美容室シンデレラ 心に響くエッセンス

人生を歩んでいくうちに出逢う沢山の喜びや哀しみ
乗り越えなければならない大きな壁にぶつかった時
そっと読んで欲しい

初任給

2011-05-29 15:41:48 | 初任給

この春、私の息子は大学を卒業し、なんとか無事に就職できました。

そしてとうとう、新社会人初のお給料をいただきました。

先日のGWのある日の朝のことです。

出勤前、私は背後から息子に呼び止められ、振り向くと、なにやら細長い

きれいにラッピングされたデパートの包みを手にした息子が立っており、

私に手渡してきました。     

 

 

             Kasa1


    

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、「お母さん、今まで育ててくれてありがとう。初任給出たから、 これ

プレゼント。」と言葉を添えて。

嬉しさのあまり、一瞬声も出なくなりましたが、本当に本当に有難くて、ちょっと

泣きそうになりましたが、そこはグッとこらえて、

「え~っ!!ほんとにぃ!!すごくうれしい!!ありがとうね!」

と、声を弾ませて言いました。

でも、息子のやさしさはこれだけではありませんでした。

ナントナント!じいちゃんにはサスペンダー。

そして死んだばあちゃんには、一箱 5,000円もする高級線香まで

用意してくれていたのです。

こんな高級な線香なんて、私でさえなかなか買えるもんじゃあありません。

それを息子はおしげもなく、火をつけていました。

さすが高級線香です。良い香りが玄関先まで漂います。

天国に召されたばあちゃんもきっと今頃は涙を流して喜んでいると思います。

ちなみに、私へのプレゼントの中身は、UVカットの日傘でした。

 

 

 

 Kasa2

 

 

 

 

 

 

 

この傘、今どうしていると思いますか?

実は、もったいなくて、未だにつかえないので、仏壇の前のヒノキの開き戸の

格子の部分に、プラプラッとぶら下げたまんまなんです。

ご先祖様に「こんなのもらったよォ~!!」っと見せびらかしてご報告中。

包装していた箱もリボンもまだ捨てられず、こっそりと洋服ダンスの片隅に

置いております。

以前母が生きていた頃、私がプレゼントしたもの。

先日遺品の整理をしていたら、なんとまだ開封さえしていないものが何点か

見つかりました。

母もやっぱり、娘からもらったプレゼントを一度も使わずに大切にしまって

おいたんですね。

母がしたこと。今度は私がその立場になったみたいです。