった。この日のジェフは乱暴なファールが多かった。そんな中、15分ぐらいに自陣でボールを奪いに行ったスピラールをジェフの選手が2人がかりで引きずり回して、最後に脚をはさんだ状態で引き倒した。これでスピラールが負傷退場。引きずり回した段階で主審西村が止めていればこの事故はなかったはず。あいかわらずの無能ぶりを地上波全国放送で露呈した。(なお、西村はこのあともジェフの悪質なファールに何度も目をつぶった。)スピラールが軽傷であることを心から祈っている。

ここで新加入の米山が登場。まわりに指示を飛ばしながら、無難にDFラインを統率している。噂通り、キックの精度が高く、前線へいいボールを入れる。本当にいい選手を獲れたものだ。そしてもし米山を獲れていなければどうなっていたのか、考えただけでヒヤヒヤする。前半は何度か危ない場面があったが、楢崎の神セーブを連発したり、棒に助けられたりして、何とか失点は免れた。この日の楢崎はまさに「神」。もっとも、一番危なかった場面は楢崎のミスキックを高い位置で奪われたところから生まれたものだったが。一方グランパス側はFWがあまり出過ぎないようにし、中盤でスペースを消して激しいプレッシャーをかける戦術。これがよく決まり、しだいにジェフが手詰まりになってゆく。そして0-0で前半終了。

後半はグランパスが風上。前半と同じく、中盤での局地的な奪い合いが続く。キム・山口・藤田のプレッシャーが非常に厳しく、グランパスが優勢になってゆく。この3人のうちキムはなるべく高い位置をキープし、山口が自由に走り回り、藤田はなるべく下がり気味で後ろから指示を出すという縦の関係が基本だったようだ。この3人の圧倒的な運動量は「どちらがジェフ?」というぐらいだった。右サイドは中村も大森も引き気味だったが、左サイドは本田が常に高いポジションを保ち、さらに後ろから増川が(まるで4バックのように)何度もオーバーラップを仕掛けて、積極的に攻め込んだ。この試合では本田VS水野のU-22サイド対決が話題になったが、これについていえば本田の圧勝だった。水野にはほとんど仕事らしい仕事をさせなかったと思う。(ただし水野のCK・FKは正確無比で素晴らしかった。本当に怖かった。)予想通りヨンセンには徹底的にマークがついた。ただ、後ろから抱きついて引き倒すプレーが何度かあり、また主審西村はそれをファールと認めなかった。エリア内のゴール前で露骨にやったときすら、西村は見なかったことにした。おそらくばっちりテレビに映ったことだろう。ジェフのDF陣が懸命にスペースを消したので、杉本がスピードを活かす場面も多くなかった。守備面では両軍互角、中盤の圧力の強さでグランパス有利、という感じだった。

後半が進むにつれグランパスがますます優勢になってきた。何度もジェフゴールをおびやかすが、それでもゴールを奪えない。先制点は右サイドでボールを奪った杉本がもちこみ、奪われそうになるまでじっと我慢し、そこへ駆け込んだキムにさっとパス、それをキムがうまくコントロールして押し込んだ。あのパスも苦し紛れだったし、全力疾走しながらのプレーだったので、決して簡単なシュートではなかったはず。あらためてキムの技術の高さを見せつける一撃だった。

その後もコンパクトな布陣でプレッシャーをかけ続けたグランパスが試合を優勢に進めた。ときおり藤田が忍者のようにスルスルっと前線へ上がる動きがあり、「おぉ、往年の輝きを放っている!」と唸ってしまった。本当にすごいよ、藤田。だてに年俸が高いわけではない。ジェフはボールをとっても前へ進めない状態が続いた。前線でキープしさばくことのできたマリオ・ハースがいなくなったのは相当ダメージだ。攻撃の起点ができないので、巻・黒部の2トップが孤立する場面が多かった。それだけグランパスは守りやすかった。

そして試合終了間際、ストヤノフの不用意なバックパスに本田が詰め、GK岡本のミスを誘い、無理矢理ゴールへ押し込んだ。この場面、バックパスで手を使えない岡本が、本田の詰めにあせってバタバタする様子がとても痛々しかった。ジェフサポからは遠い位置でのことだったが、瑞穂自慢の万博ディスプレイが鮮明な映像を何度も映し出したので、ジェフサポもずいぶん心が折れたことだろう。個人的には昨シーズンの日本平でおきた「アリソン逆走事件」を思い出してしまった。



考えてみれば、グランパスがジェフの元正GKである櫛野にオファーを出し獲得。今ではケガも治り、彼はいつでも試合に出られる状態でいる。一方ジェフは若い岡本を起用した。その岡本があせってミスをした。そしてグランパスはダメ押しゴールを得た。考えようによっては、この1点のうち0.5点ぐらいはフロントが獲ったのかもしれない(笑)。



久しぶりのリーグ戦、そしていい内容での勝利。瑞穂のゴール裏は歓喜に包まれた。みんな声を嗄らしてアンセム・オヴ・ナゴヤを合唱した。いやはや、うれしかった。本当にうれしかった。

繰り返しになるが、中盤の3人の運動量は半端じゃない。特に印象に残っているのは、藤田と一緒にプレーする中で山口慶がどんどん伸びていること。ピッチ内を縦横に走りまわり、言い方がよくないかもしれないけど、「そこらじゅう荒らし回っている」という感じ。相手方にしたらイヤな選手だと思う。これからますますグランパスの中枢を担う選手になるだろう。

また“オレの増川”も大奮闘。左サイドを積極的に攻め上がるので、攻撃に厚みが出た。本田があがった、その外を増川が追い越していゆくというワクワクの場面が何度もあった。昨シーズンまでは最終ラインがおとなしくしている場面が多かったので、これは斬新な感じがする。一方右の大森もときどき攻め上がり、いちどだけペナルティエリアあたりまでボールをもった。前が開いていたのでシュートすればいいのに、躊躇しているうちにタイミングを失してしまった。大森の初ゴールへの道はずいぶん険しいようだ(笑)。

瑞穂で観戦した後は今池へゆき、中将湯で汗を流し、そのあたりで一杯やるのが決まりだ。しかし、残念ながら老朽化のため中将湯はこのシーズンオフに廃業。戦前からつづく歴史ある風呂屋さんがなくなってしまった。他にあまりいい考えがなかったので、同じ今池のスオミの湯で汗を流した。スオミではややぬるめの炭酸湯がお気に入りだ。お湯につかりながら試合を振り返る。至福の時間だ。

日曜日は今池かいわいでも閉まっている店が多い。百老亭は満席だ。というわけで、今回は新規開拓。「屋台村」が安くていいという話を聞いていたので行ってみたが、むしろその隣の台湾料理屋(うっかり名前を失念)さんに心を惹かれた。腸詰めと胡瓜の漬け物で乾杯。いろいろいただいたが、中でも珍味だったのがこれ。



豆腐を細切りにした料理。独得の触感でおいしかった。どうやって作るのかわからないが、これはおもしろい。少しずつゆっくり楽しめるし、なかなかの一品である。なお、ピリ辛風味の煮込みもあるらしい。

U-22日本-香港戦

2007年03月01日 | サッカーの話
反町監督はアメリカ戦とほぼ同じ3-4-3の布陣で試合に臨んだ。おおいに疑問の残る采配だ。中盤のバランスを犠牲にし、両サイドの負担を増やしてまでFWを増やす必要があるのか?初めから前線に人数をかけるよりも、スペースを残しておいて、2列目・3列目からの突破を増やす方が効果的ではないか?そんな疑問をもちながら観戦。アメリカに比べて香港の攻撃力が乏しいので、大きなピンチは招かなかったが、中央にスペースができて梶山は上がりにくそうだし、本田も窮屈そうだった。水野はスピードを活かして何度もサイドを突破したが、それはカレンがそのスペースを潰さないように気を付けていたからである。(この点で、カレンは全体の動きを読むことに長けたFWらしからぬFWだと思う。)

日本が試合を支配できるようになったのは後半の途中から。遠い位置からのミドルシュートや家長の切り込みなどで、それまで貝のようにゴール前に閉じこもっていた香港DFを撹乱して、ようやく動きが生まれた。それ以外は、まさに監督が言ったとおり、個人技でむりやりプレーしていた。私の感想としては、バランスの悪い布陣ゆえに「個人技でどうにかする他にない戦術」だし、またゴール前に引きこもる相手を崩すには、個人技に頼るしかない場面もあると思う。

チームとしては、J1でレギュラーをはる堅固な3バック(水本・青山直・伊野波)に、タレントそろいの中盤を厚くして、性質の違うFWを2枚置く布陣がよいと思う。平山の相方はカレンでも李でもいいが、バランスを重視するならカレン、攻撃力を重視するなら李であろう。現状ではカレンの方が一歩リードしていると思う。

  平山  カレ

家長  本田  水本
  梶山  青山

 水本 イノ 青山

    GK

中盤を梶山にするか谷口にするかは難しい。谷口には独得の得点感覚がある。いやしくもJリーグのベスト11だ。一方で梶山には天才のひらめきがある。家長をスーパーサブとして後半からかき回す役にするなら、本田を左サイド、谷口をトップ下に入れる布陣もアリだ。

  平山  カレ

本田  谷口  水野
  梶山  青山

 水本 イノ 青山

    GK

おお、すごいタレント集団という感じ。これで後半から家長が出てくるなんて、想像しただけでもわくわくするではないか。

角田誠が京都へ完全移籍

2007年03月01日 | サッカーの話
京都からグランパスへレンタル復帰していた角田が、今度は完全移籍で京都へ移ることになった。サンガのユース出身で、京都でデビュー。2003年に京都が天皇杯を制したときメンバーだったらしい。私はその決勝戦を京都側のゴール裏で見ていた。

2003年末に京都がJ2へ降格した際にグランパスへ移籍。ネルシーニョ監督のもと3バックの右ストッパーや右サイド、あるいは4バックの右サイドバックなどで活躍した。そのころ右サイドでレギュラーだった海本幸治郎からポジションを奪った。(そして海本は新潟へ移籍した。)セフ体制になってからは出番が減った。一説には練習態度が悪く、監督の信頼を得られなかったとか。昨シーズン途中に古巣京都へレンタル移籍。いったんはレンタル終了で名古屋へ戻ったが、結局はまた京都へ戻ることになった。名古屋としては古賀が退団した穴を埋めるために角田を戻したのだろうが、その後に獲得した米山が予想以上にフィットしたので、やはり放出することにしたのだろう。

ガッツあふれるプレーが特徴で、本業の守備では強引さが裏目に出てファールを犯すことが多かったが、反対に攻撃においては迷いのない攻め上がりが武器だった。どちらかというと、攻撃面での活躍が印象に残っている。

かつてアテネ五輪の候補にも呼ばれたぐらいで、その才能は早くから注目されていた。京都からレンタル復帰したとき、私は角田に大きく期待した。課題だった精神面のムラッ気も、京都でレギュラーを務める中で改善されたはずだと思ったからだ。昨シーズンの京都はずっと残留争いを続けており、選手が身勝手なわがままを言っていられる状態ではなかったはず。そんな中で厳しい試合を戦えば、精神面でもぐっと“大人”になったはず、と

プレシーズンの練習試合では主に若手組に入っていた。セフさんの構想ではセンターバックは「マレク>増川・大森>米山>阿部ショー>角田>竹内」ぐらいの位置づけだったらしい。精神面と規律を重んじるセフさんとしては、角田は使いにくい選手だったのかもしれない。ある意味で、角田の位置づけの変化が、チームの変遷を物語るようだ。つまり、ネルシーニョ体制の攻撃的でやや奔放だったチームから、フェルフォーセン体制の組織だったチームへとの変遷を。

U-22日本-アメリカ戦

2007年02月21日 | サッカーの話
おそらく今日のコンセプトは3トップ。平山あるいはデカモリシを中心に置いた3トップが機能するかどうかを確かめたかったのだと思う。アメリカのような強い相手で新戦術を試すことができるのはいいことだ。3トップ+両サイド(本田・水野)がうまく連係できれば、かなり分厚い攻撃が期待できる。

結果からみると、うまくゆかなかった。両サイドが守備に追われて押し込まれ、前線の3人が孤立した。中盤がぽっかり空いてしまって、攻撃においてはパスがつながらないし、守りでは中央から押し込まれる場面が目立った。サイドから崩すよりも、サイドを押し込まれる場面が多く、クロスをあげるチャンスが少なかった。結果として平山の高さを生かした攻撃ができなかった。梶山・本田・水野あたりが機能しないのでは、日本に分がない。前線に3人置くより、中盤を厚くしてボール支配率を上げる方がよいのではないかと思う。3バックでゆくなら本田をトップ下、左に家長、右に水野、後列に梶山&谷口なんてどうだろうか。

平山は心配していたほどひどくなかった。本田のFKからのヘッドは豪快そのもの。運悪く棒に当たったが、あれは悪くなかった。そろそろ平山は飽きた(!)ので、デカモリシを見てみたい。

攻撃面がグダグダなのは前半だけでわかったのだから、3トップにこだわるとうすれば、後半は4-3-3を試してほしかった。たとえばこんな感じ。中盤はきつそうだけど、バランスがよくなりそう。

リー  平山 カレ

  本田  水野

    梶山
誰か       イノ
  青山  水本

守備面では、ボランチが押し込まれて厳しい状況が多かったが、堅牢な3バックが何とか守り切った。多分にアメリカの体力任せの拙攻に助けられたのだが。パス回しのうまいチームだったらボコボコにされていたかもしれない。守備面の不安が新布陣ゆえのものか、戦術上の問題かはわからない。中央でもう少し余裕をもてれば、後列も楽になりそうだが。

結論。3トップでは日本のいいところが生きない。2トップで中盤を厚くする方がよい。

借りてきた猫みたいな

2007年02月17日 | サッカーの話
グランパス公式HPの集合写真が更新された。静止画像とはいえ、新ユニフォーム姿のお披露目だ。曲線がおおいのっぺりとしたデザインだが、黒のパンツが全体をきりっと引き締めている。これ、動いている姿は結構いけるんじゃないかな。

こういう集合写真の場合、背の高い人は最後列と相場が決まっている。となると、オレの増川はどこに……あ、いた。最前列のむかって右端に窮屈そうにチョコンと座っている。

借りてきた猫みたい。

フィールド選手の主力級という扱いなのだろうけど、ものすごく「らしくない」姿。増川って座るとただのデカい人なんだな。やっぱりサッカー選手はピッチを走る姿が一番かっこいい。

【追記】米山と正式に契約。すっかりセフさんの信頼を勝ち取っている模様。阿部の台頭と合わせて、古賀の穴を埋めてありあまる結果となった(と思う)。今のところ練習試合の出番が少ないが、角田にも期待している。

日本代表候補招集

2007年02月15日 | サッカーの話
スルーを決め込もうかと思ったけど、やはり一言。オシムJAPANの代表候補が招集された。

注目点はGKとFW。グランパスからフロンターレへ移籍した川島が初招集。実力に問題はない。彼の世代では日本屈指のGKだ。昨シーズンはグランパスで楢崎とポジションを争い、楢崎がケガから復帰した後も何試合かポジションを守った。(しかし、結局楢崎に奪い返された。)オシムは国内組・海外組を問わず、所属チームでレギュラー級でなければ招集しないことを原則としている。その点で言うと川島の招集はやや時期尚早だったかもしれない。川崎でポジションを得ることはほぼ確実だが、しかしまだリーグ戦は始まっていない。この点で、やや説得力に欠けるという批判は免れないかも。

なお、GKの「ベテラン枠」はあいかわらず川口。グランパスサポのひいき目には楢崎の方が安定していて「ベテラン枠」にふさわしいように思うが、オシム(あるいは加藤GKコーチ)は別の意見のようだ。

流通経済大学の林は「若手育成枠」と考えればよいだろう。実力だけみれば彼より優れた日本人GKは他にもいるだろうが、特に若い世代のGKに日本代表を経験させることで、今後の成長を促そうという試みだ。フィールド選手については、こんな悠長なことは言っていられない。どこも鎬を削るポジション争いだ。しかしGKについては、オシムは日本人プレーヤーのレベルに満足しておらず、育成が必要であると考えている。

同じく初招集のFW矢野については、アウグス党主さんが興味深い解説をしている。ゴールを決めることより、前線で体を張って働くことを求められているという意見である。東京在住のアルビサポさんの解説によると、「中学生でも決められるような決定的チャンスでもゴールネットを揺らせなかったくらい、見事に点を取れなかった」が、「前線から献身的に守備をして、相手の攻撃を遅らせる役割を果たすなど、そういう面は評価されてい」たとのこと。デカくて、前線で体を張って、守備に貢献する、というオシム好みのFWで、要するに「巻の控え」ということらしい。うっかり知らなかったんだけど、矢野はグランパスの練習生だったらしい。へぇ。

その他ではG大阪の橋本、浦和の相馬、清水の藤本が初招集。橋本は問題なし。前任監督の目がフシ穴でなければ、とっくに呼ばれていただろう。「アレックスよりよい左サイド」として招集したのが相馬と藤本にあたるあろうか?藤本は問題ない。昨シーズンのJリーグでもっとも輝いた選手の1人だ。相馬はアレックスの控えで、レギュラー級ではなかったはずだが、どうだろう?

DFでは中澤が代表へ復帰。さらに阿部と今野はすでにDF登録での招集となっている。オシムが日本人ストッパーをあまり評価していないのがわかる。これは今に始まったことではないけど。

今回も海外組の招集は見送り。また、人数枠のせいで、充分に実力がありながら招集されていない選手もいる。たとえば川崎の中村憲剛など。(間違っていました。憲剛は招集されていますね。ご指摘ありがとうございます。)というわけで、オシムはまだいろいろな選手を試していると言えるだろう。別の言い方をすると、今回呼ばれた選手たちは、文字通り“候補”でしかない。ここでトルシエを思い出した。トルシエはこれでもかというぐらい多くの選手を代表合宿に呼び、試合で試した。今のベテラン世代の中堅どころで「代表1キャップ」みたいな選手がたくさんいるのは、そのせいだ。オシムも数少ないチャンスを利用していろいろ試している。

追記:後でもう一度考え直したら、だいぶ固定されてきたかな、とも思う。

練習試合・サガン鳥栖戦

2007年02月10日 | サッカーの話
グランパスの指宿キャンプも終了。木曜日には若手主体のチームでサガン鳥栖との練習試合に挑んだ。J2とはいえ、あちらはほぼベストの布陣。力は同格か、むしろこちらが挑戦者の立場。ここで若手が結果を出せるかどうかが興味深い。

グランパスはトップチームと同じく中盤を厚くした3-5-2。ただしいかにも即席のチーム。

  杉本  マキ

  小川  須藤
渡邊      新川
    吉田

 竹内 青山 角田

    櫛野

開始早々、まだ連係ができないうちに失点したが、まあこれは気にしなくてよかろう。その後は角田がDFラインを統率し、失点を防いだ。後半は青山が中盤にあがり、角田がセンターに入ったらしい。

さて、ここがポイントだ。セフさんが角田をどう評価しているのか? 昨シーズンは角田が監督の信頼を得られず、後半は京都へレンタルへ出された。(一説によると角田の練習態度が悪かったのが原因とか。)今シーズン復帰するも、これまでの練習試合では出番がなかった。そして、若手主体のチームでの初起用。ここにセフさんのどういうメッセージを読み取るか? おそらく主体的にリーダーシップを発揮してほしいということだと思う。新人と実戦経験の少ない若手の主体のチームで、角田はいやおうなく中心的な存在。あえてセフさんは角田をそういう状態に追い込んだのだと思う。甘えが許されない状況で、角田がどれだけできるか、セフさんは見たかったのだと思う。もし、この推測が当たっていれば、セフさんは大した監督だ。選手を見る目が厳しい。そして、結果としては、まずまずのできばえだった。角田もこの試合を通して一定の手ごたえを感じたにちがいない。